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誕生日はいつだって祝われたい。
誕生日がいつも春休みだった学生時代。
誕生日に出勤したくないから有給を取る社会人時代。
そして有給申請を忘れた今年の誕生日。
本当にただ忘れただけだろうか。
本当は皆に祝ってほしい。
心ではそう思っていたのかもしれない。
だから私は行動する。
Q.何をしたんですか?
A.皆に誕生日を祝ってほしくて
【今日は誕生日】Tシャツ着て出勤しました。
3月。
それは出会いと別れの季節。
春の訪れ。
新天地。
引っ越し。
転勤、転職。
卒業式。
そして。
私の誕生日
【私の誕生日】
そう3月は私の誕生日である。
NOTEを読んでくれている人はご存知かと思うが・・・。
ご存知だよね・・・?
歳を取ると誕生日が嬉しくない。
という意見もあるが私はいつだって祝われたい。
なぜ自ら盛り下げていくのか。
誕生日が嬉しいものというのを忘れてしまったのだろうか。
推しの誕生日を祝ってあげるのに、なぜ自分を祝ってあげないのか。
推しより先に自分を祝え。
推しだって嬉しそうな貴方を見て嬉しいに決まっている。
そう。
いつだって「誕生日おめでとう」と言われるのは嬉しい。
しかし、学生時代ほど盛り上がらないし、
社会人になって同僚の誕生日を知っている人はほとんどいないだろう。
だったら、知ってもらおう。
そして、祝ってもらおう。
このTシャツを使って。
![](https://assets.st-note.com/img/1682590856839-3Mi3UxHvxB.jpg?width=1200)
(このTシャツを着て出勤すれば、
皆から祝われるのでは?)
自分の浅はかな考えを
いつだって天才な発想と評価するのは自分自身である。
本当に密林は何でも売っている。
「誕生日 Tシャツ」で検索して一発で見つかった。
これだからやめれない。迷わずポチっていた。
そしてサイズがあまりにも大きすぎてビビりながらも、
テンションがあがり自撮りをする私の姿である。
アラサーにもなって何をはしゃいでいるのか。
冷静になって考えると恥ずかしくなり、出勤直前まで悩んだ。
だが、買ってしまったTシャツをここで着ないでいつ着るというのだ。
心を決めた私はサイズを間違えたTシャツに袖を通すのだった。
ここだけの話、これを着て会社に行くというスリリングな感覚は癖になる。
しかし、そうも言ってられない問題が発生した。
自分の体型がおかしい。
昨日から今日にかけて私の体は膨張していた。
当たり前である。
インナーシャツの所に、プリントTシャツ特有の厚手のシャツを着たのだ。
ワイシャツがはち切れんばかりの膨張っぷりである。
不審に思われないために。
そしてシャツから透ける【今日は誕生日】を隠すために。
たとえ気温が暑かろうと、上着を脱ぐことは許さない一日になった。
流れ出す汗は、心の涙だったのかもしれない。
そしてその時は来た。
ー終礼ー
すべてはこの瞬間のために。
始めるか。
私の誕生日パーティーを。
私「いや~、しっかし最近~・・・」
「暑くね?(唐突)」
突如脱ぎだす私。
困惑する同僚。
飛び交う悲鳴。
鳴り止まらないシャッター音。
止まらない笑い。
そうだ。
誕生日はこうでなくっちゃ。
お祝いっていうのはいつだって楽しい。
自分も相手も楽しんでもらえることが大事なんだ。
そして、最後には皆から言われるんだ。
理想「誕生日おめでとう!」
現実「うわ、SNSに上げていいですか?」
現代っ子共め。私でバズる気か。
SNSは怖いので、LINEグループにならと約束をした。
こうして私の長い一日は終わりを告げた。
役目を終えたTシャツは洗濯されていた。
次の役目まで眠っておくために。
また来年会おう。
それまでは、おやすみ。
ー次の日ー
お隣さん「あ、おはようございます(笑)」
私「え、おはようございます」
違和感があった。
あいさつの笑顔とはちょっと違う笑い方。
何をしたのだろうか。
疑問に思いながらもいつものように出勤する。
そして、思い出す。
「あ」
「誕生日Tシャツ・・・干したままだ」
来年の誕生日はどんな日になるやら。
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