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【夏は「心」をいたわろう】

今年の梅雨は長く
関東では梅雨が明けたのが8月1日でした。
今は酷暑といってもいい天候です。
体温を超える気温になることも
驚くことではないような毎日です。
暦の上では、8月7日に「立秋」を迎えてはいますが
まだまだ暑いこの時期に
「夏」の季節について書いておこうと思います。

日本では季節を四季と呼び
春・夏・秋・冬で分けています。

薬膳の基本的な五行の考え方では
万物は「木・火・土・金・水」という
五つの元素からなるとされ
季節もそれに対応させて考えます。
これを「五季」といいます。

五行の表を見てみましょう。

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「夏」の季節は「火」に対応します。
表の赤い部分がそのグループです。

薬膳では
「夏」は「心」に負担のかかる時期だと考えます。
「心」とは、臓器としての心臓はもとより
こころ、精神、意識といったメンタルな部分をも指しています。
心臓は血液を送り出したり全身を巡らせたりする役目があります。
また、小腸、舌、血管、顔色などといった部位が「心」と関係しています。
心疾患があると、赤ら顔になったり舌がもつれたりするでしょう。

現在の医学でも
暑さによって心臓に負担がかかるといわれています。
「夏」の五気は「暑」、これが悪さをするときは「暑邪」となります。
「暑邪」により心臓にストレスがかかります。
そして暑いと寝苦しく寝不足になることがありますが
健康な睡眠をとらないことでも心臓に負担がかかるのです。

冬に心臓発作が多いということを聞きます。
それは暖かい部屋から寒いお風呂場やトイレに行くことで
温度差による血圧の急な上下が起こることが原因といわれます。
そのため心臓は冬に気をつけないと思われがちですが
実は夏にも「心」の養生が必要なのです。
暑さ対策や睡眠環境の見直しなどとともに
毎日の食事で体をいたわってあげましょう。

ではどのような食材を選べばいいのでしょうか。
いくつか目安があります。

◆苦味
 五味「酸・苦・甘・辛・鹹」のうち夏に対応した味は「苦」です。
 夏は苦味、これ、ひとつの目安です。
 苦味には
 ・温度を下げる
 ・「こころ」の高ぶりを抑える
 ・利尿作用
 ・排便を促す
 ・収斂作用
 といったはたらきがあります。
 例えば、ゴーヤ、緑茶、ミントなど。

◆赤い食材
 五行で「夏」に対応する色は「赤」です。
 例えば、トマト、スイカ、赤カブ、小豆、クランベリーなど。

◆以蔵補蔵
 (自分の強化したい部分と同じ部位または似ているものを食べる)
 例えば、ホルモンのハツ(心臓)や、ハート型のカルダモンなど。

◆体の熱を冷ます食材
 例えば、キュウリ、スイカ、柿、カニ、蕎麦など。
 薬膳には、食材によって
 ・体を温める
 ・体を冷やす
 ・どちらでもない
 という区分けがあります。(もう少し細かく分けますが)

また夏だけではありませんが
旬の食材が体に良いことも忘れてはいけません。
夏に採れるものは
不思議と夏という季節に合ったはたらきをしてくれるのです。


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