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4月3日週【中途採用市場動向】

企業動向

67.6%の即戦力人材が「リスキリング」を実施 9割以上が、将来的にリスキリングの必要性を感じると回答 一方で、リスキリングに取り組む企業は26.3%にとどまる

リスキリングに取り組むビジネスパーソンは、前回の調査(2021年10月実施)※2より12.8ポイント増加し、67.6%となりました。
一方で、現在リスキリングに取り組んでいると回答した企業は26.3%でした。また、95.0%のビジネスパーソンが「自身のスキルについて、将来的に新たなスキルを身につける必要がある」と感じていることが分かりました。
主体的なキャリア形成の重要性が高まるなか、個人でリスキリングに取り組むビジネスパーソンが増加しており、今後も、将来のキャリアを見据えて新たなスキル習得に積極的に挑戦するビジネスパーソンが増えていくことが推測されます。

社員のスキルアップ・学び直しを支援する企業が7割を超える。実施していること1位は「資格取得支援」、2位は「社内研修の実施」/人事担当者アンケート

(1) 社員のスキルアップ・学び直しのために取り組みを実施している企業が7割を超える
(2) 社員のスキルアップ、学び直しのために実施していることは「資格取得支援」が最多。
  次いで「社内研修の実施」
(3) 生産性向上のために取り組んでいることは「社員のスキルアップの支援」が最多

4社に1社は「キャリアの自律」への関心が高まっていることを受け、対応を実施。「異動の際に、本人の希望やキャリア意向を考慮」「若手を管理職に登用し、能力開発を支援」の声/人事担当者アンケート

(1)「キャリアの自律」への「関心が高くなっている」と回答した企業が4割に迫る
(2)「キャリアの自律」への関心が高くなっている世代は「20代」が64.6%で最多
(3) 4社に1社は「キャリアの自律」への関心が高くなっていることを受けて対応を実施
(4)「キャリアの自律」への関心が高まっていることを受けて対応・対応を検討していることは、「研修機会の拡充」が最多

一般職業紹介状況(令和5年2月分)

○令和5年2月の有効求人倍率は1.34倍で、前月に比べて0.01ポイント低下。
○令和5年2月の新規求人倍率は2.32倍で、前月に比べて0.06ポイント低下。

意外な姿が浮き彫りに。日本の従業員エンゲージメントの実態

1.従業員エンゲージメントは、個人と組織のパフォーマンス向上に対してプラスの影響を及ぼしている
 最初に、「従業員エンゲージメント」の定義を確認します。会社への帰属意識や、組織への貢献意欲を指して、この言葉が使われることもありますが、従来、このような帰属意識や貢献意欲は「組織コミットメント」という概念で説明されてきました。
 他方、「ワークエンゲージメント」という概念もあります。ワークエンゲージメントとは、仕事からエネルギーをもらったり(活力)、仕事にやりがいを感じたり(熱意)、仕事に夢中になったり(没頭)しているときのポジティブな心理状態を指しています。
 ワークエンゲージメントと組織コミットメントは、どちらも「個人の心理状態」を表していますが、関心の対象と内容が異なります。前者は仕事における充実感、後者は組織に対する思い入れを意味しており、双方ともに個人と組織のパフォーマンスに対して影響を及ぼします。
今回の調査データを見ると、「自分の仕事に達成感ややりがいを感じる」(つまりワークエンゲージメントが高い)人ほど、仕事で新しい挑戦をしたり成長したりしていると感じていることを示しています。
また、「私は、働いている会社の一員なのだ、と強く感じている」(つまり組織コミットメントが高い)人ほど、今の会社で働き続けたいと思っていることを示しています

2.「日本の従業員エンゲージメントはなぜ低いのか?」の理由は、国際比較ではわからない
 ギャラップ社やコーン・フェリー社などによる国際調査では、日本の従業員エンゲージメントは調査国中で最下位が定位置となっています。このような調査結果に対しては、しばしば国民性の違い(自己肯定感の高さの違いなど)が指摘されています。たとえば、「インドの従業員エンゲージメントは非常に高いのに、なぜ簡単に会社を辞めるのか?」といった疑問を呈する人もいます。
 コーン・フェリー社の調査では、従業員エンゲージメントだけでなく、その原因指標まで含めて調査されていますが、日本は他国と比較して、特定の原因というよりもすべての原因指標において低い値を示しています。
 だから、やはり国民性の違いだと言いたいわけではなく、調査結果を客観的に受け止めつつ、エンゲージメントが低い理由を解明するためには、国際比較だけでなく、国内における調査データを深掘りすることが必要になると考えました。
 そこで、私たちの調査では、「日本の従業員エンゲージメントはなぜ低いのか?」の「なぜ」に関して、次の2つの仮説をもって臨みました。
「なぜ」の仮説①
●従業員エンゲージメントに対してマイナスに作用している、何らかの要因が存在する
「なぜ」の仮説②
●従業員エンゲージメントの全体平均を下げている、特定のセグメントが存在する
以下では、これら2つの仮説に関して、調査結果からわかった実態を解説します。

