男性育休取得率50%超え!マネーフォワードのパパたちに話を聞いてみた。
2021年6月の「育児・介護休業法」改正は、「出生時育児休業(男性版育休)」など、男女問わず仕事と育児等を両立できる文化の醸成👶が、重視された内容になっていました。
一方で、厚生労働省の最新の全国調査では、男性の育休取得率は 7.48%。
女性の 83.0% と比較するとまだまだ少ないです。
そんな中、マネーフォワードの直近1年間の男性育休取得率は【52%】 となっています。(女性は取得率100%🙆♀)
この後の紹介にあるように、法令上の育休制度を使わずにお休みを取るメンバーもいるので、それを含めると実際に「育児のためのお休み」を取ったメンバーはもう少し増えるかもしれません。
「半分以上の人が取得してるなんてすごい😲」「女性の100%と比較するとまだまだ😑」読んでくださっている方の感想も様々だと思いますが、社内の雰囲気としては「〇〇さんは育休でしばらくお休みだよ」みたいなやり取りが、自然にされている感じです。(このニュアンス伝わりますでしょうか)
こういう話をすると「何か特別な制度や啓蒙活動をしているの?」と聞かれることもあるのですが、実はマネーフォワード、法令にそった育休制度以外に特別な制度は設けてはいません。(配偶者の出産にあたって取得できる特別休暇くらいでしょうか)
そこで、実際に育児のためにお休みを取得したパパたちにインタビュー!
取得前の悩みや、復職後の家族事情等々…その中から今後の課題も見えてきました。
この記事が、これから育休取得を検討するメンバーの後押しや、社外の方にマネーフォワードの雰囲気や働き方を知っていただくきっかけになれたら嬉しいです。
パパたちのご紹介🤗
写真左から
添谷(そえたに)さん
ベトナム法人の立ち上げの後、帰国して今は採用を担当。ディズニーキャスト時代に鍛えたスピーチ力で、みんなを夢の国に連れて行く。帰国直後の今年4月に1人目の子が生まれ、海外赴任中の特別休暇などを使って1ヶ月お休み。復職ほやほや。
秋山(あきやま)さん
法人向けプロダクトで複数チームを兼務して本部長もするエンジニア。100人に聞いたらたぶん99人は「仏のように優しい」と答える穏やかなタフガイ。1人目の子は前職で、2人目の子はマネーフォワードで3週間育休取得。
下村(しもむら)さん
マネーフォワードのインフラを支える守護神集団CIO室のエンジニア。「1人目の子の時は典型的なダメパパだった…」と、インタビュー中は懺悔モードが止まらない。いったい彼に何があったのか。2人目の子で育休2週間取得。
瀧(たき)さん
マネーフォワードの創業メンバーで執行役員でFintech研究所長。圧倒的知識量と軽やか過ぎる語り口で、社内では畏敬の念を込めて「Fintech芸人」と呼ばれている。1人目の子で育児のためのお休みを1ヶ月取得。(役員のため自主休業)
※以下、インタビュー内では、法令上の育休制度に限らず、育児のためのお休みを「育休」としています。
「育休はどうでしたか? 」色んな意味で想定外😲
ー みなさん今日はよろしくお願いします。まずは育休の感想を聞かせてください。
添谷:大前提として、うちの子は世界一かわいいので、一緒に過ごせる時間を作れて育休を取って本当に良かったです。
(絶対的事実として子の可愛さを語る添谷さん)
添谷:ただ、それでも「育児ってこんなに大変なんだ」と、想像以上でした。
子どもの寝起きには僕が対応しようと決めて、僕が子どもの隣に寝るようにしてるんですが、最初の頃は細切れの睡眠に慣れなくて全然寝られず…。
「これ仕事と両立できるのかな?」と不安だったんですが、1ヶ月くらいたって少し睡眠も安定してきて、なんとか戻ってきたぞ…という感じです。
瀧:育休中の隙間時間に読もうと本を20冊くらい持って帰ったんですが、結果7ページしか読めませんでした。
私も、睡眠が印象的ですね。妻に「私は子の全ての寝起きに付き合います」と公約して、守り切ったと思ってたんですが「あなたは寝ていた」と最終フィードバックを受けました(苦笑)
「空いた時間全部本を読むぞ!」の結果が7ページの生活を送っても、これか…と育児に対するゆるい敗北感と理解を得て復職しました。
この過酷さや落差を妻と一緒に実感できたのが、1番の学びだったかなと思います。
ー お2人は初めてのお子さんだったので、まさにこのお休みで育児の大変さを体感されたんですね。秋山さん、下村さんは2人目のお子さんでしたがいかがでしたか?
