「女帝 小池百合子」 石井妙子
東京都はただの地方自治体ではない。人口は1300万人。西欧の中規模国に肩を並べ、行政予算はスウェーデンの国家予算に匹敵する。都庁職員数は約3万8千人、警視庁や学校職員、消防士まで含めば16万人。東京都知事は直接選挙で選ばれる東京国大統領なのである。その首長に君臨する小池百合子。
テレビ東京のニュースキャスターを皮切りに環境大臣、防衛大臣、自民党総務会長、都民ファーストの会代表、希望の党代表などを歴任し、確固とした政策もなく権謀術数で都知事に登りつめた小池百合子。
本書はミステリのように面白く、そして恐ろしい。あくなき上昇志向は素晴らしいと思うが、それがもし虚偽に満ちたものであれば。
よく言われるカイロ大学卒業の学歴詐称問題。しかも女性初の首席卒業だと本人は言う。虚偽ならば公職選挙法違反である。
現地人でも国立カイロ大学は留年が当たり前だというほど難しい。小池のアラビア語能力では中学生の英語力でハーバードを卒業するようなものだと著者は言う。
もう一度言う。小池百合子を首長にいただく東京都は恐ろしい。
本書を読めばその恐ろしさがよくわかるはずだ。
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