3.エンゲージメントを下げている要因は、管理型の組織マネジメントにあると推測。ジョブ型雇用でないことは要因ではない
 ワークエンゲージメントのスコアに影響を及ぼす諸要因は、過去の学術調査でかなり明らかになっています。その一つが、東京大学が中心となって作成された厚生労働省の新職業性ストレス簡易調査票で、そこでは仕事の資源として17項目が定義されています(「資源」とは換言すると「エネルギー源」であり、ワークエンゲージメントに影響を及ぼす要因を意味します)。
 本調査ではそのうちの16項目を活用して調査対象としました。
 スコアの高い項目ほどワークエンゲージメントに対してプラスに作用し、スコアが低いほど抑制的に作用します。
本調査では、「そうだ4点」「まあそうだ3点」「ややちがう2点」「ちがう1点」として計算しているため、肯定的回答と否定的回答が均衡した場合の平均は2.5となります。
 スコアがもっとも高い項目は「役割明確さ」で、自分の職務や責任が何かがわかっているかという問いに対して、回答者の88.5%が肯定的に回答しています。日本では欧米のようなジョブ型雇用が進んでおらず、各人の職責が明確でないことがエンゲージメントを下げる要因になっている、という仮説は成り立たないと言えます(職責が不明確だとは感じられていない)。
 次に高い項目は「仕事の意義」で、回答者の82.2%が自分の仕事には意味があると肯定的に回答しています。意味があると感じられることは、仕事のやりがいを高めます。
 これらの2項目はどちらも「自分の仕事」が主語となっています。「仕事の適性」や「仕事のコントロール」を含めて、仕事による動機付けは、どれもワークエンゲージメントに対してプラスに働く要因となっています。
他方でスコアの低い項目は、以下のように「会社」や「職場」や「上司」が主語となっています(カッコ内は肯定的回答の比率)。なお本調査では、これらの項目はワークエンゲージメントだけではなく、組織コミットメントに対しても強く影響を及ぼすことが確認されました。
「公正な人事評価」(36.2%):評価結果のフィードバックが不十分
「キャリア形成」(36.2%):意欲向上やキャリア形成に役立つ教育が不足
「上司のリーダーシップ」(44.8%):能力開発に関する上司の支援が不足
「変化への対応」(46.4%):従業員の意見への傾聴が不足
「個人の尊重」(46.4%):個人の価値観に対する尊重が不十分
 上記の結果から以下の状況が読み取れます。
①個人の成長やキャリア形成に資するフィードバック、教育機会、上司からの支援が十分でないと感じられている
②職場のコミュニケーションが一方通行で、個人の考えや価値観が大切にされていないと感じられている

4.30歳代が従業員エンゲージメントの危機世代。日本人の会社に対するかつての愛着心は希薄化したのか?
セグメント別の実態に関して、最初に年代別の状況を確認します。
30歳代のワークエンゲージメントと組織コミットメントがもっとも低くなっています。これは現在の30歳代がたまたま低いと考えるよりも、20歳代から30歳代になるとともに従業員エンゲージメントが下落すると考えた方が自然です。
 20歳代は上司や先輩からそれなりにケアされ、研修機会も比較的多かったところが、30歳代になると一人前とみなされて、孤立した状況に感じられるのかもしれません。
 特に組織コミットメントの落ち込み幅が大きく、その後、40歳代、50歳代になるにつれて、多少は回復するものの、2.5を上回ることはありません。この結果は、会社に対する愛着心が強かったかつての日本企業の印象とは大きく異なっています。
 いずれにしても、従業員エンゲージメントの全体平均を上げるためには、30歳代での落ち込みを防ぐ対策が必要と考えられます。
 なお、60歳代のワークエンゲージメントの高さも顕著です。定年後再雇用となって、仕事に集中できているのではないかと推測されます。

6.業種によって従業員エンゲージメントに大きな差がある。ワークエンゲージメントには業界特性が反映
 業種によって従業員エンゲージメントの水準はかなり異なっています。特にワークエンゲージメントの差は大きく、もっとも高い教育・学習支援業ともっとも低い製造業とでは、0.42の開きが見られます。
 業種によって、「仕事の意義」が明確である、もともと「仕事の適性」に合った人が就職している、個人の裁量によって「仕事のコントロール」がしやすいなどといった業界特性があるものと考えられます。
 本調査では、ワークエンゲージメントの高さが組織コミットメントに影響することも検証されています。そのため、ワークエンゲージメントが高い業種ほど組織コミットメントも高くなる傾向にありますが、ワークエンゲージメントに比べて差はゆるやかです。また、
1業種(不動産業・物品賃貸業)を除いて、スコアは2.5を下回っています。
 従業員エンゲージメントの全体平均を上げるために、特定の業種に限った対策を施すことは困難であるため、それぞれの会社において、年齢別や雇用形態・役職別の対応策を講じることが必要です。

