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脚本メモ72: プライドバッグ

概要

誰にも頼ろうとしない男が 死ぬ間際になってようやく プライドを守って死ぬことはないと気付き 人に助けを求めるようになり成長していく


テーマ

見栄やプライドなんていう重荷はできるだけ早く捨てた方が後が楽だぜ

虚栄心、歳をとれば ただの意地

キャラクター

吉村 幸之助  : 最初は人を信じたり期待していたが裏切られていくにつれ徐々に人を信じられなくなり、やがて人に助けを求めることが苦手になった。
小学生時代から友人には恵まれていたが、中学、高校と徐々に人間不信になっていき高校では誰とも会話せずに教室を出入りする毎日。
高校の数学教員になるも感情や気持ちを相手に伝えることが苦手なので深い繋がりはできないまま27歳を迎えた。


ストーリー

・「手伝いましょうか?」など言われても「いや、自分でできます」とか、「これくらい俺一人でやっておきます」となんでも一人でこなす吉村は教員の間でそれなりに真面目だと評価はあるが好かれているかというとそうではなかった。
通知表の成績が高い人間よりもコミュニティの中で愛される人間の方がよっぽど幸せそうだと気づいてはいるが、先生としてそれを生徒に伝えづらかったりする。

・学校で立て篭もり事件が起こり、一つ目の爆弾が爆発。
その際に吉村は両足を大怪我してしまい歩けなくなる。

・助けに来た他の教員に「僕はいいですから!」と断るが「あなたはいつも一人でなんとかしようとする!」と軽く叱られ、「私たち教員だってあなたの助けになりますよ!」と支えられながら移動する。

・出血多量で意識が朦朧とする中、「なんで俺は人に助けを求めるのが苦手なんだろう?」と過去を思い返す。

・学生時代に友達だと思った人から裏切られたことや、バイトの際に競争のために蹴落としてくる人間を見てから人を信用したり関わるのが嫌になったことを思い出す。

・死にそうになったことで「なんでもっと早く人に助けを求めなかったんだろう?」とようやく気づき、「いいじゃないか、助けを求めたことでどうなろうが。死ぬよりマシだ。」ということで気持ちを入れ替える。

・犯人たちの策を掻い潜るために複数の人間で協力しなければ達成できない作戦を思いつき、みんなで難を逃れる。

・1ヶ月後、車椅子を押してもらいながら教室に入る。
「OOさん、あそこのチョークとってくれないかな?ありがとう」など足を失って人を頼るようになっていった。

着想メモ

やはり実体験に勝る脚本や設定はないなと思い自分の内面をさらけ出そうと思った。
筆者は人に頼み事や助けを求めるのが本当に苦手で、なんでも一人でやってしまおうと思ったり迷惑をかけたくないと考えてしまっている。

そう書けば聞こえはいいが、深掘りしてみれば単に他に信用していたりする人間がいないからだという寂しい結果になってしまう。

ではなぜ信用できないのかというと、割と幼少期の「はいはい、今度買ってあげるから」という親の嘘や、それまで仲の良かったと思っていた友人が急に離れて行ったとか、夢を語る人間に金を持っていかれるという経験があったからではないかと思い出していた。

それは自分も含め誰しもが、言ってる事ややってる事に多少の嘘や期待外れが混じっていてそこばかりに目を向けていると確かに信用できないものばかりな気がしてくる。

そう考えると人の見栄や嘘を見てしまったり、勝手な期待を抱いてばかりだというあまり見たくない自分の内面が見えてきたので恥ずかしいばかりだ。


追伸

これを書いていた時に北野武監督が「4コマ漫画で映画を考える」という独特な手法で映画を作っているのを知り、幹を作って枝葉を作るようだと思った。
監督は下は蕎麦屋から上は高級料理店までの人の動きを観察したり、常に新しい映画を作ろうと思いながら生活する姿勢が重要だと思った今日この頃。



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