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小学生の頃読んだ本と食いしん坊の私

字を覚えるのが遅くて、本好きになったのは小学校の2年か3年の頃じゃなかったかな。

昔の小学生だったので、学齢に達するまで字が読めないのなんてフツーだったよ。

その中でも私は殊更文字が読めるようになるまで時間が掛かった覚えがある。

字がスラスラ読めないから、授業なんて面白い訳もないし、低学年の頃は授業中ぼーっとしてたんじゃなかったかな?

そんな理解力イマイチの私だか、字がちゃんと読めるようになった頃から本が大好きになった。

きっかけはTVで流れていたアニメからだった。

「小さなスプーンおばさん」ってアニメがやっていて、その原作本がウチにあったのよ。

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その後に本の面白さに目覚め、学校の休み時間とかクラスの後に並んでいた学級文庫を片っ端から読みまくった記憶がある。

小さなスプーンおばさんは外国の翻訳童話で、自分が知らない風物が沢山出て来て読んでいてワクワクしたものだ。本の中に出てきた、スプーンおばさんのご亭主の大好物「こけもものジャム」と言うものがどんな果物のどんな味のするジャムなのか、聞いたこともないし、分からないし不思議だし、小学生の私はそれをいつか食べるんだ!と固く決心した覚えがある。

結局未だに食べてないんだけど、こけももってIKEAで見かけるリンゴンベリーと同じ物なんだね。そうだったかぁ。

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もう一つ、本の中に出て来た不思議だった食べ物が、「ドイツ漬けのキャベツ」だ。覚えてるのが食べ物ばっかりってどんなに食いしん坊なんだ(笑)

その話は「橋の下の子どもたち」と言う本で、パリのホームレス暮らしのおじいさんと、職を失って住む所を無くした母子がパリの橋の下で知り合い、血のつながりは無いものの家族の暖かさを知ったおじいさんが働く意欲を取り戻す、と言う話だ。その中でクリスマスのご馳走の中に「温かいソーセージとドイツ漬けのキャベツ」を食べると言う話が出てきた。それがまた特別に美味しそうなの!

その頃は私は魚肉ソーセージしか食べた事なかったし、ヨーロッパで良く食べられている本物の肉を使って作られたものは知らなかった。クリスマスの夜に特別に無料で振る舞われるソーセージをたらふく食べて、焚き火の炊かれた広場で大勢の人が集まって賑やかに喋ったり歌ったり。ソーセージの焼ける匂いが広場いっぱいに漂って、と言う描写に読んでいてヨダレが止まらなくなる思いだった。(ひたすら食いしん坊だ)

そのドイツ漬けのキャベツって今はカルディコーヒーでも沢山売っている「ザワークラウト」の事だったって事、だいぶ後になって知った。


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ザワークラウトとじゃがいもと塊のベーコン、ソーセージを煮込んだ「シュークルート」と言う料理は、ヨーロッパにひとり旅した後に、私のたまに作るご馳走料理のレパートリーに加わった。


そしてまた食べ物の話だ。
「ほらふきマックス」これも外国の童話本。

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マックスは元王様なのだが、玉座から追い落とされて今はみすぼらしい身なりの老人だ。その老人を気の毒に思った近くの農夫が、ひもじそうなマックスに食事を与えようと誘うのだが、マックスは多分に誇大妄想的な老人で、農夫の家でどんなご馳走を振る舞ってくれるのかと、大仰な話を農夫の前で繰り広げる。その誇大妄想的なご馳走の羅列に恐れをなして「やっぱり止めます〜」と農夫は逃げてゆく(笑)その時のマックスの口から語られるご馳走の一つが「七面鳥にチョウセンアザミの芯を詰めて焼いたもの」という、最上級のご馳走。七面鳥は分かるけど、チョウセンアザミの芯ってどんな物?どんな姿をしていてどんな味?どこで食べられるの〜??? 食いしん坊の小学生の頭は、聞いた事も見たことも無い食材のことではち切れんばかり。

そして数十年。チョウセンアザミってアーティチョークだったってことを知った。

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アーティチョークなら今はカルディコーヒーでも瓶詰めが買える。最近になって買って食べたけど、味は風味のないタケノコのような感じだった。憧れの食べ物も食べても期待通りばかりじゃ無いんだね。

今は日本でも、収穫の時期には生のアーティチョークが手に入るらしいが、
憧れは憧れのままにしておいた方がいい場合もあるのかもね💦




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