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閉経について

最近は更年期をネガティブに捉える記事は少なくなったように感じます。
閉経を次のステージの始まりとしてお祝いしたり
閉経するから楽ちんと気軽に捉える人も増えてきました。お祝いも楽ちんも良い傾向だと思います。

昔、高齢者の入浴介助をしていた時に、足の毛がなく、つるつるで手触りの良い女性がいました。
「つるつるで良いですね、脱毛はほんと、面倒ですから…」と言ったら、「あなたもいずれこうなるわよ、大丈夫」と言われました。
その時は「へーっ」て感じでしたが、あれから10数年少しずつ月経の回数が不規則になり、量もまちまちでやがて永久的にないのだなと感じる時がきました。
そしてやっとあの高齢女性が言ったことがわかったのです。私はついに足の脱毛をしなくて済むようになりました。乾燥した足に保湿剤を塗ると、あのつるつるとした足になったのです。
この事も含めて今のところ私が閉経した後の変化で感じるのは月経が止まる、毛が薄くなるまたは抜ける、乾燥するの3つです。
田舎に住んでいるせいか、遠近交互に見ることが多く、疲れ目はあっても老眼と言われる症状はまだありません。
明治初期の「月経閉止病」は閉経を病気として刷り込み、更年期をネガティブに印象づけてしまいました。看護の教科書にも閉経前後の症状として自律神経失調症、動脈硬化、骨粗鬆症があげられています。
しかし、女性の成長のプロセスを辿ればこの時期は自分の本質と向き合い、新しい創造力を発揮する前向きな時ですから、そこに意識は無いはずなのです。
ネガティブな情報は、身体を硬くして意識を内側に向けてしまいますから情報の選択は重要です。

体の内側に機能された産む役割から、精神性を外にむけると新しい役割を果たす扉が開かれます。しかし、すぐには開かず、あの陣痛のように様々な試練をあたえてきます。
今までの捉われ、思い込みからの生活習慣を変えるのは至難の業ですが、これからはそれほど食べる物も寝る時間も必要ない体なので他人軸のリズムを自分のリズムに戻すことが課題となります。
そのためにはまず呼吸を整えて、身軽になる事が必要なのですが、たくさん重荷を背負ってきた私たちは荷下ろす度に息づかいが荒くなり抵抗するのです。私もまだまだ力を抜け切れず苦労をしています…。
荷下ろしは、向き合いたくない自分の姿、隠していたことが意識されるので葛藤があります。抵抗が体の症状となって押し寄せるのを感じます。
しかし、手放して幸せを感じるか、重荷を背負い続けるか…閉経後のリズムは二つに分かれていきます。

遠い記憶

経という字は、年月が過ぎる事を意味します。そしてそれが巡るという意味も。それが閉ざされたということは、新しい経験をしなければ何も始まらないということになります。
新しい道に進むためには、50年の記憶と向き合う必要があります。


生まれた時から…正確には生まれる前から取り入れられた情報は無意識に思考され五感から感情を生みます。見たもの、聞いた音が喜びや悲しみ、怒りなどを生み出し、薄紙一枚一枚重なるように記憶されていきます。
そして、同じような出来事が起きた時にそれは現れ、感情が示した通りに物事を選択し、今の自分の在り方が出来上がりました。

新しい扉を開く

その在り方に満足して、幸せを感じているなら良いのですが、不快であるなら重荷を背負っていることになります。
看護の教科書には、更年期は心身両面における転換期とあります。
新たに迎える老年期を自律するために極めて重要な準備期なのです。
閉経前後ににモヤモヤするのは意識が外を向こうとしているからです。今までは自分のこと、子どものこと、家族に向けていた意識を社会に向けろと無意識が囁いているためです。
しかしその頃は介護、自分や家族の病気、夫婦の問題などがのし掛かりどうしても外に向かない場合があります。
だからこそ、記憶を書き換える必要があるのです。病気でも健康でいられる知恵や介護は社会と共同、夫婦は二人で一つ、すべてが貴重な学びで乗り越える智慧を得るための学びなんです。

五十の意味 〜時間と空間を超えて〜

情報と思考、感情の点と線は時間と空間を超えて立体的な在り方になりますから過去のリセットは大切な修行のようなものです。
しかし、女性はもともと体を通じて辛くて苦しい道のりを乗り越えてきたので、委ねれば何とかなるものです。
奈良県には五重塔がありますが、理想の自分の姿をあらわしているのだそうです。大地の水を吸い上げた身体は火によって感情を表しますが、更年期になるとそこを抜けて風のように自由に空に舞い上がり大地へと循環します。
そのためには稲穂のように頭を垂れる慈悲深さがなければ発展と繁栄もありません。そんな五重塔に導かれていきたいですね。

日本の平均年齢は48.6歳ですから、時代の中心である更年期は課題はとても多いですが、女性はみんなで集まれば楽しく楽にこなせる力を持っています。

新しい自分になるために…思い切って!


ハイテクな技術と永遠に変わらない智慧を融合しながら新しい価値を見出していきたいですね。
閉経前後の10年は、力を入れずに機嫌良く笑顔を忘れないでいると、色々な物、事、人に繋がっていきます。
扉が閉じた更年期にはさらに上の扉が待っています。楽しみですね〜!


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