走り続けた人しか見えない景色が、きっとあると信じて
人生初マラソンが、すぐそこに迫っている。
今月の25日と26日に開催される、第41回カーター記念黒部名水マラソンにエントリーした。参加するのは2日目の26日、10kmの部だ。
決断したのは今年の1月半ば。万年文化部の私はこれまで全然運動してこなかったけれど、一大決心として今年1年ランニングを頑張ることに決めた。
「運動したいなあ」とは以前から漠然と思っていたこと。『企画メシ』で知り合い、現在もnoteを書かせていただいている映像クリエイター・Kiriさんからの勧め。村上春樹さん著作のエッセイ『職業としての小説家』で、書く職業におけるフィジカルの大切さを目にして……。
どれも、走ることを始めるには十分な動機だった。「途中で辞めないためにとりあえず大会に出よう」半ば強制力を持たせるためにエントリーしたのが、黒部名水マラソンだった。
走ろうと決心して丸4ヶ月。正直まだ、走る楽しさはあまりよくわからない。
もちろん、最初は1kmでもキツかったのが、3kmが余裕になり、5kmいけたら10kmいけるっしょ、と成長していく感覚は面白い。けれど、この4ヶ月で走るスピードはさして変わらないし、まだ5km走るにも「頑張るぞ」と気合いを入れないといけない。おまけに運動しているはずなのに体重が変わらない(どころか微増している)ことも気に障る。
なんでやっているんだろうな、と思うこともあるし、最近は義務で走ることがほとんどだった。
けれど今日、代々木公園で初めてみんなで走ったとき、やっぱり続けてよかったと思った。
今日はKiriさん主催のランチーム『Run For Good』のメンバー2名が、山梨からやって来てくれた。
どちらも先月にウルトラマラソンを終えたばかりで、「こんなすごい人たちと走って果たしてついていけるのだろうか……」とビビっていたが、喋りながら走れるゆっくりペースで3kmちょっとを完走した。
「普通の人は『明日3km走ってください』って言われて走れないですからね?」
ランニングの練習が停滞して、タイムも上がらないことをこぼしたら、Kiriさんがそんなことを言ってくださった。
確かにそうだ。最初は3kmだってキツかった。ましてやこんなにベラベラと喋りながら走れるようになるなんて、考えられなかった。
雨上がりの代々木公園は、みずみずしい緑と土の香りに囲まれて、とても気持ちいい。それはきっと、今まで頑張ってきたからこそ味わえた感覚なのだ。
初めてのマラソン大会では、もっといい景色が見られるように。残り2週間ちょっと、ギアを入れ直して頑張れそうだ。
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