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【エッセイ】自転車

 自転車通勤をしている。

 漕いでいる時間は、たぶん片道約20分。たぶんというのは、正確に測ったことがないから。出勤時間の30分ほど前に家を出る。それで間に合っているからたぶん20分くらい。
 坂道は漕ぐ根性がないので、押して上がる。その横を電動自転車が楽々とすり抜けて行く。正直、羨ましい。何度も「次はあれを買おう」と思う。
 ただ私は積極的にスポーツをするタイプではないので、この通勤の自転車漕ぎがなくなると運動らしい運動が皆無になる。20分間の自転車漕ぎが運動らしい運動かと問われれば、それも疑問だが。
 身体を動かすのは、別に嫌いではない。嫌いではないが、わざわざ動かすために動かす気にもならない。ジムなどに通える人って、精神が強いのではないかと思っている。
 しかし段々と高齢者に近づいてくると身体を動かすこと自体が億劫になってくるに違いないので、ここは強制的に動かす場面を作っておかなければ、筋肉のまったくないへにゃへにゃの老人になっていくであろう未来が見えて怖い。
 そんなことを考えて、やっぱり電動自転車の購入は考え直すのであった。

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