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「noteの躍進を支えた”定性と定量の甘い関係” 」イベントレポート

11/14(木)にピースオブケーク社で行われた、樫田さんと深津さんのイベント「noteの躍進を支えた”定性と定量の甘い関係” ─ データと世界観をどう組み合わせる?」に参加してきました。
KPIの決め方、データで裏付けられた話など学びがたくさんありました。
ものすごい情報量だったので公開されている動画で復習しながらレポートを書いています。

1. イベントの動画とスライド

当日の動画はYoutubeに。スライドはSlideshareに公開されています。今回、とても情報量が多かったので、動画もスライドも公開してくださるの、とてもありがたいです。

動画アーカイブ。

当日のスライド。

2. KPIの決め方

noteでは、会社のミッションからKPIを決めたそうです。

ピースオブケークのミッション
「誰もが創作を始め、続けられるようにする」

このミッションから彼らは最も注力すべきことを「クリエイターの創作継続率」と決めたそうです。
今回のイベントの莫大な情報量の中で、特に印象に残ったnoteでのKPIの決め方。
もっと、今までの色々なデータを元に、、、とかだとてっきり思っていました。でも、こういう決め方でもいいんだ!と。

3. 継続率を上げるためにやったこと

樫田さんが実際にnoteを書いていて、書き終えるのが難しいと感じることがあったそうで、書き終えてもらうための策を打つのがよいのではと仮定(ラストワンマイル問題)。
でも、実際にデータを取ってみると、既存のnoteクリエーターでnoteの記事を書き始めた人のうち、95%の人はその記事を公開するそうです。なので、エディターの改善など書き上げてもらうための施策はプライオリティーを上げなかったとのこと。
継続率をあげるために、noteのサイトには訪れてはいるけれど、書いてくれない人にどうしたら記事を書き始めてもらえるのか、「クリエイターに始めてもらう率を高める」ことに注力することにしたそうです。
「ゆがんだ集客をするとあとで痛い目にあう」by 深津さん とのことで、noteを訪れてくれる数を増やすことは色々問題が解決してからからするそうです(参照:穴あきバケツの成長モデル)。

4. データで裏付け

クリエイターが創作する条件として、noteでは、
1) 創作へのモチベーション
2) 書くネタ・コンテンツがある
3) 創作時の物理的制限がないこと
を挙げ、「書くコンテンツがあること」が創作を続けてもらうために最も大きな課題として仮説(定性的な仮説)し、お題の拡充をしてみたそうです。

しかし、noteを自分のブランディングに使ってる人は、コンテンツを与えられても響かない。書こうと思っている内容は限定されているから。実際に樫田さんもそのうちの一人。なので、コンテンツの提供でいいのかどうか、ユーザーアンケート実施したそうです。

アンケートの結果では、自分のお題の範囲が決まってる人が多いという結果になったので、お題の拡充はそこまでしないことに。
結果はそうなったが、0:100にして、お題が必要な人を見捨てることはせずに、お題も残す。けれども、グロースフォーカスは多い方に。このあたりの調整は深津さん。

創作を続ける上でのペインは、コンテンツよりもモチベーションに対するペインが大きいという結果に。
記事への反応の薄さから自分がnoteを書いている意味があるのか、自分のキャリアに繋がるのかなどモチベーションの面で悩みを抱えているクリエーターが多いという結果になったそうです。

このアンケートから、なんとなくチームが感じていた、「創作にはコンテンツよりもモチベーションが大事」ということがデータで証明され、そこに注力していっていいんだ!というチームの自信にもなったそうです。とっても楽しそうな瞬間。

5. 樫田さんと深津さんの甘い関係

今までの経験的な打率でドライブしながらやってた深津さん。しばらくデータなしでやってたけど、色々細かいところを取りたくなって樫田さんがjoinすることに。

定量と定性、対立しがち。

それぞれ強い分野、アプローチは違うけれども、数字、ロジックなどの素養はそれぞれ持っているので、根底にあるものは似ている。けれども、どこまで数値計測を厳密にするかでは意見が割れることもあるそう。しかし、お互いにリスペクトしているので、大人の健全な喧嘩を続けながらよりよい方向に持っていくそうです。

そして、樫田さんのjoinがきっかけとなって、今後、事業がスケールして、深津さんが全体にコミットできなくなる時を想定して、よかったこと、学びをきちんとストックして、誰でもそれを使えるようknow-howとして貯めていくことを始めたそうです。

深津さんが定性なイメージで、定量なイメージの樫田さん。
そのイメージの枠を超えて、互いにリスペクトしながら融合する二人は最強だと思いました。

あまり貢献できてないけど、noteのクリエーターの一人として、深津さんと樫田さんやnoteチームのみなさんが、今後noteをどう作っていくのかがとっても楽しみです。
そして、ファシリテーターの松下さんがすごくスマートで、松下さんのように会を進行、まとめる能力が欲しいなと思いました。すごい聞きやすかったです。

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