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アンパンマン歴史紹介_アンパンマン誕生と、根底にある信念

昨年2023年は、アンパンマン絵本刊行から50周年でした✨

アンパンマンの人気は、1973年に刊行された絵本から始まりました。その名も平仮名で「あんぱんまん」🩷


初期のあんぱんまんは今よりも人間らしい体格で、素朴な表情をしていますね☺️

「絵本読んだことあるよ🙋‍♀️!」
「親子でアンパンマン大好き🙋‍♂️!」
というパパママも多いのではないでしょうか⁉️

今でこそ大人気のアンパンマンですが、
作者のやなせたかし先生は、どのような思いからアンパンマンを生みだしたのでしょうか。

◯やなせたかし先生が戦争から考えた「本当の正義」とは


やなせ先生は、20代の頃太平洋戦争で上海へ赴きました。激しい銃弾戦に巻き込まれる最中「正義とは何か〜」を考えます。
やがて日本は戦争に負け、今日の食べ物にも苦労する生活が始まりました。

そこで、「自分が今まで正義だと思っていたことも、あっという間に覆る。人間が1番苦しいことは、お腹が減ること、飢えることだ。
正義の味方というのは、我が身を差し出して飢えから救ってくれる存在だ。」という考えにたどり着きます。

そして生まれたのが、「お腹をすかせた人に平等にお腹いっぱい食べさせてあげるヒト」という存在でした。
その存在が、やなせ先生の考える正義の味方をヒーロー、アンパンマンの具現化へと繋がっていくことになりました。

◯アンパンマンの始まり

終戦の後、雑誌編集長として執筆活動をしていたやなせさんは、1969年、「PHP」に連載された童話『十二の真珠』の中の1篇に初めて「アンパンマン」のお話を掲載しました。実はアンパンマンは、最初は大人向けの本の中で登場しました。

顔はアンパンではなく、大きなおなかからアンパンをとりだして世界中のお腹をすかした子どもにあげようとする、人間のおじさんでした。

そして1973年、フレーベル館の幼稚園・保育園向けの月刊絵本『キンダーおはなしえほん』にて、『あんぱんまん』として今度は顔があんパンでできたヒーローとして再登場させました。

「あんぱんまん」のストーリーは、
お腹をすかせて困っている旅びとや、迷子になったこどもに顔を全部食べさせ、ふらふらになりながらパン工場へ到着し、「ぱんづくりのおじさん」に新しい顔を作り直してもらうと再びお腹をすかせた人を助けるため空へ飛んでいく💨というものです。

大人向けのアンパンマンにしても、子ども向けの「あんぱんまん」にしても、
「ばいきんまん」や「アンパンチ」は登場せず、「お腹をすかせた人に食べ物や自身の顔をあげる」という点に物語の大部分がフォーカスされています。

◯アンパンマンに込めた「正義」とは

敵味方の隔てなく、お腹が空いている人がいればすぐに自身の顔をあげるアンパンマン、
それは、「本当の正義とは、必ず自分も傷つくもの。」という信念の象徴です。

それゆえ、やなせ先生は、アンパンマンにはほとんど武器を持たせず、常に丸腰で、カビや濡れ汚れなど弱点が非常に多い食品をヒーローとしたのです。

先生は「(アンパンマンは)史上最弱のスーパーマンかもしれませんね。」(1)と語っています。

夕日を背に、優しそうな笑顔のあんぱんまん


戦争の悲惨さ、辛さから生まれたアンパンマン。絵本となり子どもたちに愛され50年。
これからも愛と勇気を胸に、お腹をすかせた人を救うために頑張って欲しいですね🥰


さて、この絵本が出版されて、当時の評価はどのようなものだったのでしょうか?
次回はアンパンマンが人気になっていく軌跡をご紹介します☺️

今回もお読みいただきありがとうございました🍊✨

◯引用、参考文献

引用(1)
やなせたかし(2013).「わたしが正義について語るなら」,ポプラ新書.pp118


参考文献
やなせ・たかし(1976).「あんぱんまん(キンダーおはなしえほん傑作選)」,株式会社フレーベル館

やなせたかし(1997).「アンパンマン伝説」,株式会社フレーベル館.


やなせたかし(2013).「何のために生まれてきたの?」,株式会社PHP研究所.

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