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食品添加物の話⑪蛋白加水分解物

こんにちは。加工食品診断士であり、自称日本一鮮魚を売る蕎麦屋「ふるさと」のmikamanです。

A・・・蛋白加水分解物って?
B・・・あー、蛋白加水分解物ね。
どちらでしたか?

実は超メジャーな蛋白加水分解物。
実は添加物ではありません。
味見すると、どー-----考えても強すぎる旨味なのですが、法規上添加物ではなく食品です。

あなたの身近な蛋白加水分解物。
入っていない総菜って無いくらいに大活躍です。
最近見かける「パウダー250%増量!!」なんて書いてあるスナック菓子のパウダーはそれですね。
裏の原材料見ますと蛋白加水分解物がありえない上位に上がってきています(笑

蛋白加水分解物の作り方

原材料は
ア、植物性
イ、動物性



どちらもありますがより旨味が強いのはイです。

タンパク加水分解物 原料による分類-768x523

生産方法は3つ。
1、塩酸分解法
2,熱水分解法
3,酵素分解法


1が主流です。(コスト安)

タンパク加水分解物 製造法による分類-768x480

さて、この食品である蛋白加水分解物ですが、懸念されている事が。

蛋白加水分解物で懸念すべき2つのこと

1)発がん性物質の存在

(日本アミノ酸工業会より抜粋)
酸分解タンパク加水分解物では、少量のクロロプロパノール類(3-MCPD、1,3-DCP※発がん性物質)を生成する可能性がありますが、ごく微量(そもそも醤油等にも含まれている)であり、コーデックスという国際規格を満たしているものであれば、健康への影響はないと考えられます。

言い換えますと
「発がん性物質は確認されていますが、基準値内でしたら今のところ問題は起きていません。」
ですね。

あとは自己判断でいいと思います。

2)味覚麻痺になりやすい

現在文化を守るうえでの深刻な問題になりつつあります。
人の舌は人間の一部だけあり、成長もすれば退化もします。
私は職人ですから味覚を常に神経質に管理していますが、そんな私でも大好きなスナック菓子(蛋白加水分解物やグルタミン酸Naが入っているとわかっていてもこれだけはやめられないんです^^;)を食べた後は調味が出来ません。
口をすすいでも強い旨味が残ってしまいます。
すると昆布だしのグルタミン酸なんかはほとんど判別できませんね。
イノシン酸あたりはまだわかりますが。
(グルタミン酸とグルタミン酸Naは全く別のものです。)

わかっていてこれですから、何気なく口にし続けていれば舌が強い味に慣れてしまい、本来のおいしさを認識できなくなってしまいます。

時々若い子で「豆腐は味しないから嫌い」とか「もやしは味しないから~」
などの言葉も。この症状の典型ですね。
挙句の果てには「ごはんは味がしないから好きじゃない」という子供まで。


こうなってしまうと、せっかくだし文化の国に生まれてきたのに可哀想と思わざるをえません。
本来の味が見分けられないのですからもはや味覚障害といってもいいのかもしれません。
聞き分けられない人が聴覚障害と呼ばれるのと同じですね。


対策としてどうすればいいか

日頃よりなるべく自炊して濃い味を避ける。
これが一番近道ではないかと。
家で作って、外食レベルの塩分入れたらしょっぱくて食べられないですからね(笑
それらをいわゆる「旨味」で自然に食べられるようにしてあるのがチェーンの食事だと思ってください。

安心にストレスなく暮らしていくには、こうして知ることでまた選択を増やしていく事が大切だと考えています。

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