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イカのおかあさん

ここ最近、深掘りしすぎて
なんか頭に熱が溜まりすぎているので
くだらない楽しかったことを思い出してみる。

子供たちが夏休みに入った。

学校から持って帰ってきた荷物で
子供部屋がいっぱいに。

とりあえず置くスタイルの長男にかかると
あっという間に床がなくなる。
当然手紙もなかなか出てこないし、持っていった水筒も二日間放置や、
使ったマスクもちょこんと片隅に落ちていたり、
鍵が埋もれていたりとなかなかのレベルだ。

あまりにも散らかっているので
「ねえちょっと片付けしてくれない?」と言うものなら
「ハァ〜〜〜」とため息する長男。

いや、言っただけだしなんやねんって気持ちになる。
これが思春期の入り口なのか、
片付けが苦手すぎる彼の心からのため息なのか
どっちにしろ、彼の心地も良くなく、私の心地も良くなかった。

この心地の悪さをどうにかしたくて
傍にあった、イカ(スーパーマリオのゲッソー)を手にして言った。
「今日からお母さんはこのイカになります。イカのおかあさんです。
イカのおかあさんは何も言いません。
イカだから手はぐにゃぐにゃなので何もしません。
持てないからスイカも買ってきません。手紙も読みません。
みんな好きにしてていいです。イカはただ祈ります。
『スイカガカッテニ家ニ来タライイナァ』『手紙読マナイケドナントカナルトイイナ』
『イカハイノッテル。ウマクイクヨウニ、タダイノッテル!』『勉強モナントカナルヨ、イカハイノッテル!』
こうやって側にいて祈ってるだけです。今日からお母さんはイカに譲るのでよろしくお願いします。」
そう言うと近くで聞いていた次男と娘が
「えええ〜!!!!やだ〜お母さんイカにならないで〜」と言ってくる。
「もう、お母さんはイカに譲ったのであとはみんなで頑張って。」と私。

こういう話しだすとノってきてくれて
みんなでイカのおかあさんの話がさらに発展してくるのが我が家。
長男も次男も娘もみんなイカのおかあさんを使って遊び出す。
私も一緒にどんどん設定を追加する。
『イカノオカアサンハ手ハアルノデ撫デルノハデキルヨ』と言って
イカの手で子供達を撫でてあげる。子供たちは嬉しそう。
『イカハスイッチハ押セルカラパスワードモ解除デキル、デモ料理シナイ、ヨルゴハンノコトハタダ祈ルダケ。誰カガ運ンデキテクレルトイイナッテ』『花火大会ノトキハ抜ケ道シッテマス。トオリヌケハ得意デス』
だんだんイカのキャラができてくる。

そんなことをしばらくふざけて言い合ってみんなで笑ってた。

ただ側にいるだけ、祈るだけ。

イカのおかあさんの設定を作ったけど
親って本当にそれでいいのかもしれない。

だんだん大きくなってくる子供たちにとっては
あれこれ言ってくる親って煙たいものだと思う。
子供が成長するにつれて、親のあり方もどんどん変化しかないといけないけれど、構築してきたやり方を自然に変えることって難しい。
思春期と言う分かりやすい形で拒否されることで、
『もう自分で歩けますし、歩きます』って表明になり、
今が親もあり方を変えるタイミングですよと気づかせてくれてる。

イカのおかあさんのように何もしないで、でもニコニコとしていて
みんなうまく行くように信じて祈ってる。
子供がもしスイカが自分で食べたいと思うならば買ってくればいいだけだし、手紙だって自分で読んで、大事な時必要な時にこっちに声かけしてくれたらいいと思う。夜ご飯だって自分でなんとかしないといけない時が来る。

子供でいる期間は限られてるから、できる限り可愛がって大切にしたいともうけど、自分で人生を歩いていくチカラをつけるには、
信じて見守るのが大事なんだなと思う。

イカのおかあさんの在り方でしばらく生きてみる。








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