「ファミリービジネスだからどうしたの?」とイギリスのアトツギに言われた話。
ども。農家のアトツギ娘です。
私はロンドン大学の院に進学したのですが、その時世界中から集まるクラスメイトのほとんどが、なんと同じ家業を持つアトツギでした。
中には有名な大手の社長の息子だったり、100年以上続くヨーロッパの老舗の息子だったり、そして私のようなフツーの中小企業の息子(怒られそう笑)がたくさん私と同じように学びに来ていました。(残念ながらムスメはいなかった)
「ファミリービジネスだからどうしたの?」
大学院がはじまってすぐ、家業(ファミリービジネス)を気にしていた私は、すぐに、同じように家業を持つ各国のクラスメイトたちに「ファミリービジネスは継ぐの?継がないなら、なんで継がないの?」という質問をズバズバ厚かましくしていました。なんならファミリービジネス学科の教授のところも訪問しました。(苦笑)
そんな時、同じように家業を持つイギリス人のクラスメイトたちに、「なんであなたはファミリービジネスにこだわるの?ファミリービジネスだからなんなの?」と言われ、
私は、「しがらみとか、ファミリービジネスだからこその難しい問題あるやん?でも歴史はつないでいきたいやん」って言うと、
「いや、それはファミリービジネスの問題じゃなくて、あなた自身の問題でしょ。」
その一言が当時の自分に刺さりました。
確かに、家業は家業ならではの難しさがあります。でもそれを解決するのも、しないのも、自分の問題でしょと。当時、まだ家業も継いでないのに、変な固定概念ばかりを持っていた自分が恥ずかしくなりました。
同じ家業を持つ彼らのスタンスとしては、「自分がやりたいならやる、やりたくなければやらなければいい。」ただそれだけでした。私は、家業はとりあえずややこしいという頭でロンドンへ行ったので、こんなに自分というものを軸に、サクっと家業のことを考えている人たちと出会ったことは、とても新鮮でした。
そんな彼らは、メディカル分野の家業を継ぎイギリスで活躍してたり、同じ家業を持つクラスメイトは、全く違う分野で活躍していたり、DJになっていたり、モデルしながら起業してたり、、家業で世界を駆けめぐっているクラスメイトもいたり、改めて世界中のアトツギたちと勉強した時間は貴重だったと実感します。
彼らは、ファミリービジネスの難しい面を話すのではなく、常に、自分のやりたいことを軸に、ファミリービジネスだからこそある唯一無二の歴史をどうつないでいくか、それをどうブランディングで表現していきたいか、そしてどう事業を展開していくべきか、未来のことしか考えていなかった。
ファミリービジネスであれスタートアップであれ、課題はあるから、解決するのは当たり前のこと。それを前提に前をみろと同級生に教えられました。
ロンドン修行話1弾でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?