御景雪

キャラメルポップコーン大好き!!

御景雪

キャラメルポップコーン大好き!!

マガジン

  • 小説

    過去に投稿した小説をまとめています!

最近の記事

『背骨の末端』(小説)

「駅前のホテルなんですけど」 「はい」 「できるだけ海沿いを走りつつ」 「はい」 「遠回りしてもらってもいいですか?」 「遠回りですか?」 「はい。遠回り」 「いいですけど」 「ありがとうございます」 「大丈夫ですか?」 「大丈夫?」 「はい。大丈夫ならいいんですけど」 「大丈夫です」 「さようですか」  さようなんですこう見えて結構大丈夫なんです、と言ってワンピースの裾を整えながら笑ったけれど、笑顔をどこに向けるべきなのかよくわからない。あるいは笑わなくてもよかったのかもし

    • 『膝』(小説)

       夜、見慣れないアパートの504号室の玄関が開くと、知らない男が立っている。グレーのスウェット、グレーのパーカー、グレーの靴下、暗い顔。髪はウルフマッシュで黒く、前髪の下の三白眼はわたしの足元を見ている。こんばんは、と挨拶をして、マスクの中で笑顔を作る。こんばんは、と男が返す。低く落ち着いた声がする。 「外、寒かったですよね?」  ですね、と答えて、中に入る。鍵の閉まった音がしたので、オートロックだと判明する。男と目が合い、すっかり秋だね、と言おうとしたけどやっぱりやめた。私

      • 『幽霊』(小説)

        この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

        • 『三日前』(小説)

          この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

        『背骨の末端』(小説)

        マガジン

        • 小説
          17本
          ¥500

        記事

          『計算』(小説)

          この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

          『計算』(小説)

          マガジン限定

          『嫣然』(小説)

          この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

          『嫣然』(小説)

          マガジン限定

          『吐息』(小説)

          この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

          『吐息』(小説)

          マガジン限定

          『River of No Return』(小説)

           あなたの声が聞こえて、あなたの声が聞こえなくなって、そうだ、そういえばあなたは様子を見てくると言って、サンダルを履いてテントから出ていったのだった。と思って、私は傘をささずに川岸に走った。雨が降って、川の体積は増えていた。濁って底の見えない水の塊がたてる鈍い音はおどろおどろしく私に警告した。これ以上近寄ったらお前を殺すぞ。  動いていく水の膨張が終わらない。一本の細い腕が明滅を繰り返す光景。が、視線のずっと奥にある。水面から出ては濁流に飲まれる。水面から出ては濁流に飲まれる

          『River of No Return』(小説)

          『悪いニュース』(小説)

          この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

          『悪いニュース』(小説)

          マガジン限定

          『糜爛』(小説)

          この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

          『糜爛』(小説)

          マガジン限定

          『逆光』(小説)

          『逆光』(小説)

          『両面』(小説)

          この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

          『両面』(小説)

          マガジン限定

          『シャドーボールプリンセス』(小説)

          この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

          『シャドーボールプリンセス』(小説)

          マガジン限定

          『耳と散文』(小説)

          この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

          『耳と散文』(小説)

          マガジン限定

          『Overdose』(小説)

          この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

          『Overdose』(小説)

          マガジン限定

          『彼のライター』(小説)

          この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

          『彼のライター』(小説)

          マガジン限定