写真_2018-08-02_11_18_57

文章力のないライターが生き残るための試行錯誤

わたしはたぶん、文章力がない。

ライターとして仕事をもらっているのに「文章力がない!」とキッパリ言うのははばかられて、これまでは言わないようにしていたけれど…。

でも、ライターをやめた今は、もう言っちゃってもいいかなあなんて思ったり。

ここで言う「文章力」は、技術のことではなくセンスのことです。

「だ・である」をそろえるとか、各メディアのルールにのっとった文章を書くとか、そういうのは技術と姿勢の話。それは勉強すれば、誰だって上達するものだと思っています。

それに対して、センスとしての「文章力」。

それが、たぶん自分にはない。。。

そんなことにはもう、ライター専業になった2016年には気づいてしまっていました。

周りには読者をぐっと引き込むような表現ができる人もいて、そういう人は技術が粗削りでも、やっぱり読ませちゃうんですよね。

技術だけではどうにもならないような、圧倒的センス。そういう光るものが、自分にはない。

でもわたしは、文章を書いて生きていくと決めた。だから、仕事をもらわなければ生きていけない。

そんなわたしが、ライターとして仕事をもらうために考えてきたこと。試行錯誤。せっかくなので書き残しておこうと思います。


1)「見やすい」記事を書く

何よりも、これにつきます。

「読みやすい」よりも「見やすい」記事を書く。

わたしがWebで書いてきた記事は、基本的に「読んでもらう」よりもまず「見てもらう」を前提にしていました。

これは、自分自身がほとんどWebの記事を読まないということもあるかもしれませんが、自分が惹きつけられるほどの文章力がないってわかっているからこそだったと思います。

見やすい記事を書くために、工夫していたのは以下の3つ。

・見出しと太字だけ読めば大方把握できるようにする
・写真や画像を適度に入れる
・枠などの装飾をうまく使う

わたし自身も見出し、太字、写真、写真のキャプションをサーっと流し読みすることが多いので、それでも伝わる構成にできるよう意識して。

文章を書くよりもまず「画面をどう構成するか」の方に気を遣ってきました。

▼この記事とか!


2)文章力よりも編集力を問われる仕事をする

ライターの仕事は様々で、記名で自分の色を出して書くような記事もあれば、まったく自分の色を出さないような「説明文」を書く仕事もあります。

後者の場合は文章力よりも、今ある材料をどう料理するかの「編集力」が問われる気がします。

そして、わたしがもらっていたライター仕事は「編集力」が必要なものが圧倒的に多かったです。

例えば、とある商業施設の広告の文章を書く仕事。

既にその商業施設に関する資料や、メインのキャッチコピーという材料はあって、そこから広告におけるキャッチコピー(見出し)や、テキストを作っていくなど。

また、「わたし」が登場しないインタビューもそうです。

既に媒体の方で書いて欲しい流れや構成があって、その中で正しく、できるだけわかりやすく、インタビューをまとめていく。例えばこういう感じ(執筆だけ担当した記事です)。

あとは、企業の採用ページや広報誌用の社員インタビューとか。

取材に関しては既に昔すべてを書ききった有料マガジンがあるので、くわしく気になる方はこちらをどうぞ!


3)「書く」以外のプラスαを持っておく

「文章力の一点突破では、ライターとして生きていくのが難しい」

そう思ったわたしは、「書く」以外のプラスαを持とうともがいてきました。

大きな意味では、最初に書いた「見てもらうための工夫」も、ひとつ前に書いた「編集力」もそうかもしれません。

その他にも、例えばこういうこと。

・SNSの知識を持っておく
・WordPressサイトを運営する
・ある程度の写真を撮れるようにしておく

これらのことは、本当に役に立ちました。

SNSが身近ではないクライアントさんのSNS運営相談とともに、記事執筆の仕事をもらったり。

自分でWordPressサイトを運営することで(WordPressって何?ってところから始めました!)、入稿ができるのはもちろんGoogle Analyticsの見方もわかるし、その時々のトレンドも把握した上で企画の相談ができたり。

写真に関しては、Web記事では高いクオリティの写真でなくても「取材と撮影一緒にやってきてほしい」というところも多いので(予算の削減…)、それに対応できる最低限のレベルはクリアしておくことで、仕事をもらえたり。

圧倒的な才能で突き抜けるのは難しいけれど、「できること」の掛け算で需要に対応していくことはできる。

ここに書いたことは「これをやればライターとして生きていけます!」ということではなく、それぞれに合った「プラスα」があると思うので、それと掛け算するのもアリかなと思います。


おまけ)「普段は言いにくいこと」を言う

これは「ライターとして」よりも「発信をする人」として。

わたしは文章力に自信がなかったので、ブログやTwitterを始めた2016年当初からずっと「表現力」よりも「何を言うか」に焦点を当ててきました。

表現力があれば、日常の些細なことでも人がおもしろく読んでもらえるのかもしれない。でも、それは今のわたしには難しい。

だから「自分は思っているけれど、ちょっと世間の空気として言いにくいな」と思うことを、Webではしっかり言うようにしてきました。

例えばブログには、会社員時代に適応障害で心の調子を崩したこと、アダルトチルドレン思考で悩んだことも書いています。

わたしは「周りの人に理解してもらえないこと」があったときに、Webで検索して、同じように悩む人のブログやSNSを見ることで「どうにもならない今」をどうにかしたいともがいていました。

だから、きっとわたしが「思っているけれど言いにくい」ことも、ネット上に書いておくことで誰かの役に立つかも。そんな気持ちで。

そんな発信の積み重ねが、今の自分のブログやTwitterになっているかなと思います。これまでずっと、爆発力はないけれど、コツコツと「読んでくれる人」が広がってきています(うれしい)。

***

以上が、文章力がなかったわたしが、ライターとして生きるためにやったことです。

ちなみに、ライター卒業記念の総決算としてザックリ数値的に書くと…

・2014年:副業として月数千円程度
・2015年:副業として月数万円程度
・2016年:20万円程度の収入が得られるようになって「フリーライター」として生きることを決める
・2017年:前職の会社の新卒年収と同じぐらい
・2018年:前職の会社の同世代と同じぐらいの年収
・2019年:前年の1.5倍ぐらい

一応、1人で1年間生きられるぐらいにはなりました!すごい!(自画自賛)

ほとんど営業をしないにも関わらず、お仕事をいただけたのは、見つけてくださった企業の方々のおかげです。

(駆け出しライターのみなさん、お問合せページをつくっておくの、とっってもだいじ!です!

***

ちなみに、このnoteの中で「文章力がない」と書き続けてきましたが、わたしは文章力をあきらめているわけではありません。

圧倒的センスはないかもしれない。

でも、あきらめなければ、少しずつ上達するかもしれない。

2019年でライターは卒業したものの、文章を書く仕事はこれからもずっとしていくつもりです。

だから、これからもきっと、試行錯誤して進んでいくのだと思います。


長いnoteを最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

少しでも何か、役に立ったらうれしいです!


スキもサポートも、とても嬉しいです!励みになります!