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【明日に役立つ映画レビューVol.2】仏・独・白(ベルギー)合同制作映画から学ぶ「めんどくさいパートナーの愛しかた」

Category : LIFE STYLE
2020 / OCT / 25 by MIKI TAKEDA(Tailor Bijoux)

 恋人や夫婦の形はそれぞれ。基本的に異なる文化や性格を持つ二人が一緒に暮らすことって大変だなぁと思うこともあります。筆者の場合「めんどくさいパートナー」と思われている側かもしれませんが、そんなパートナーとの関係に役立つ映画をご紹介します。作業をしながら、のんびりしながら、ゆる〜く観られるのでおすすめですよ。

『ニューヨーク、恋人たちの2日間』(原題:”2 Days in New York”、フランス・ドイツ・ベルギー、2012年、96分)

 この映画はなんと主演であるフランス人女優、ジュリー・デルピーが監督・脚本を務めているのだというから驚き。しかも実はこの映画は2007年に公開された『パリ、恋人たちの2日間』の続編ということでした。しかし筆者のように、そのことが知らなくても全然楽しめたので、後から前編を観ても大丈夫ですよ。

Point! お子様とは一緒に観ちゃダメ!
本作はPG12に指定されているので、12歳以下のお子様とは鑑賞できません。筆者的には「うん、確かに子供にはこんな大人の世界は見せられない!笑」と感じました。大人の世界を分かってこそ、大人向けのラブコメディ映画なのです。


とっ散らかりまくりの強烈家族

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 彼氏のミンガス(クリス・ロック)とニューヨークで一緒に暮らす主人公マリオン(前述したジュリー・デルピー)の元に、フランスから彼女の家族がやってくるということからストーリーが始まります。この家族というのが、個性レベルではない強烈な性質を持った家族。いきなりやってきた彼女の家族に「やれやれ…。」と疲れ切るミンガスに注目。

Point! マリオンパパ役は実際の父親!強烈家族はまさかリアルですか?(笑)
マリオンの父・ジュノ(アルベール・デルピー)
 ⇨ 基本お風呂に入らない。距離感がおかしくてちょいちょい引かれる場面も。
マリオンの妹・ローズ(アレクシア・ランドー) ⇨ 児童心理の専門家という知的な面を持ち、清楚で綺麗な顔立ちなのに、「あれ?この人イカれてるわ…。」と段々分かってくるのがブラックユーモア。
妹の彼氏・マニュ(アレックス・ナオン) ⇨ 発言、行動、色々問題ありです。絶対友達になりたくない人ナンバーワン。とりあえずクスリだけはダメ、絶対です。


「ちょっと個性的な女性」が「異常者」に変わる瞬間

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※画像はイメージ
 ということで、主人公の強烈家族に苦しめられる彼氏のミンガスでしたが、彼女の事が好きなので基本我慢しています。ところが、そんな我慢も限界なのがこのシーン。若干映画のネタバレ含みますが自分が男性だと思って聞いてくださいね。写真アーティストである主人公の展覧会からの帰宅が遅いのを心配して、ようやく帰ってきたと思った後のマリオンの一言。(筆者による意訳、一部抜粋)

 「あたしの魂を契約書で購入してくれた男の人がいて、でもやっぱりいけないと思って取り返しに行ったんだけど、その男の人はなんと有名な映画俳優だったの。ところがあたしの魂をなかなか返してくれなくて、彼のズボンの股間部分にいれちゃったわけ。だからあたし、それで取り返そうとレストランの床で二人で揉み合いになっちゃって…(それで帰るのが遅くなったの、ごめんね)。」

 えっとー、しばし固まるミンガス。ただ思うことは「何言っているのか意味分からん!他の男と浮気だかよく分からないけど何してんの!?あー、もうまじで全然理解不能!」。そう、理解不能の境地になった時、「個性的で可愛い女の子」は「狂気の異常者」に変わってしまうのですね。


それでも愛すべき運命を悟る 

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 そうこう言ってもミンガス。別れるとか見放すことはなかなか出来ません。色々考えが巡っても最後には「それでもマリオンは料理が美味しくて可愛くて好きなんだ」(ミンガスって本当良いヤツ!)と自分にとって大切だということに気づきます。しかし、マリオンを追って公園に行くと彼女はまたまたトンデモ行動を巻き起こしていた…。
 最後まで一貫したギャグセンスにあっぱれですが、一方で人の性質は変わらないことを思い出させてくれます。元栓を閉め忘れるところ、洗濯物の畳み方、料理の味付け(「あぁ、耳が痛い!」)、何度言っても治らない性質はこの先何度言っても変わらないかもしれません。それでも、マイナスがプラスになるのは、「パートナーがわたしの目の前にいてくれる」という事実。なんと知らぬ間にわたしたち、大きな人間愛を学んでいたのですね!


めんどくさいけど、憎めない。フランス的ファムファタール(運命の女)の証?

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 フランスの言葉である「ファムファタール(Femme fatale)」(運命の女)。日本で言う「魔性の女」的なイメージに近いかもしれませんが、実在に居たらどうでしょう。ロングヘアーに赤いドレスとハイヒール、息を飲むほどの美貌。そんな言葉で形容されそうですが、それはあくまで映画やドラマだけのファンタジー。
 この脚本では、ミンガスがマリオンやその家族に激怒している姿が描かれど、マリオンがミンガスに不満をぶつけたり怒るシーンはあまりありません。どんなに振り回されてもミンガスの心は離れていっても必ず舞い戻ってくるのは、マリオンの子供のように純粋で優しくて愛してくれているから。そんな風に思わせるのは紛れもない「ファムファタール」の証なのかも。にくいのは決して正統派美人とは言い難いジュリー・デルピーの元々持つ「ほっとけないあどけなさ」が残る容姿や視線。それが、リアルな「運命の女」としてのリアリティを増幅させています。


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ここまでお読み頂きありがとうございます。ご意見・ご感想参考にさせて頂きます。

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文責 : 武田 美樹 / Tailor Bijouxオーナー兼デザイナー
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