秋山:僕は、家族みんなで奥さんの実家に帰っていました。
最初は「実家に帰るなら僕は育休取らなくてもいいかな?」とも思ったんですが、結果的には本当に取って良かったです。
というのも、当時3歳だった上の子が、見事に赤ちゃん返りしてしまって。「立てない」「抱っこ」「お風呂いや」とか、バタバタしているところを僕がお世話をしてたんですが、僕が休んでしっかり向き合えたことで、そこまで酷くならずに済んだように思います。
奥さんは下の子から目が離せないですし、元気な3歳児を義両親にずっとお願いするのも無理だったと思うので、本当に「育休取ってよかった…」という感じでした。
下村:僕も似たような状況で、上の子が赤ちゃん返りしてしまったんです。
それに、コロナ禍での出産ということもあり普段通りの生活ができない中で、上の子が精神的に不安定になったんです。お母さんも下の子にかかりきりになり、「私はいらない子なんだ」って、すごく落ち込んでしまって。普段はとても明るくて元気な子なんですが。
だから、僕も育休期間中は上の子と向き合ってました。「君のことがすごく大切なんだよ」とひたすら伝え続ける2週間になりました。
下の子のお世話をする気持ちだったので、まさかの展開でしたが、本当に育休を取って良かったです。
「育休取得について悩みはありましたか?」取得そのものや期間📅
ー みなさん「育休を取って良かった」ということでしたが、取得にあたって何か悩みはありましたか?
瀧:「ジョン・レノンが5年間育休を取っていた」というエピソードが、非常に印象に残っていて、昔から育休を取ってみたい気持ちはありました。
でも、私はもともとハードワーカーだし、役員でもあったので、実際に取るとなった時は悩みましたよね。
最終的に取る決め手になった理由は2つあって。
1つ目は、すでに社内に育休をしっかり取っている男性メンバーがいたこと。その人がお子さんが産まれる度にしっかり長い期間お休みを取っていたので、私も育休のイメージを持てたのと「男性も育休を取ってもいい」というシグナルを受け取ることができました。
2つ目は、それを考えると、自分のような立場(役員)の人間が育休を取らないというのは、他の人に非常に悪いシグナルになってしまうだろうという自負ですね。
自分にもきっとシグナル効果がある。だったら、悩んでないで取ろうと思いました。
添谷:私は、帰国直後で仕事も異動したばかりだったということもあって、迷いました。
でも、純粋に育児をしたいという気持ちの他に、Diversity&Inclusionの観点でも、いわゆる「女性的」「男性的」みたいな無意識バイアスは5歳くらいまでに形成されるという話を聞いて、子どもが「お母さんは育児」「お父さんは仕事」みたいなバイアスにとらわれないように、自分自身が意識して行動しなくちゃという思いもあって、育休は絶対に取りたかったんです。
それこそ瀧さんが取られていたという話や、当時の上司が「(異動直後とか)そんなの関係ないから取った方がいいよ」と言ってくれたのが後押しになりました。本当に感謝してます。
ー シグナル効果が連鎖してますね。上司から「取ってもいいよ(許可)」ではなく「取った方がいいよ」と言ってもらえるのも安心感が持てそう。
秋山:僕は2回目だったのであまり悩まなかったですね。奥さんにも「当然取るよね?」と言われていました。
下村:僕は実は奥さんに「育休取らなくていいよ」って言われてたんです。妻の姉が近所に住んでいて、姉の方が頼りになるので「あなたは大丈夫」という感じで。
秋山:ああ、確かに。そういう周りの親族のサポートとかがどれだけあるのかや、奥さんの希望などによっても、変わりそうですね。
下村:そうなんです。でも僕、1人目の子の時は育休を取る取らない以前に、典型的なダメパパで…。今となっては本当に恥ずかしいし、奥さんに申し訳ないんですが、残業もするし飲みにも行っちゃうしで、奥さんをワンオペ状態にしてしまって。
奥さんは口には出しませんでしたけど、信頼を失ってしまったなと思って、2人目の時は絶対に取ろうと決めていたんです。
結果的に、育休中に奥さんが当時のつらかった気持ちを吐露してくれて「今はもう違うね」と言ってくれて。
全員:おー!よかった。
(全員から安堵される下村さん)
ー ここにいらっしゃる皆さんは「1ヶ月前後」のお休みを取られた方が多いですが、期間はどう決めましたか?
