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「良かれ」を肯定する

私にとっての「良かれ」は、相手にとって良いとは限らないのよね。

当たり前のことかもしれない。

だけどね、私は恥ずかしながら、生きてきた40年、自分の中から湧いてきた「良かれ」を信じて貫いていたというか、押し付けてきた人生でした。

もしかしたら多くの人はそれを嬉しいと思ってくれたかもしれないんだけどね。

でも私、それに気を良くしてしまって、さらに過剰に「良かれ」を突き進んできちゃったと思う。


ところがね、私のお腹から出てきた子どもたちに私の良かれは通用せず、初めて自分の中の「良かれ」と向き合ってみたのがこの記事でした。

でもね、今まで自分の中に確固たる地位を築いてきた「良かれ」ですよ。

今までの自分を否定したくない気持ちがモヤモヤ。

そんな中、ふと大正生まれの女性からもらった言葉で、やっとその気持ちが解放されたので残します。

スゥーーっと心が軽くなりました。


「良いんですよ。」

私は今、施設でリハビリの仕事をしているので、人生の大先輩方とお話する機会がたくさんあります。

私はリハビリをする傍ら、その方の人生観や価値観、生き様が感じられるような言葉や立ち振る舞いの数々を感じるのがとても楽しみなんです。

我慢強くて芯が強い方が多い。

スゴイなぁと思います。


今日、お話した方は大正12年生まれの女性で、アルツハイマー型認知症の診断はついていますが、とても凛とした佇まいの方です。

そしてね、この方の人生経験からの言葉にはとっても重みがあるんです。

どんな言葉でもジワーーンと心に沁み渡るんです。

出会えて良かった、と思いますし、一緒にいるだけで満たされます。


その女性がね、何かを話していて、最後に言ったんです。

女性「人に喜ばれるようなことをたくさんやったら良いんです。」と。

私は「良かれ」のことがどうしても頭から離れなかったので、

私「そうですよね。でもね、私、良かれと思ってやったことが、相手にとっては良いことではなくて、空回っちゃうことがあるんです。」

と正直に話してみました。

するとね、

女性「そうそう、そういうこともやっぱりね、ありますよ。

 でも良いんですよ、それで。

 最初は誤解されたり、嫌な思いをさせたりするかもしれない、だけどね、話せば良いんです。

 そのうちだんだんわかってくるものですよ。

 相手の気持ちを大切に考えている、ということは必ず伝わりますよ。」


自分と人とは違う…それが最近の私には不安につながっていたんですね。

私は良いと思うけど、どこまで伝えたりやったりして良いのかなっていちいち悩むし、今までだったら気にせずやっていたいろんなことが行動できなくなっていました。

それが…良いんですよって。

ふわぁーーっと軽くなりました。

いつかは伝わるから大丈夫。

なんて心強いんでしょう。

伝わらない人だっていると思いますけど、そこが問題じゃないんだなって。

目の前の相手の反応にいちいち反応して、落ち込まなくて良いってこと。


その方はね、いつもご自身のことを「ポンコツ頭だから」とおっしゃるのだけど、私はありがたいお言葉を頂けて、いつも感謝の言葉をお伝えしています。

今の私にはこういう時間がとても必要で、ありがたくて、尊いです。

私の良かれもその方に伝わっていたら嬉しいです。

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恥の多い人生を送って来ました

太宰治の著書「人間失格」の書き出しの一文ですよね。

私は過去の自分を思い出すたびに、この言葉が自然と頭の中に浮かびます。

「人間失格」の内容はほとんど頭に残っていないのだけど、苦悩の日々と自分の苦悩がリンクするんです。

私の「良かれ」は自分のためではなく、誰かのためでした。

でもある誰かのために動いたことが、他の何人かを悲しませる結果になったり、多くの人間のために動いた結果が大切な人を傷つける結果になったりしたんです。

自分の意思決定が誰かを傷つけるって、私にはとっても耐えられないこと。

ずっと罪の意識を感じていました。


でもね、思い出すたびに張り裂けそうになる気持ちをもう手放したい。

私は誰かのためになりたかったし、そうするのが良いのだと信じていたの。

周りの誰も何も言わなかったから、勝手に自分で自分を責めてきたけど、良かったと思ってくれた人がひとりでもいてくれたら嬉しい。


実は、私が仕事で患者さんのため、利用者さんのため、と思ってやってきたことが、空回りすることもありまして。

上司とトラブルになることもあったんです。

でも上司と私だったら、私が折れなきゃならないでしょ?

なのにね、私、ブレーキ効かなくて、私はこう考えていますって話すこともあったし、こっそり患者さんのために動いてしまうこともありました。

めちゃくちゃ目をつけられていたし、やることにいちいち口出されるのがつらかった。

でも、私には目の前の患者さんの笑顔と関わるチームのメンバーの考えを大切にしたいと思っていて。


今思うと、なんでも直球で暴走しすぎな30代前半の私。

結局子育てとの両立が難しくて、退職、転職を繰り返すことになったのだけど、2〜3ヶ所行っても上司と折り合いのつかない職場にあたり。

私は人が多い所の方がうまくいく…学生時代のことを思い出して、最後の就職先に選んだのは今のところ。

部署内に3〜10人くらいのところは、私のキャラ的にどうしても難しいみたいです。

トップのカラーに合わせる形になりやすいからかな。

20人くらいいる今の職場では、それぞれのカラーが生かせているのではないかな、と感じて、居心地は悪くないです。


まぁ、そんないろんないざこざを経験して、ナニクソ!と思えず、すっかり落ち込んでしまっていた私。

夫から「自分を通したくてやったんじゃなくて、患者さんのために動いていた結果だからね。

どんな結果でも、どんな見方をされても、その気持ちは大事なことだし、その想いを持っていた自分を大切にしてあげて。」

と言われて、少し消化されました。


夫も大正生まれの女性も、結果よりも自分の気持ちを大切にしていい、というメッセージがこもっていますよね。

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見えない過程を大切に

ついつい結果重視になりやすい私。

でも、すぐに結果が出るものばかりではないし、何でも理解されるわけじゃない。

つい結果に依存しがちだった私だけど、もう少し気持ちとか過程を大切にできたら良いなぁって思える出来事でした。


必要な考え方は必要なときにやってくるんですよね。

それを見つめられるか、気づくか、深められるかはそのときの自分次第。

私はきっと、今までも何度とそんなタイミングがあったと思うけれど、自分でいっぱいいっぱいで、気づく余裕がありませんでした。


でもやっと…。

嬉しいです。

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