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【イベントレポ】ライター未経験30代ママの私たちが短期間でキャリアチェンジできたワケ

ライターコミュニティ「ききじょうず」を主催し、多くの著名人の取材もされている仲奈々さん。キャリアスクール、SHElikes内でも輝かしい賞を受賞され、今年はエッセイにも挑戦していくと語っていたなりーさん。

「この二人、本当にママさんなの?」

私が「ききじょうず」に入会してからずっと、そう思わずにはいられませんでした。子育てをしながらお仕事でも自分の夢を叶えていて、一体ここまでどうやってきたんだろう?そんな私の疑問に答えるかのように、5月の「ききじょうず」のイベントには奈々さん、なりーさんが登壇!

お二人の未経験からライターにキャリアチェンジができたワケをお伺いしました。


コミュニティ「ききじょうず」とは?

「ききじょうず」とは、仲奈々さんが立ち上げた、取材・インタビューに関心を持つライターたちが集うコミュニティです。
詳細はこちら👇

登壇者の紹介

仲奈々さん(Xアカウントはこちら
8歳と4歳のお子さんをもつママさん

なりーさん(Xアカウントはこちら
2歳のお子さんをもつママさん

テーマ別対談

1.ライターになるまでの経歴は?

奈々さん:
大学は国文学科で、周りの就職先は出版社、新聞社などのメディアに進む人が多かったんです。私も興味はあったものの、みんな学生時代から出版社でインターンしたり、自費出版したり、放送研究会に入っていたりと、大学在学中からすでに就職に向けて動き出している人たちばかりでした。一方で私は、「メディアや出版社で働くのって、こんなに努力しないといけないのか」と怖気づいてしまったんです。

大学卒業後は生命保険会社に企画職として入社しましたが、「なんとなくやりたいことと違う気がする…」と業界や職種を転々とするように。

なりーさん:
高校生の時に映画に出てくるジャーナリストを観て、新聞記者になりたいと思いました。
大学生で新聞社のインターンに参加するも、学生時代の経験や学歴がすごい人たちが多く、心が折れてしまい、新卒では別の道へ。その後2度離職を経て、心を病んでしまったのと妊娠を機に専業主婦になりました。自分は社会不適合者なんじゃないか……?と当時は落ち込みましたね。

2.ライターを目指そうと思ったきっかけは?

奈々さん:
前職がアプリ開発をする会社で、周りはWEB周りの知識がある人たちでした。私はアプリ開発もデザインの知識もなかったんですが、デザインを勉強したら本業で活かせるのでは?と思い、産休中にWEB関連のさまざまなスキルが学べるキャリアスクールに入会しました。

ですが、なんとなく勉強に身が入らなかったんです。デザイン以外なら興味が持てるかな?とライティングの勉強を始めてみたのですが、それが意外と面白くて。講師から課題のフィードバックをもらった時に、デザインの時はなんとも思わなかったけど、ライティングは返ってきた改善点を見たらめっちゃ傷ついて悔しくて。これって上手くなりたい裏返しなんだろうなと思い、本格的にライティングをやることにしたんです。

なりーさん:
希望の大学に入って留学までして。それまではいい人生と思って生きてきたけど、仕事で活躍できると思っていたのに社会に出てから全然ダメで。自分は無力だと思い知らされました。
どうせ落ちてるなら落ちたなりに楽な方へ、失うものは何もなくなったから自分の行きたいところに行ってみようと思い、もともと興味のあったライティングを学べるキャリアスクールに入会しました

3.未経験からライターになるために取り組んだこと

奈々さん:
まずキャリアスクールで勉強しました。でも学んだだけでは自信はつかないと思い、スクールに入った翌月から、実績作りのためにクラウドソーシングに登録して仕事を開始。

学び始めた頃は完全在宅で仕事がしたくて、誰とも喋らず黙々とSEO記事を書く働き方だったら子育てしながらやりやすいかも、と思っていました。取材は外出したりオンラインでも時間が取られちゃう。育児との相性が合わないから違うなって。

でも、スクールの課題で取材をやってみたら、普段会わない人の話を聞けたり、何年も友達やってた子でも知らなかった新しい一面が知れたり。取材を通して相手のことを好きだな、知りたいなってなるのが楽しくて、取材ライターへのキャリアチェンジを考えるようになりました。

取材に絞ってからはクラウドソーシングはやめ、自主企画に力を入れるように。自主企画を3,4本書いてポートフォリオに掲載し、取材ライターを募集している企業やメディアに営業をかけていきました。

