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Margo-物語と糸- #1 |『銀河鉄道の夜』を染める 1

 このたび、いとへんuniverseの仲間である染色作家・岡部陽子ちゃんと手染め毛糸の活動をはじめました。
ここ10年ほど海外から手染めの毛糸を買って靴下を編んでいたのですが、職人さんたちと立ち上げたいとへんuniverseのアトリエにたくさんの染料があって、染色ワークショップなどを手伝っているうちに
「自分でソックヤーンを染めたいなあ」
と、思うようになったからです。

 数年前から仕事の合間をぬって京都にある川島テキスタイルスクールの染色ワークショップを受講したり、染色の本を買ったり、職人さんたちが染めるのを横で見たりして勉強を続け、地味に機会を狙っておりました。
 しかし本業に追われ妄想だけに終わっていたところ、3年ほど前に次男を出産した岡部が赤子の手が離れたため少し余裕がでるようになり「一緒にやろう」と言ってくれて、プロジェクトがスタートした次第です。
 物事にはタイミングがありますね。一人のままでは妄想で終わっていたでしょうから、とても嬉しい。頼もしい相棒に心から感謝です。

 プロジェクト名は「Margo」にしました。マーゴと読みます。
いとへんuniverseのアトリエの住所、孫橋町からとってます(←安易)。
そして2人で相談し、自分たちの好きな物語をテーマに糸を染めていくことにしました。岡部もわたしも本が好きなのです。

 記念すべき1冊目に選んだのは、『銀河鉄道の夜』。
めざすのは「枷で可愛く、巻いて可愛く、編んで可愛い糸」です。

 岡部はもともと布を染めていたので染料には詳しいですが、毛糸を染めるのははじめて。わたしはなんちゃってニッターとして手染め糸には少々知識はありますが染めに関してはほとんど役立たず。
というわけで、失敗を繰り返し、テストばかりして、すでに毛糸に埋まってます。そして、ついつい凝りすぎてしまいます。けれどそれが楽しい。夢中で頑張った甲斐あって、自分たちが納得できる糸も生まれました。

 また、これを機に改めてじっくり読み直した『銀河鉄道の夜』の素晴らしいこと。大人になってもう一度触れる宮沢賢治は、知れば知るほど魅力的で、夢中になっています。
 そして、自分を構成するいくつかの成分が、賢治の物語や詩、言葉からもらったものであることにも気づきました。

 これから数回にわけてそんな『銀河鉄道の夜』の糸のことを、綴ろうと思います。

Margo ショップはこちら↓
https://margo-yarn.stores.jp/




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