ウスバカゲロウと額に残る勇者の傷跡
駐車場にたくさん
アリジゴクの住処がある。
あまりにもいっぱいあるので
先日細い枝でちょいちょいと
刺激して遊んだ。
すり鉢状になった
さらさらの土の底に
がっちりと獲物を捉える
でかい鋏を構えて待っている。
アリの体液を吸い取って成長し
ウスバカゲロウになる。
区切りをウスバカ・ゲロウにすると
「薄馬鹿下郎」に聞こえる。
すんごい名前だ。
トンボのように半透明の
長い羽を持っていて
よたよたと頼りなさげに飛ぶ。
寝室に侵入したウスバカゲロウを
救出したことがある。
近頃、侵入生物を逃してあげる
回数が格段に増えた。
犬・猫や哺乳類または
身体の大きな動物を
救出するとニュースになって
もてはやされるのに。
蠍・ウスバカゲロウ・スズメバチ
蛾・カマキリ・蜘蛛
といった生物を室内から
外に開放しても
うんともすんとも
騒がれないから不思議。
もちろん攻撃してくる
蚊は容赦しない。
雨がよく降る近頃は
刺されたり潰したり。
やったりやられたりの
攻防戦を繰り広げる。
デジタルの殺戮ゲームなんて
顔負けの臨場感。
何しろホントに血を流す。
白壁に残る敵の血の痕は
翌日も生々しい。
数日前に額を蚊に
13か所刺された。
額に残る勇者の傷跡を
うっすら化粧で隠して
仕事に出かける。
現実ゲームの武器は
ハサミと針と糸。
お仕事へ行ってきます。
みなさん素敵な1日を。
(はてなブログ「アレコレ楽書きessay」2022.9.9 転載)
Grazie 🎶