なりーさん:
キャリアスクールで基礎知識を身につけ、スクール内の課題添削やコンペを利用したり、noteを書いたり、継続的にアウトプットをしていました。

それ以外に、活躍してしているライターさんが、Xで「私と話したい人いる?」って人を募ることがあって、そこに軽率に飛び込んでいきました。そうすると、まだライターとしての実績は多くなくても、「この人はライターを目指してる人だ」と周りが認識してくれるようになったんです。
人の話を聞きに行ったり、自分が何をしてる人なのか、何を志向してる人なのか、コミュニティに所属してることやそこでの学びを発信していった結果、未経験から取材記事の仕事のご依頼に繋がりました。

奈々さん:
私も実績とか何もない時に、先輩ライターが募集する「話したい人〜?」っていうのに手を挙げたり、同じくライターを目指す人達の集まりに参加したりしていました。そこからお仕事に繋がったものもあります。

実績がついてライターを名乗れるようになったのは、勉強を始めてから半年〜1年後だったけど、その間にもコミュニティに入ったり、先輩ライターに絡んだり、仲良くしていることをSNSで発信していたら、実績は全然なくてもなぜかライターって見られたんですよね。

4.仕事を増やすために工夫したことは?

奈々さん:
自主企画をポートフォリオにしてメディアに営業かけたり、SNSで書いた記事をアピールしたりしていました。特にSNSでの反応はすごくよかったです。

「こんな記事書きました」「こんな学びがありました」って1本の記事を何度も投稿することで、実際は3,4本しか書いてないのにめっちゃ自主企画をやってる人に見えたんです。
そしたら相互フォローしてる人が「よかったら取材やってみませんか?」と立て続けに声をかけてくれて。自主企画をSNSで発信したことが、仕事が増えるきっかけになりました。

なりーさん:
当時は、繋がりで仕事ができるなんてありえないと思っていたので、自分で動く営業型でした。XやWantedlyで仕事を探して、応募していましたね。
私は今もWantedlyを定期的に見ています。フリーランスは、いつお仕事がなくなるかわかりません。だから今でも営業かけたり、スカウトをもらった時にはカジュアル面談をしています。

奈々さん:
私はSNS経由で仕事をいただくことが多くて、なりーちゃんは営業で仕事をいただくことが多いんですね。ただどちらの場合も、仕事を増やすには、一人の編集さん、一つのメディアときちんとお仕事するのが、結果仕事を増やす最短ルートになるのでは?と思っています。

なりーさん:
一つのメディアで信頼を重ねていくって、私も大事だと感じています。メディアによってルールやトンマナも変わるので、あちこちで薄く広くやるとしんどくなることもあります。1箇所でしっかり極めて、一緒に仕事してる編集の方に「この人ならこういうアウトプットを出してくれる」というところまで重ねていく。記事の質もそうだけど、納期を守る、コミュニケーションを密にとるといった些細なことから信頼関係を築く。いい関係の中で修正が減ってくると、自分に自信が持てるようになって「ここまでだったらできる」と断言して自分を売り込むことができます。

5.単価を上げるために工夫したことは?

奈々さん:
まず前提として、メディアごとに予算があるので、単価が低いからライターの質が悪いというわけではありません。逆に単価がいいから在籍してるライターみんな優秀かと言われるとそうではないのが現状かなと。

いろんなメディアで書けば書くほど思うのは、単価が高いからやることが増えたり、記事のクオリティが上がるというわけではないということ。単価1万円の記事と10万円の記事があったとして、10万円の記事は1万円の記事の10倍のクオリティでアウトプットしないといけないかと言われると、そうではない。単にメディアに予算があるかないかの話だと思っています。

同じメディア内で単価を上げるのはかなりハードル高くて、自分の経験でも、周りの人の話を聞いても、あまり聞いたことがないですね。

しっかり今いるところで実績を積んで、次のところで上の単価で交渉する。そもそも予算がないところだと、いくら良い記事を書いても単価をあげるのは無理なので。それはライターのせいではないので、そういう時はスパッと切るのも必要です。

なりーさん:
フリーランスって正社員みたいにキャリアパスが描かれてないよね。年1回の給与見直しとか評価制度とかはない。業務委託だとこの業務をこの報酬でやってくださいって決まってスタートするから、そこから単価を上げるということは、業務内容にアップデートが生じる時だと思ってて。

記事だけでなく写真も撮るとか、編集やディレクションもするとか、新たに業務が増えるなら納得して上げてもらいやすいですね。

奈々さん:
今在籍してるメディアでしっかりポートフォリオとか実績を作って、それを持って新しいメディアで単価交渉をする。それが単価をあげる近道だと思います。そのためには、まず今いるところでしっかり実績を作ることが大事。

6.仕事と家庭の両立どうしてる?

