マガジンのカバー画像

11
運営しているクリエイター

#現代詩

わたしの詩集 7 なにもないテーブル

わたしの詩集 7 なにもないテーブル

なにもないテーブルを前に
不安を抱くのがあなただとしたら
それすらも大事に思う

じっと空白を見つめる
まぶたは赤く膿む
実は落ちていく

あなたは引き受けようとしてる
待ち望まない
だから苦しい
そんなあなたを誇らしく思う

わたしの詩集 6 これからのぼくたちは

わたしの詩集 6 これからのぼくたちは

これからのぼくたちは
きっと晴れやかな日々を過ごす
なんて君は納得しない
強情だから

ぼくはいつか疲れ果てて
手を離す
君はわかってたよと笑う
優しいから

これからのぼくたちは
いつもの道を通って
駅へ向かう
反対側のホームで小さく手を振りあった

わたしの詩集 5  無題

わたしの詩集 5 無題

雨の音が弱くなった
わたしはまだ眠れない
夢をみる
最近ずっと夢をみる

遠くで救急車の音が鳴ってる
たぶんこれは現実
夢はもっと幻みたいで
掴みどころがない

誰かが言ってた
春は悪夢の居場所なんだって
わたしはなるだけ
悲しい夢をみないように
あったこともない神様に祈る

雨の音がやんだ
たぶんこれは現実
夢はもっと幻みたいで
掴みどころがない
あなたの声も

わたしの詩集 3  発光するぼくら

わたしの詩集 3 発光するぼくら

朝起きると、すべての景色がちがってみえた。

上着をはおって外に出る。

街が呼吸している。

電車に飛び乗った。

家々が過ぎていく。

車窓から、裸ん坊の樹がみえた。

光を受けて、なめらかに輝く。

ぼくは今日、生きる喜びを知った。