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マケドニアのストリートチルドレンに励まされた今日

マケドニアをご存知ですか?

マケドニアという地域をご存知でしょうか?名前は聞いたことがあるけれど、どこにあるかは知らないという方も多いだろう。わかりやすく言うと、ギリシャの上だ。

※この地図はマケドニアの位置を示すためだけに掲載しているものです。
その他については正確でない部分が含まれる場合がありますのでご了承ください。

上記の画像で指し示したあたりは「バルカン半島」と呼ばれますが、とても興味深い歴史を持っている。20世紀には「ヨーロッパの火薬庫」なんて呼ばれてしまうほど、常に爆発しそうな、戦いが起きそうな危険な状態だった。そして現在に至るまで、ものすごく変化が多いエリアと言える。

今日は「マケドニア」に関わる話をしようと思ったのだが、私がその地を訪れた2008年には「マケドニア」だったところが、今は「北マケドニア」という国名に変わっている。(2018年に変更)2008年にはセルビアにも行ったのだが、当時セルビアはセルビアになったばかりだった。2006年まで、「セルビア・モンテネグロ」という名前でモンテネグロと連合国だったのだ。そしてそもそもこのエリアというのは旧ユーゴ(ユーゴスラビア社会主義連邦共和国)で、スロベニア人・クロアチア人・セルビア人・モンテネグロ人・マケドニア人・ボシュニク人など多民族を内包している。1991年から2001年の間だけを見ても、たくさんの独立戦争や紛争が起きている。この情報だけで、私にとっては今もとても興味深い国。単純に「興味深い」という言葉を口にするのが憚られる部分もあるが、一旦そのように表現させてほしい。実際に現地を訪れて、さらにその興味が深まったエリアだ!

20歳、バルカン半島一人旅

20歳の初夏に1年間のアメリカ留学を終えた私は、その足でこのエリアを一人旅した。ルーマニアのタクシーで20万円ぐらいほったくられたり(デノミネーションの直後でまんまとやられた無知な大学生だった・・・)、「ジプシーがアジア人狩りをしているから気をつけて!」と警告されて怯えたり、靖国参拝についてドイツ人の同世代の軍人さんに意見をぶつけられたり、未成年の売春を仕事にしている女の子に出会ったり、ホステルのスタッフの人にその土地の強いお酒を飲ませてもらったり、、ちょっとcontroversialな思い出だけでも鮮明に覚えているものがたくさんある!
もちろん、普通に素敵な思い出もいっぱいある。イタリアやギリシャなどの観光地は抜群に美しくてまた行きたいし(次は貧乏旅行じゃなくていっぱいお金持っていきたい。笑)、元々の目的でもあったOrthodox Church(東方正教会)のイコン(正教会の宗教画)はどれも見事だった・・・!また見たい。もっともっと見たい!

中でもマケドニアでの経験が、私にとってはその後に影響を与えるとても大きなものだった。

マケドニアで出会った、ストリートチルドレン

私がマケドニアに滞在したのは、たったの1泊2日。首都スコピエの簡素なホテルに滞在して、街をウロウロした。時間がなかったこともあり深く知ることはできなかったので、2008年のマケドニアの印象は、「主に山。以上」という感じであった。

主に山。
物乞いをする姿はあらゆるところで見かけた。

そんな中でも、小さなお店が連なったようなところがあって、その前で座って休憩していたら、1人の小さな子どもが目に入った。とてもかわいい男の子。公共の水飲み場で水を飲んだり遊んだりしていた。6-8歳ぐらいだったと思う。よく見たら服はボロボロ。髪の毛もボサボサ。明らかに貧しいストリートチルドレンで、周りに大人の姿はない。

その男の子は、笑っていた。キラキラした瞳で、楽しそうな表情で、クルクルと笑っていたのだ。そのことが私にとって、すごくショッキングだった。

こんなにかわいい男の子が、どうして衣食住もままならない生活をしなきゃいけないんだろう。このまま成長していったら、どんなふうに大人になるんだろう。この子に親がいるかわからないけれど、いるとしたら貧しいのだろう。なぜ貧しいのだろう。貧しさから抜け出すにはどうしたらいいのだろう。誰が、貧しさから抜け出す方法を教えてあげるんだろう。

当時の自分の細かい思考プロセスを忘れてしまったのがショックなのだけど、、、私はそのとき、「教育が必要だ」と思った。すべての人・特に子どもたちに教育の機会が与えられるべきだと思った。そこで、大学院で教育を学ぼうと決心して、実際に教育学を専門的に学べる大学院に入学した。細かいことは忘れたけれど、男の子の笑顔だけはとても鮮明に覚えているのだ。この瞬間を忘れたくない、と思って、1枚だけその男の子の後ろ姿の写真をこっそり撮影した。でもここには掲載しない。盗撮したことは許してほしい。

日々命をつなぐことで精一杯だろう子どもが、笑っている。教育の機会はおろか、食べ物も着るものも住むところもない状態で。自分はどうだろう?ちょっとしたことで落ち込んだり、悩んだり、ムスッとした顔でPC前に座っている。こんな自分じゃ嫌だ!マケドニアのストリートチルドレンだった男の子に、15年の時を経て励まされた。

今もなんだかんだ言って、教育からは完全に離れていないのだ。オンライン教育について学びつつ、リモートで働きたい女性たちの教育はずっと継続している。マケドニアで「教育だ!」と思ったあの瞬間を、今日は久々に思い出した。これも国際的に活躍されているある方のお話を聞く機会があったからでして、また別の機会にご紹介します!


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