7.従業員規模による顕著な差はない
 図7は従業員規模別のワークエンゲージメントと組織コミットメントの平均値を表しています。
 ワークエンゲージメント、組織コミットメントともに若干の差はありますが、従業員規模別という切り口では顕著な傾向は見られません。
 人事制度や研修プログラムが整備されている大企業の方が高いとか、逆に全員の顔と名前が一致する中小企業の方が高いとかいった仮説も想定されましたが、そのような傾向はありませんでした。

求職者動向

【人材紹介会社ヘイズ】転職する理由、「給与」がトップに ― 調査開始以来初めて

転職意向、転職を検討する理由、現職に留まる理由を質問。日本の回答結果では、「積極的に転職活動をしているか」という問いに対して、「はい」「していないが、チャンスがあれば前向きに検討したい」という回答が76%にのぼり、日本では4人に3人は転職を視野に入れていることが明らかになりました。

転職を検討する理由について尋ねたところ、今回の日本の回答では「より良い給与」(71%)がトップになりました。2位に「新たなチャレンジ」(39%)、3位は「キャリアアップの不足」(34%)。同回答で給与がトップになったのは、同質問を聞き始めた2017年版からの7年間で初めてのことです。調査開始以来前回までの過去6年間、ほかのアジア4か国・地域では「より良い給与」、日本では「新たなチャレンジ」が1位でした。日本だけ例外でしたが、今年ついにほかのアジアと足並みが揃う形に。「より良い給与」は前回の53%から71%へと20ポイント近くアップしており、給与を重視する心理が鮮明になりました。

現職に留まる理由についても、日本の回答の1位は「給与待遇」でした。1位「給与待遇」59%、2位「柔軟な働き方」54%、3位「ワークライフバランス」51%となり、1位から3位までは拮抗しています。

転職を検討する理由、現職に留まる理由のいずれも、1位が「給与」となったのは、調査開始以来初めて。給与が重視されるようになった背景には、景気低迷への危機感、物価高騰、昇給を実施する企業の増加が考えられます。

「フルリモート」や「居住地自由」の求人は志望度が上がると回答した20代が7割超。「出社するかどうかを自身で選択できる企業は志望度が上がる」の声/20代対象アンケート

(1) 転職活動において「フルリモート」や「居住地自由」の企業は志望度が上がると回答した20代が7割を超える
(2) 転職活動において、「出社の機会がある」企業は志望度が上がると回答した20代が半数に迫る
(3) 住む場所・働き方の希望は「都市部に住み、出社とテレワークを組み合わせて仕事をしたい」が最多

【就職・転職活動中に本当は聞きたいけど聞けない質問ランキング】男女449人アンケート調査

・就職・転職活動中に本当は聞きたいけど聞けない質問1位は「給与・退職金について」
・聞きたい質問を聞けなかった理由1位は「イメージが悪くなる」

【新卒入社3年未満の若手社員の“働き方に関する調査”】

 ・新卒・若手社員の退職、転職意向は58.7%(「転職したいと考えている(すでに転職活動をはじめている)」、「会社を辞めたいと思っている(いつ退職するか明確に決めている)」、「今すぐにではないが辞める・転職することを検討している」)。
会社をやめたい・転職したい理由「昇給の見込みがないから」40.9%
「休みがとりづらいから」29.5%、「成長や昇進の見込みがないから」27.3%。
・新卒・若手社員はプライベート重視派が75.3%、一方で仕事重視派は24.7%。
・働き方や上司の接し方について、してほしいこと/してもいいこと・・・「やりたい仕事であれば休日出勤などしてもよい」20.7%、「やりたい仕事であれば残業してもよい」19.3%。

地元で働いている若年層、仕事において「社会貢献」を重視

首都圏・地元を離れた地方で働いている人は、地元で働いている人よりも職場環境への満足度はやや高い
首都圏で働いている人は「自己成長」を重視
「社会貢献したい」と回答した割合が一番多いのは、地元で就職をした人
地方出身者の42%が地元での就職を希望、約7割が勤務地を重視

地方に住む20代の約2割が、コロナ禍で「住む場所」の希望に変化。「東京など首都圏に住みたい」が最多。「生活費が高くても、経験できることが多い」の声/20代対象アンケート

(1) 地方に住む20代:19.8%が「住む場所の希望に変化」。
   最多は「東京など首都圏に住みたいと思うようになった」
(2) 一都三県に住む20代:17.5%が「住む場所の希望に変化」。最多は「郊外に住みたいと思うようになった」
(3) 関西に住む20代:13.3%が「住む場所の希望に変化」。最多は「大都市に住みたいと思うようになった」



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