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國嶌りょう
2020年2月12日 22:31
「なんかさ、亡くなっちゃったんだって。はやいよね、はやい」 いつもより饒舌な先輩の顔はほんのり赤い。テーブルの上には、もう少しで底をつきそうな赤ワインの瓶とグラス、空になった缶ビールが数缶転がっている。コンビニで買い込んだスナック菓子は、粗方彼女が食べてしまった。残っているのはミックスナッツが少量とさけるチーズが数本。 「ひとつ年上だから、27だよ。やっぱはやいわ」 ぼくは彼女の