問題提起のためのコピーライティング術①

問題点を指摘する

商品やコンテンツは、誰かの「問題」を解決するためにある。
そして、その問題を提示することによって、読み手の注意を引くことができる

その前に、書き手が知っておかなければならないのは、読み手がその問題にどれほど当事者意識があるかによって、提示すべき情報が変わってくるということだ。

ダイエットを例にして説明すると、
「夏までにどうしても痩せたい。カッコいいスタイルでマリンスポーツを楽しみたい」と考えている人がいるとする。
その人に「効果的に痩せるこんな方法がありますよ」と勧めたら、買ってもらいやすいだろう。
一方、メタボ体型だけれども「痩せなければならない」という目的意識が薄い人がいるとして、その人に「効果的に痩せるこんな方法がありますよ」と言っても、関心を持ってもらえないだろう。

一人目の興味は「早く痩せる方法には何があるか(what)」であり、
二人目の場合は「太り気味だということを自覚してもらい、太り気味だとなぜ問題なのか(why)」を知ってもらうプロセスが必要だ。

このように、読み手の意識がどのステージにあるかによって、求められる情報は変わってくる

切迫感を出す

あなたは、ちゃんと部屋の片付けをしようと思いながら、手つかずのままだったり、別の新聞を読んでみようと思いながら、ずっと同じ新聞を購読していたり、という経験はないだろうか?

一般的に、人は大きな変化や未知の体験を避けて、今の状態をそのまま維持したいという心理がはたらく。
やめたいと思いながら続けてしまう場合も、やろうと思いながらやらずにいる場合も、両方に共通するのは、
「今の状態(現状)が維持されている」ということだ。
この心理は、行動経済学では「現状維持バイアス」と呼ばれている。

人に動いてもらうということは、現状を変えてもらうということだ。
あなたが、商品・サービスを買ってもらおうとする場合、今やっていることをやめて、新たに「申し込み」という行動をとってもらう必要がある。

現状維持バイアスがかかった状態で、重い腰を上げてもらうためには、いくつかの方法がある。
中でも、「切迫感」は大きな力を持っている。
それは、「今やらなければならない」理由を与えるからだ。

ただ、むやみに切迫感を強調しすぎると、危機感やリスクをあおるだけの「おどろおどろしい」文章になるので、バランス感覚が必要だ。


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