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沢木耕太郎と藤岡洋子


藤岡洋子という作家がいます。


自身の看護学校の体験を元にして書かれたデビュー作の「いつまでも白い羽根」とこれも新聞記者としての体験がベースになっている「トライアウト」の二作品しか読んでないのですが、彼女の作品はとても良いのです。 

沢木耕太郎の「深夜特急」というあまりにも有名な紀行小説があります。
あの頃の若者は、いや若者でない人も退職した人も「深夜特急」を読み、熱に浮かされたように旅に出ました。

藤岡洋子さんは報知新聞のスポーツ記者、整理部を経てかねてからの念願である作家になるための見識を広げるようとタンザニアの大学に留学するのですが、その背中を押したのが「深夜特急」だったのです。

これを知った時に感慨深いものがありました。
「深夜特急」は1986年から1992年にかけて出版されましたが、時代を越えて旅だけではなく、何かになろうと悩み、もがいている人たちの背中を押し続けるのでしょう。

私の初めてのバックパッカーデビューはインドでしたが、椎名誠、蔵前仁一、岳真也の紀行文に惹かれ、胸を躍らせました。


「深夜特急」はずっと後になってから読んだのですが、凄まじい牽引力を持つ書物でした。
人生を狂わされた(?)人たちが出たのもむべなるかな、と思ったものです。

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