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先生が生徒に与える影響力~情報リテラシーの視点から~

毎日生徒と接する先生の影響力は、とても高いようだ。先生の影響力について、電通総研と読売新聞社の共同調査「子ども「ニュースの読み方」調査」の結果を見ながら考えてみたいと思う。

 この調査が類似調査と違うのは、学校の先生の影響力について触れている点である。「読売新聞 教育ネットワーク」を運営している読売新聞社の調査だけのことはある。

 「先生」からニュースを知ることが「よくある/ときどきある」

電通総研と読売新聞社の共同プロジェクト 子ども「ニュースの読み方」調査の結果を発表 (2022.03.07)」から引用

ニュースを知ることが「よくある」「ときどきある」の割合は、テレビ、おうちの人の次に多いのが先生という結果に。先生は生徒にどのようなニュースを伝えているのだろうか。調査から内容まではわからないが、先生がニュースを通じて社会と生徒を繋げる役割をしているのだろうと思う。

 「先生」から聞いたニュースの信頼度の高さ

電通総研と読売新聞社の共同プロジェクト 子ども「ニュースの読み方」調査の結果を発表 (2022.03.07)」から引用

「おうちの人」「テレビ」「先生」の信頼度は他の項目と比べて高い。テレビは別としても、おうちの人と先生は生徒にとって身近な大人なため、このような結果が現れているのではないかと思う。身近な大人が生徒に与える影響が大きいということの表れのような気がする。

電通総研と読売新聞社の共同プロジェクト 子ども「ニュースの読み方」調査の結果を発表 (2022.03.07)」から引用

だが、「おうちの人」「テレビ」「先生」の信頼度は学年が上がるにつれて少しずつ低下する。学年が上がるにつれて「誰から聞いたか」ではなく「情報そのものを判断」していることの表れであれば良い傾向である。

「先生」とはニュースについて話す機会がない

電通総研と読売新聞社の共同プロジェクト 子ども「ニュースの読み方」調査の結果を発表 (2022.03.07)」から引用

ニュースを先生から知る機会は多いようだが、「良く話す」「ときどき話す」の合計は伸びていない。これは先生がニュースを一方的に紹介する機会が多いということだろうか。確かに先生と生徒がニュースについて議論をしたり話したりする機会は、私自身あまり想像できない。

 ニュースを大人と話す子どもの方が情報源を気にする

電通総研と読売新聞社の共同プロジェクト 子ども「ニュースの読み方」調査の結果を発表 (2022.03.07)」から引用

大人とニュースについて話している生徒は、情報源について確かめているという結果に。これはニュースに興味を持つ生徒だから情報源も気にするし身近な大人とニュースについて話をしている、とも捉えることができる気がする。いずれにしても、ニュースが身近な生徒の方が情報源を気にするということだろう。

終わりに

このように生徒から信頼されている先生はニュースをどのように入手し、消化し、生徒に伝えているだろうか。

私は以前、先生であると名乗る複数のSNSアカウントが、新型コロナの陰謀論を拡散しているのを見たことがある。もし先生がそれを学校で生徒へ伝えていたらどうなるだろうか。この調査結果に基づけば、生徒は新型コロナの陰謀論を信じてしまう可能性が大いにあるということだと思う。

様ざまな情報が飛び交う世の中だけれど、ぜひ先生方は生徒に大きな影響を与える可能性を自覚した上で、正しいニュースを生徒へ伝えるとともに、積極的にニュースについて生徒と話す機会を設けていただけたら良いなと思う。 

★他の調査結果について考えたことは別のnoteに書いています。

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