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アップサイクルは、食への欲が産んだロスに、再び食への欲で、おいしさを吹き込む
あまから手帖 連載「食からSDGs」2022年 8月号より(写真:伊藤信)バックナンバーはhttps://www.amakaratecho.jp/ でどうぞ。
年間 570万tといわれる日本の食品ロス。 飼料、肥料、エネルギーへの再利用が試みられるが「アップサイクル」は、 技術と創造力を駆使して付加価値の高い商品へと変身させるレシピだ。
「もったいない」から、ひと知恵働かせるレシピ「アップサイクル」
食の多彩さ、便利さに伴ってロスも倍加する。この負のサイクルを逆回転させ、食品残渣を再び付加価値の高い商品に変えるのが「アップサイク ル」というアイデア。
シンガポール のフードテック・CRUSTは、ロスパンからビールを製造する技術で マリーナベイ・サンズほか有名店と 提携。日本でも2021年から食品 メーカーとのコラボが始まっている。
食関連の企業がアップサイクルで 得られるリターンは色々ある。
まず 食品ロスの処分コストの削減。パン のほか穀物、野菜や果物も活用可能 だ。次に、オリジナル製品の販売利益。 食品ロスを活かした飲料やスナック は注目度も高く、この社会的な評価 も大きな収穫となる。
「SDGsへの取組みは、株主にも 消費者にもポジティブなイメージを もってもらえる」と、ゼネラルマネージャーの吉田紘規さん。
こうしたさまざまなメリットの中から、アップサイクルに関心を持つ企業が、何を求めているかは、実のところまちまちだ。
従って、コラボには、どんな結果を引き出すかという点で、「各々違う“オリジナ ルレシピ”が求められる。
しかし「どん な場合も譲れないのは、おいしいもの をつくること」。
食への欲望から生まれたロスを、新 しく持続可能なサイクルへと循環さ せる力は、やはり食欲だ。
CRUST ジャパン株式会社
2017年にスタートしたシンガポールのフードテックカン パニーの日本法人として2021年2月に立ち上げ。企業と の提携で、食品ロスをアップサイクルした商品を開発する BtoB事業のほか、一般消費者向けに日本初のサステナブ ルなクラフトビールを発売。2022年夏には、果物のロスを 活用した柑橘系のノンアルコール飲料も発売予定 。
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