黒海の記憶#17/商いの道・内海の還流に乗って#02
アゾフは遠浅の海だ、とくに北西部が浅い。そのため大型船の接岸は難しい。なので勢い良港はクリミア半島外縁部に作られることが多かった。
とくに現ドニエプル川Dnieper /ボリュステネス川は最も栄えた港/交易地だった。始まりは、当時まだ島だったベレザーニPirezinに交易のための拠点と貯蔵所を置くことから始まったようだ。周囲を海で守られていたため、蛮族による襲撃を受けることがない天然の要塞だったからだ。
やがて内陸部の種族との間に信頼関係が築かれていくと、ギリシャ人たちは少し