瀧:これも迷ったんですよね…。最初は3ヶ月くらい取ろうかなと思ったんですが、なんだか決めきれなくて1ヶ月にしました。
添谷:わー。私も同じです。何なんでしょうねこの「1ヶ月」って。
瀧:今となってはもっと取っても良かったなと思いますね。
秋山:僕の場合、当初予定していた復職のタイミングで、奥さんがまだ1人だと慌ただしそうだったので「もう3ヶ月くらい休もうか?」と相談したんですよね。でも奥さんから「そうすると収入が少し不安だから(復職して)」と言われて。確かに、育休中は給与の代わりに給付金が出ますけど、それも上限があるので。
下村:僕も短かったのは収入面が理由ですね。奥さんから「しっかり働いてきて」と言われました。
ー なるほど…。各家庭で様々な事情や意思決定があると思いますが、「お金」は確かに気になりますよね。
育児休業中に受け取れる給付金はおおよそ給与の67%(6ヶ月経過後は50%・支給額上限有り)、社会保険料などは免除になるものの、ご夫婦で育休を取っていたら少し慎重になりますよね。
※料率などは2021年8月3日現在のものです。詳しくは厚生労働省のサイトをご確認ください。
瀧:出産や育児がお金マターではなくなるということが1番のポイントだと思うんです。
安心して出産、育児ができる状況にあって、その上での選択は自由だと思うんですが、お金が原因でそもそも選択できないというのが良くない。
北欧のように国が手厚く補助できるまでは、時間がかかってしまうから、僕たち民間が先だって自社や社会に向けて、何ができるのか模索していくことが必要ですね。
秋山:逆にそれ以外、例えば「復職の時にスムーズに仕事に戻れるのかな?」みたいな不安はなかったですね。仮に1年とか休んでも「1年後なら1年後の行くべき場所とやるべきことがあるだろう」という気持ちでした。
瀧:ITベンチャーは変化のスピードが速いので「復職後も元通りの場所を用意する」ことを目指すのは、もしかしたら最適じゃないかもしれないです。
そこは発想を変えて「そういうものだ(職場も仕事も変化するものだ)」と、みんながわかっていて、お互いにサポートする心構えをしておくことが大事なんじゃないかな。
育休に限らず、色々な事情で一時的に職場を離れるというのは誰にでも起きうることなので、そういった柔軟さをみんなが持つことで、不安がなくなるのが大事だと思います。
「復職後はどうですか?」家庭と仕事の両立🏠
ー 育休で育児と向き合う期間を作ることで、その後の育児に対する当事者意識も変わりそうですね。復職後の状況はいかがですか?
添谷:基本はリモート勤務で、18:30には終業して育児にシフトするようにしています。ご飯を作って、お風呂に入れて、寝かせてとなるともう自分も寝る時間になるので、かなり慌ただしいですね。
今はコロナの影響もあって全社的にリモートワークが推奨されていますけど、通勤だと片道1時間ほどかかるので、毎日通勤があったらもっと大変だったろうな…。
あとは、一緒に働いているメンバーがすごく協力的なのは、本当にありがたいです。「早く帰っていいよ!」とか自然に声をかけてくれるので、私も逆の立場になったら気持ちよくメンバーをフォローしたいですね。
秋山:リモートワークできる環境はありがたいですよね。
通勤時間もそうですし、休憩時間にパッと子どものお世話をしたり、泣いてたら抱っこしながらオンラインMTGできたりしますし。(もちろんMTGの支障にならない範囲です)
あと、仕事のやり方は変わりましたね。「自分しかできない仕事」「誰かにお願いできる仕事」を整理して、タスクを抱え込まずに人に共有したり、渡す方法を考えるようになりました。
下村:僕が復職した時は、まだ今のような「全員リモート」の体制ではなかったんですけど、上司から「(育休が2週間で短かったから)もう少し家にいられるようにあと2~3週間はリモートで働くといいよ」って言ってもらえました。
今も、育休を取得する前に比べて、ダラダラ仕事をしてしまうみたいなことはなくなりましたね。
瀧:復職後最初の1年間は「もっと育休取った方が良かったのかも?」という気持ちを、全部18:30帰りに反映した気がします(笑)
それまでは、基本毎日何らかの会食があったんですが、その生活を変える決意をして、人生で初めて18時台に帰るようになりました。今はコロナの影響もあるのでまた別の話ですが、コロナ前も昔に比べて1/5くらいしか会食を入れないようになりましたね。
仕事上でのアウトプットにどれだけ影響が出るだろう?とも思ったんですが「10が8になっている感覚はあるけど、その2によってすごく自己価値が損なわれている感覚もない」というイメージ。
もともと常に全力で10やりたい性分なので、たまにそこにモヤモヤは感じますが、でも育児という新しい役割があるので、足して10という感じですね。
下村:少しそれちゃうかもしれませんが、Slackの # mama_papa_chat とか、社内で幅広く情報交換できるのがすごくいいです!
