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#思い出のカケラ

カケラ

カケラ

" I can't see!"

少し弾みのあるわたしの声を覚えている。
傘が足元を遮っていたけど、歩けないわけじゃないのに。
新しい恋に浮き立つ心。
甘える声のカケラ。

”あなたはさよならを言うと、一度も振り返らないで行ってしまう”

最終電車の改札口で、別れ際にそう言うわたしに、
彼はちょっと驚いた顔をした。
そして改札を抜けたあと、まるでおどけたショーマンのように
両手を広げてくるりと振り

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