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映画『サーミの血』で色んな感情が渦巻いています。。。

まず、この映画を観ようと思ったのは、「興味」と「向学心」から。

今年、北欧のアーティスト(全員女性!)を招聘してツアーを行うのですが、その企画担当者が北欧文化に関連するものとして挙げていたのがこの映画『サーミの血』でした。

招聘するアーティストの中に、サーミ人でヨイクを歌う方がいて、「文化交流」という目的のためのプロジェクトでもあるので、ちゃんと勉強しておきたいと思ったのです。

色々な国の文化(特に音楽文化ですが、音楽文化は国の歴史やバックグラウンドと深く関わっている!)に携わる仕事のため、世界について見聞きすること全てが情報収集と心得ています。映画もそのひとつ。

さて、本題『サーミの血』映画の概要はこちらです↓

『サーミの血』(原題: Sami Blood)

監督・脚本:アマンダ・シェーネル
(2016年/スウェーデン、ノルウェー、デンマーク/108分/南サーミ語、スウェーデン語/原題:Sameblod)          

配給・宣伝:アップリンク

1930年代、スウェーデン北部のラップランドで暮らす先住民族、サーミ人は差別的な扱いを受けていた。サーミ語を禁じられた寄宿学校に通う少女エレ・マリャは成績も良く進学を望んだが、教師は「あなたたちの脳は文明に適応できない」と告げる。 そんなある日、エレはスウェーデン人のふりをして忍び込んだ夏祭りで都会的な少年ニクラスと出会い恋に落ちる。トナカイを飼いテントで暮らす生活から何とか抜け出したいと思っていたエレは、彼を頼って街に出た――。

この映画の予告編をまず観て、「スウェーデン、知られざる迫害の歴史ー」って言葉のインパクトがすんごーかった。

海外出張でフィンランドに行き、北欧の人の温かさ、優しさを経験した私からしたら、「北欧に差別とかあったんだ?」という驚き。

"幸福度の高い国々"ってイメージもあるし。。。

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映画は最後まで苦しくて、悲しくて、すぐ感情的になってしまう私は一気に観ることができませんでした。

主人公エレ・マリャの、自由になりたい、恋に落ちた相手に愛されたい、勉強したい、普通の女の子達がしているように遊んだりしたいといった強い思いに立ち塞がる現実、、、それでも諦めずに行動し、遂には妹や母親との決別を迎えます。

そんなエレの姿が本当に強くて、家族の悲しみを思うと苦しかった。   

映画の冒頭では、おばあちゃんになってもなおサーミの文化に嫌悪するエレが象徴的に映し出されていましたが、最後のシーンでは、愛する妹や家族への罪悪感や寂しさなど、エレが他人に見せることができない強い生き方の背後に必死に隠していたものが見えました。

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当時ラップ人と呼ばれていたサーミ人への差別・迫害はとても残酷で、知っておかなくてはいけない歴史だと思いました。

主人公エレ役と妹役の子は実の姉妹で、実際にノルウェーでトナカイの飼育に従事されているそう。演技もとっても上手で、泣けました!

世界各国の映画祭で賞を受賞をしているのも納得。        

この映画を日本で配給していたUPLINKさん、さすがよね〜!

おウチで映画もよいけど、早く新型コロナウイルスが落ち着いて、映画館で映画観れる日がきますように!!





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