それこそ、少し前に社内報で今回のような座談会がレポートされた時に、京都拠点長の村上さんが家庭と仕事の両立について、「我が家には『察して禁止』(=本音で話す)というルールがあります。夫婦間で相手に察して欲しいと思って、不満を溜めてしまう方がNGなんです。」という話をされていて、それを自分の家庭でも取り入れてみたんです。
ちょっと気恥ずかしいですが、奥さんに「子どもももちろん大事だけど、同じくらい夫婦としての関係も大事にしたい」という話を率直にして。そこから夫婦関係もすごく良くなったので、すごく感謝しています。
瀧:妻との2人の時間は大切ですよね。子どもと3人で生きていくことも大事だけど、夫婦2人で生きていくという感覚も大事。意識しないとなかなか並行しえないので。
秋山:イベントだと、ファミリーデーもいいですよね。
下村:うちの子がファミリーデーに来た時は「パパの仕事ってこういう感じなんだね」とすごく喜んでくれました。なかなか親の働いている姿を見せる機会ってないので、いいですよね。
ー 家族に自分の仕事や職場を知ってもらえるのは良いですよね。会社にとっても「メンバーの活躍は家族も含めた周りの人の支えもあってこそ」と実感できる機会になります。家庭と職場、双方がお互いの状況を想像できるようになるのはすごく重要な気がします。
直近はオンライン開催ですが、早くオフラインでみんなで集まれるようになりたいですね。
これからパパになる(かもしれない)メンバーへ💌
ー では、最後にメッセージを!
瀧:皆さん、遠慮せずにもっと育休取ってくださいね。
秋山:僕も機会があれば次は1年くらいとってみたいですね。
添谷:子どもってどんどん成長するじゃないですか。生後1ヶ月とかだと昨日と今日だとも顔が違う!みたいな。なので、そういう時間を一緒に過ごせるは本当に良いですよ。
瀧:そして、本当に大変な時は多少お金で解決できることもある。気張り過ぎないで。
秋山:あー。わかります。うちも「ご飯づくり大変だったら宅食頼もうぜ!」とか話しましたね。
瀧:内閣府が最近出した「夫婦が本音で話せる魔法のシート」でも、夫婦の家事育児のシェアを考える項目があって、そこに選択肢として「第3者に頼る」「サービス(お金)で解決」「やめる」という選択肢があって熱いんですよ!
堂々と「もう、いっそのことやめちゃう!」「お金で解決する!」と書いてるのがいいですよね。
(話が尽きないメンバー)
***
秋山さん、下村さん、添谷さん、瀧さん、そしてここまで読んでくださった皆さんありがとうございました。
今回は、マネーフォワードのパパ4名に話を聞きましたが「子育て中の家庭」と言っても、皆さんそれぞれ違って、全く同じ状況の方はいらっしゃらないと思います。
さらに、育児に限らず介護や看病、自分自身の治療・療養など、誰にとっても長期のお休みを取ったり、働き方をセーブしなければいけない(意図的にセーブしたい)時がやってくるかもしれません。
様々な状況の人がその人らしく活き活きと働け、成果を出すために何が必要なのか。制度かもしれない、文化かもしれない、もしかしたらお金かもしれない。マネーフォワードでは今後もより良い形を模索し、メンバーみんなで作りあげていきたいと思います。
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