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短編小説 休日公園黙示録

 夕暮れ時の帰り道、のんびりとした公園に不釣り合いな緊張感・・・!真剣勝負・・・!勝てばうまい棒、負ければ地獄・・・!たかしくんとけんたくんのジャンケン勝負・・・!

二人「じゃんけんぽん!」
たかしくん「グ・リ・コ!」
二人「じゃんけんぽん!」
たかしくん「グ・リ・コ!」

 この時、けんたくんに衝撃走る!たかしくん・・・狂っている・・・っ!パイナップルとチョコレートで進める6歩を捨て掟破りの3歩前進グー連打・・・!欲に溺れチョキをえらんだけんたくんの心の隙・・・逃さない・・・!完全にたかしくんの術中・・・!

 否、たかしくんも苦しんでいた。グーを出して負ければ相手に6歩前進を許す。グーはいわば諸刃の刃・・・!負けを許されぬ手・・・!負けの恐怖に押しつぶされチョキを選べば待っているのはけんたくんと同じ運命・・・!

二人「じゃんけんぽん!」
たかしくん「パ・イ・ナ・ッ・プ・ル!」
グニャー

 暴挙・・・!圧倒的暴挙・・・っ!負ければ6歩進まれるグーを捨ててだしたのはやはり負けると6歩進まれるパー・・・!いわば地獄へのアクセルを踏む手・・・。しかしだからこそ読めない・・・っ!けんたくん・・・茫然自失・・・っ!12歩差・・・グーで詰めるにはあまりにも苦しい・・・!

二人「じゃんけんぽん!あいこでしょ!!」
けんたくん「チ・ヨ・コ・レ・イ・ト!」

 流れが変わる・・・!反転!逆流・・・!けんたくんの周到な戦略。あえて初手でグーをぶつけて奪ったあいこ・・・!これにより得られる2つのメリット。1つはたかしくんの思考時間を削り冷静な判断力を奪う・・・そしてもう1つ・・・初手にグーを見せる事・・・!「グーで地道に詰める気なのか?」植え付けられる疑念・・・猜疑の心・・・!たかしくんの迷いのパーを切り裂く田舎チョキ!!!狡猾・・・っ!けんたくんの反撃がはじm

たかしママ「たかしーごはんよー!」
たかしくん「はーい!じゃあね。また明日!!」
けんたくん「うん!また明日!!」

 え?うまい棒どうすんの?

たかしくん「あのおじさん一人で何ぶつぶつ言ってるの?」
たかしママ「シッ!見ちゃいけません!!」

・・・俺も帰ってビールでも飲も。

Thank you for reading to the end. The support you receive will be used as an activity fee. 通訳「私利私欲のために使うお金が欲しいそうです。」