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「花を贈る」人生、「花を貰う」人生

花束や装花を贈る。そういうの、これまでの人生で結構あった方だと思う。結婚する友だち、退職する先輩や転勤する人へ、母の日のプレゼント、舞台に立つ人、卒業記念や展覧会の開催記念に。

翻って、貰う方はどうだろう?記憶にあるのは2回。結婚した時と婚約後に誕生日プレゼントとして。そのうちの誕生日プレゼントの方は自分で「花束ちょうだい💐」って自分で請求したと思うわ(笑)自分から言うか😀

総じて、貰うよりは贈る方がずっと多かったと思う。

山本文緒の短編の中に、確かこんな話があった。華やかな芸能関係の職場で働いていた主人公の若い女性。若さとキラキラした毎日を満喫していたけれど、意地悪な先輩女性のミスを押し付けられて退職する事になってしまった。その後、何度か転職したけれど、その度に気持ちが削がれて働く気力が無くなってしまう。結局最後に務めた会社を退職した日に、思いがけず電車内に置きわすれたビジネスバッグがあり、思わず置き引きしてしまう。そうしてその後、女性は自分の生活費を置き引きで得るようになってしまう……。そんな話だ。

花束をもらったって、最後はこんな風にゴミ箱の中って事もある@アウト後の民泊部屋

「ブラックティー」という短編だった。その主人公の女性の心の中のつぶやきに、なんだか堪らなく共感してしまった覚えがある。ある日、電車に乗っていていつもの「お仕事」。通常は現金しかターゲットにしないのに、自分の頭上の網棚に忘れられた洒落た色合いのブラックティーと言うバラ🌹の花束を、ターゲットじゃないのに持って電車を降りてしまうのだ。

網棚の上に置き忘れられた花束を目にして、なぜかイライラしている自分。待っていても花束を貰えるかどうかはわからない。期待して期待してそれでも花束を貰えない人だっている。誰かから花束を貰ってウキウキするような人生を自分は送れるのか?

長男の学校の作品展を記念しての装花。学校には散々迷惑かけたからね〜💦

職場にいた時の自分を、花束を見て思い出してしまう……。そんなストーリーの短編じゃなかったかな。

貰うのはうれしい。だけど贈るのも悪くない。相手の「よろこび事」を見つけて、それをお祝いする気持ちで花を贈る。相手のうれしいに気づけるのも実は才能だと思う。手持ちが乏しければ気持ちがあってもそんな事は出来ない。「花を贈る」人生も経済的余裕がないと出来ないのだ。プレゼントするばっかりの人生だって悪くない、と思うのよ。

贈るためにアレンジされた花束や、見事に仕立てられた胡蝶蘭の鉢植え。人生でそんなにもらう機会は多くないかも知れない。でもまずは関わりのある人へのお祝いの気持ちをカタチにする事を大事にしようと思う。小さくても何かを祝う気持ちをカタチで表す。花束なんて大袈裟なものでなくてもいい。ちっちゃなお菓子の箱でもいいと思う。その相手を思う小さなプレゼントは、きっと贈り手の気持ちを相手にしっかりと伝えてくれるんじゃないかと思うのだ。


↓手頃で使いやすい大きさのホーローポット。このまま直火もOK。アウトドアにも♬


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