奈々さん:
正直全然できてません…。土日も仕事してるときもあるし、月に1,2回は朝までやることもあります。夜中にやるのはしんどくなってきたので、最近は土日に仕事が溜まってる時は、6時に近所の早朝からやっているカフェに行き、午前中に仕事してお昼を買って帰っています。朝6時に仕事を開始して12時に帰れば6時間仕事ができるし、お昼にあわせて帰ってくれば午後は子どもたちとも遊べるので。

なりーさん:
子どもが9時頃保育園に行くので、その後家事をして、10時から仕事をしています。住んでるところから都心まで1時間程かかるので、取材に行く日は取材のみ。外での取材がない日は10〜16時まで仕事で、お昼は30分で食べて、作業を6時間弱して、家事をしてご飯を作ってから保育園のお迎えへ行きます。夜にイベントの登壇があったら、それに間に合うように子どもを寝かせ、その後は深夜まで仕事してたりします。

言ってしまえば一人ブラック企業みたいな働き方かもしれませんね。でも、楽しいことしかしていないので全然つらくないんです。それに毎日働き詰めっていうわけでもなくて、1日リラックスして過ごしたり、寝落ちする日だって全然ある。

数年前は、子どももいて、夫も応援してくれる環境を手に入れてる人生なんて想像もしていなかった。
忙しくても私が仕事と家庭どちらも楽しめているのは、パートナーの協力が大前提にあるからだと思っています。

奈々さん:
産後は子育てを優先させたい人もいれば、産前と変わらず仕事の時間がほしい人もいる。人それぞれ理想の時間の使い方はあるので、自分のいいやり方を地道に探すしかないんだろうなって思います。いろんな人に、どう働いてますか?って聞いたり自分で試行錯誤したりする中で、見つけていけたらいいんじゃないかな。

7.キャリアチェンジをしてよかったこと

奈々さん:
今まで自分にはスキルもできることもないと思ってたけど、取材ライターの仕事は自分に合ってると感じます。ライターは、成果が目にみえやすい仕事。たとえばメディアはPV数が出るので、それがモチベーションになります。また、採用目的のインタビュー記事だと「奈々さんの記事を見て応募がきた」「採用が決まった」と聞けると嬉しいですね。

なりーさん:
今、初めて仕事で楽しいと思える人生を歩んでいます。学生時代に一度は諦めて、挫折した悔しい思いを抱えていたところから踏み出せたこと、少しずつできることが増えていったことが嬉しいんです。

たとえば導入事例記事を書いた時、「記事を読んだ人から申し込みが入ったよ」って言われて、役に立っている貢献感を感じられました。私は今の仕事が、一番喜びを感じられると思っています。

最近では仕事の幅が広がって、好きなアーティストのライブレポートを任されることもあるんですよ!ライターを始めてから2,3年かかったけど、ようやく好きなことが仕事に直結したり、自分の行きたい場所に行ける道筋ができたりし始めています。

最後に

レポートを書いていてイベントを思い出し、胸熱!!ってなりっぱなしでした。
正直これ、文章にしちゃって大丈夫?え、無料なん?(笑)
未経験からライターを目指す時に何をしたらいいのか。お仕事を獲得するためにやった方がいいこと。単価の上げ方。
初心者の方がライターとして活躍するまでに疑問に思うこと、誰かに相談したいことが網羅されていて、めちゃくちゃ有益な情報のつまったイベントでした!

しかもこちら、次のイベントの伏線になっているのが素晴らしすぎる!
このイベントの後に、トーク内容の延長線上のワークショップ「プライベートと取材ライターの両立」が開催されました。

実際のイベントでは、レポートにはかけないオフレコトークも満載でした!リアルタイムのイベントなので、登壇者に直接質問できる質疑応答タイムも盛り上がっていましたよ。

ききじょうずではイベントの他にも、メンバー内のSlack、オフ会など、ここでしか聞けないリアルな取材ライターの話が盛りだくさんです。
気になった方はぜひライターコミュニティ「ききじょうず」を覗いてみてください!


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