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勝鬨新古細工#05/まずカタチからお入りという母の言葉

背広の語源は、ロンドンのセヴィル・ロウのこと。高級スーツのテイラードが並ぶ通りだ。
スーツはね、企業戦士のシンボルなんだ。
僕らの新社会人になった時代。40年~50年前。
社会人になると、中央区の親たちは我が子に銀座のテーラーメイドでスーツを買ったようだ。
以前に、ウチのオフクロが「イッチョマエの仕事をする男になるには大変だけど、その格好をするのは存外簡単だよ」と言いながら、奉職直前に英國屋で背広を買ってくれた話を書いたら「ウチもそうだった」という話を皆さんから伺った。そういうのって、親の「伸びよ」という願いがこもっていて有難いよね。
「先ず格好から入るものサ。ホトケさまを最初に掘らなきゃ、目は入れられないもンだ。人は先ず見た目だよ。」
ちょっと出掛ける時も、必ず三面鏡の前に座った母らしい言葉だ。
「イッチョマエの仕事がしたかったら、先ずカタチからお入り。」そう言われたことを、今でもはっきりと憶えている。

無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました