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タイへの親子留学、年間のコスト

子供の海外留学なんて、一部の富裕層の話、と思っていた我が家(普通のサラリーマン)が、タイを選択肢にした理由の一つが、費用。

2拠点生活を送る私にとって、まず往来しやすいことが重要だった。日本まで6~7時間が限界。時差があると、短期間での往来が厳しくなるため、時差が少ない地域。宗教云々ではなく、食事や慣習でイスラム圏は難しい。
そうなると、欧米は除外。ハワイも候補にあったが、観光地色が強すぎてNG。治安や気候、宗教・文化的なことも含め、アジア圏の仏教国であるタイは、有力な候補だった。

タイに親子留学する場合、年間一体どれほどの金額が必要なのかを、実測値を基に概算してみた。

バンコク以外の2都市(チェンマイとプーケット)で親子留学した我が家の経費は下記の通り。

【タイでの親子留学・年間必要経費/親子2人の場合】
・学費(イギリス式インターナショナルスクール/寮なし):200~300万円
・住居費:180万円(保証金別)
・生活費(食費・交際費・ガソリン代・雑費):150万円
・光熱費(電気・水道・ガス):15万円
・習い事/趣味(スポーツジム・ゴルフ・ダイビング・楽器等):100万円
・医療保険:60万円
・ビザ(リエントリー含む):5万円
・車の保険:8万円
・往復航空券(年間120~180万円
概算で、おおよそ800~1000万円程度の計算になる。

初年度は、賃貸住宅の保証金(家賃の2か月分)や車の購入費用(車種によるが、一般的なセダンで約400~600万円)が更に必要となる。タイは車が高い。

学費に関して言えば、我が家は、寮のない学校なので学費が割安だが、寮制の学校では年間学費の相場が400~700万円ほどになる。

タイのインターでも、タイ人の割合が多く授業の半分がタイ語の「バイリンガル形式」の学校は、学費が100万円程度。選択肢の一つだが、日本人にはタイ語での授業というハードルは高い。

また、住居も、広さにこだわらず、1ベッドルームのコンドミニアムであれば、1か月5万円ほどで借りることもできる。子供が小さい間は選択肢のひとつだが、成長してくると同室は厳しい。特にプーケットは家賃相場が高めで、ビーチ沿いのプール付きヴィラは月額100万円を超すところも少なくない。今のプーケットで、親子2人が快適に、かつ安全に過ごす(ガードマンが常駐しているなどのセキュリティーが堅実な住宅)には、最低でも月額10万円が必要だろう。

せっかくタイにいるからと、我が家はゴルフやダイビング、パーソナルトレーナーを雇ったりしているので趣味のコストも多めだが、ここも個人差がある。学校の短期休みがあれば、タイ国内旅行に行くし、土日のホテルのステイケーションをすれば、それも趣味や娯楽の経費となる。ここは各家庭の価値観で金額に差が生じる部分だと思う。

次に、保険だが、これは絶対に節約できない項目である。
日本のような国民皆保険がないタイでは、医療保険に未加入の場合、支払い能力がないと判断されて診療を拒否されることも少なくない。外国人が使う病院は、設備も良くホテル並みの設えなので、数日入院しただけでも20~30万円要する。交通事故等で大きな手術を受け、集中治療室に1か月入院した人の治療費請求額が900万円だったという話も聞いた。こういう意味でも、保険は必須である。


ビザ等の経費も必須、長期の休みのたびに日本の帰国するとしたら、エコノミーで最低6往復(3往復×2人)、我が家の場合は日本にいる家族が来ることもあるので、更に2~3往復加算される。

少なくない金額だが、欧米諸国に比べたら、まだ学費も物価も割安だろう。
さらに昨今の円安から、以前よりも日本円での負担は増加傾向だ。

一般的なサラリーマンの我が家、祖父母の支援を多く受けているわけでもなく、基本的に自力で捻出している。夫の収入頼みの部分が多いが、タイミングを見て自宅を買い替えた売却益等を回したり、私がオンラインで仕事をしたり、今のところ回っている。

これができるのは、夫婦とも「子どものために今しかできないことがあるなら、全力でやろう」というスタンスがあるから。正直。自分たちの老後の資金等は深く考慮していない。
「極論、お金はいつでも稼げるが、子供の未来を創るのは、今しかない」
と思っている。

我が家のやり方が正しいとか間違っているとかではなく、それは個々の価値観如何。母子留学を検討している人の参考になれば嬉しい。






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