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私たち結婚式をします。

今日はなんととってもおめでたいニュースが吉報が飛び込んできました。

40歳になるお孫さんがついに軽井沢で結婚式を挙げるそうです。

自分のことのように、私も嬉しかった。

と言うのも、いつもお世話になっている90歳代のおばあちゃんから聞きました。

40になってもまだいろいろ忙しいのか結婚しない選択してきたお孫さん


最近よく面会に来てくれるようになりました。


一緒に来てくれるクマさんのような大きくて頼もしい、力強く家族を守ってくれそうなおおらかで包み込んでくれるような男性です。


初めてお会いした時、
この方たちの家族になられてぴったりだなぁと思ったのです。


ありがたいことに最近よく一緒に来てくれます。


今日この嬉しいニュースを聞くことができてよかったですし、何よりとってもタイミングが良いなと感じました。


昨日は、おばあちゃんが、長年何年もの間疎遠になっているおばあちゃんの息子さんの夢を見たそうです。


夢の中では息子さんが泣いていたと。


「とても可愛がって育てて、日本で指折りの大学院までいかせてあげた。


なのに学のない嫁と一緒になってしまって、嫁が息子を私から遠ざけるようにしてしまった。

そして、あちらの両親も一緒になって、私から息子を引き離されてしまった。


会いたいのに会えない。何をしているのか寂しい体が思うようにいかなくなってしたいことができるようにできない。早く死にたいと思うようになった。


娘にそれを言うと親不孝者だから放っておけと言う。


そうは言うけれど、実の息子。

このまま死ぬまで会うことが叶わないかもしれない。」
と考え込んでしまうと言う。

この時期は、新入社員の1年生も来て、お互いに探り探りだからスムーズにいかないこともある。


高齢者の方たちは、そういった些細な新しい変化にさえ気を滅入ってしまうんだ。

またいつも面会してる娘様が風邪をひいて来れなくなってしまっていたため、週1の楽しみにしている面会も会うことが叶わなかった。

そんなこんなでいろんなことが重なりあって、悪夢を見ておばあちゃんのメンタルはギリギリだった。

いきなり怒ったと思えば、いきなり号泣したり。

そんなばあちゃんに私ができる事はなんだろうと考えた。

いつもお部屋のカーテンを締め切っているからカーテンを開けて窓を開けて換気させよう。

基本ひとりでいるのが好きそうなおばあちゃんだけど、今日は1人でいても良くないことばかり考えてしまうだろうし今日はお部屋の外へ連れ出して差し上げよう。

私には3階のラウンジでお気に入りの場所がある。そこの窓をあけると空一面が広がるウッドデッキ。

いつもお昼休みにそこへ行く。

開放感に溢れていて光が降りてくる感じがするし、風も気持ちいい。

その日はまあまあ風が強く肌寒く感じたから、空とウッドデッキが見える窓付近で。

その日は雲が1つもない位の真っ青で晴れでした。
もうすぐ18時、日が暮れだす。


空がいい感じに見える立ち位置に車椅子で誘導して来てもらった。

その方のお気に入りのハンドクリームでハンドマッサージをしました。


あえてその時は、手袋はせずに
直接ぬくもりを感じて欲しくて
素手でハンドマッサージをしました。

そして、ネガティブな表情のおばあちゃんに楽しかった時の記憶を思い出してもらおうと思っていろんな質問をしました。

ご両親のことを、家族のこと、1番楽しかった時はいつですかと聞いたら

結婚した後かなぁ。と教えてくれました。


「ご主人はどんな人でしたか?」

「とても優しくて穏やかな人でした。」

それと、ご主人のことを思い起したかのように、すーーっと不安な表情が少し和らぎました。

ご主人はどんな人だったのか。
何の仕事をしていたのか。
おばあちゃんはその時お仕事をしていたのか。

専業主婦だったのか。

色んな質問をして過去を思い出して行きました。


その時の思い出のワードに旅行という言葉が出たので、"旅行"のワードを掘り下げていくと


おばあちゃんは世界中たくさんの国を家族で旅行していました。


その時は今は会えていない息子さんも一緒です。

ハワイ
アメリカ
フランス、イタリア、スペインなどのヨーロッパツアー
イギリスなどなど

イタリアのローマやフィレンツェ

ゴンドラに乗った思い出

私の拙い海外知識を用いて
言葉を選んでおばあちゃんの記憶を紐解いていく。

大好きな家族と食べたおいしい料理の数々

1番楽しかった時を聞くと、その人が幸せに感じた忘れかけていた時の記憶を思い出すことができます。


カナダが一番良かった。

自然が豊かでね。

ナイアガラの滝も見てきたよ。


おお、中学の教科書でみたあのナイアガラかぁ。

きっと大きくて、人間の私たちはちっぽけに感じてしまうくらい壮大なんだろうな。

きっと今の悩みなんてあれに比べたら
吹き飛んでしまうんじゃないですか?


と聞いたら、笑ってくれた。


優しい笑顔に私も癒される。

可愛らしい、おばあちゃんのくしゃっとした笑み。


オーラも優しい感じ。

ハンドマッサージ と過去回想法で
今日は感情の起伏なくよく寝れるといいな。

そんなことをあとで思った。


今自分が体が不自由になって思うことができなくなって、ネガティブな思いになったとしても、失敗の経験を積んでて、メンタルが打ち破れそうになっても

人が人を愛した記憶、愛された記憶は絶対に消えないと思っています。


そしてその時の記憶を思い出して、また温かい気持ちに戻っていただいて、人生のあと残された時間にまた潤いと希望を取り戻してほしいと言うのが私の願いであって使命なのかなぁと思っています。


たった20分の時間であっても、このように人を幸せに取り戻すことが可能なんですよ。


そしてこんなことがあった昨日の今日にお孫さんからの嬉しい吉報が届きました。

毎日死にたいと言ってた
おばあちゃんが今度は孫のウェディングドレスを着るまでは絶対に死にません。

あと結婚式が行われるまでにどれだけ時間がかかるかわからないけれど
孫たちの晴れ姿を見るまでは。

息子のことはもう考えても仕方ないからくよくよ考えないようにします。と意気込まれています。

人生山あり谷ありだなぁとつくづく思います。

私たちが介入できるのは限りがあるし、踏み込みすぎないで見守るのも役目。

世代は違えど、その人その人に
向き合わなければいけない壁ができるんだなぁと思いました。

私から見るおばあちゃんは全て持ってると思っていたけれどそれはそのおばあちゃんの一側面しか見ていなかったのだと思います。


お嬢様育ちで専業主婦で色白で
不自由なく育ってきて幸せそうって。

おばあちゃんは息子様への会えない寂しさ、悲しみ、体の不自由さ、希望が見えない毎日なのに死ねない辛さを日々悶々と抱き続けていました。


でも辛い日々は長くて終わりが見えないように見えるけど、常に同じ状況はないように時間が止まらないように
常に少しずつ変化しています。

どんな人であれ、どんな辛い境遇に合わせていてもやっぱり諦めずに突き進んでいく、耐える強さと勇気をいただきました。


その日のおばあちゃんの目には今まで感じないくらいの強い光が宿ってきました。
これまでのひ弱な感じじゃない、今まで戦後を生き抜いてきた強い生命力を感じました。


私はまだまだ元気に生きて!とは思ってないですし、言いたくもありません。

十分すぎるほど生きてこられてると思っているから。


だから私は最後までおばあちゃんが穏やかに自分らしく生きれて、愛を感じながら過ごしてもらえるようにサポートするのみだと思います。


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