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花より団子、より酒

先週末、念願のお花見をした。

通勤時に毎日見る桜に少しずつ葉っぱが目立ち、アスファルトがピンクに色づき始める様が、私たちのお花見を急かせる。「早くしないと散っちゃうよ!」そう、わかっている。桜は、自然は、私たちの都合のいいように待ってくれない。

いつも通り早朝に出勤して昼過ぎに退勤、ジムに行き、帰宅してからミーティングを終えて夜、やっと一大イベントのお花見ができる。ジムに行く途中たまたま団子屋さんを見つけて、大きな三色団子を2本購入した。「お花見っぽい!!」まるで久しぶりのお花見を祝福するような素敵な巡り合わせに、ますますテンションが上がった。

絵に描いたような、可愛らしい三色団子……

いつも買い物に行くスーパーの近くにある、小さな公園のベンチに腰掛ける。公園の片側を縁取るように植えられた桜の半分はすでに葉っぱが生えていて、残り半分の桜の下にはそれなりの花見客がお弁当を広げたり、子どもと桜の写真を撮ったりしていた。

こんなにゆっくり桜を楽しめることがなかったんだよね。

頼まれても訊かれてもいないのに、団子と酒を挟んで右隣に座るパートナーに「四季を感じる生活」の尊さを説いていた。話はお酒をガソリンにどんどん進み、やっぱりまた喋りすぎたと反省するけれど、それでも「そうだよね、俺もさ」と、心地いい返答をしてくれるパートナーの安心感と寛容さに、しばらく甘んじた。

団子はひとつの玉が大きく食べ応えがあり、意外とお腹が膨れる。美味しい。

お酒の残量がわずかになるほど、最初は正面を向いていた顔がどんどん上向きになる。満開の桜たちが視界いっぱいになる。眼前も口の中も、身体中が幸せで満たされていく。

もう、誰の人生も羨ましくない。
社会人6度目の春、念願の「四季を感じる生活」が叶った。


▼「四季を感じる生活」がしたかった前回のnote

▼お酒を飲むたび毎回喋りすぎて反省するnote

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