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体系化 :2章

まずは 支出を体系化していきましょう
通帳や財布にお金が入ってきても それらに色は付いていません
何かを買う 支払いをする際にも 同じく色は付いていません
汗水流して得たお金であろうと 宝くじの当選で得たあぶく銭でも 同じお金です

家計管理をするにあたって このお金に色を付けることで 支出を適切にコントロールしていく必要があります
そのために 預貯金や財布等にあるお金を体系的に管理することで 必要な支出に不足が生じないようにし その場の勢いで不要な支出をしないように 家計を管理していきます

お金の3つの役割

お金が持つ3つの役割は 何だと思いますか?

交換
もっともポピュラーな役割です
何かを買う あるいは何かを売る
これらの交換に使われるものとしてのお金
体系化するにあたり 流動性と分類します

日常生活用の支出で 日々の生活のために必要な基本的なものです
この支出を最小限に抑えることが 家計の節約に繋がります
また 死の直前まで継続されるものなので 極力膨れ上がらないようにしておくことが大事
特に 収入増と生活の質の増を比例させないように気を付けましょう

貯蓄
物々交換と違い 当面使用しない貨幣を将来のために持っておく(貯蓄する)ことが可能になりました
このことで 季節や時間に囚われず 先を見越した安定した物の確保が出来るように
体系化するにあたり 安定性と分類します

貯蓄用の支出で 流動性と違い いざと云うときのために確保し 極端に減らしてはいけない部分
この部分を増やしていくことで 今後起こるかもしれない様々なリスクに備えます

運用
この役割を活かすことで 将来の生活を今よりも豊かに出来ます
この効果を最大限に活かせるかが 豊かな生活かそうではないかを分ける重要な分岐点になります
お金を得るために働くのではなく どこかの時点からお金を得るために働いてもらうお金(運用)の役割を理解することが大切です
体系化するにあたり 収益性と分類します

資産形成用の支出で 夢や目標に向けた⾧期的な資産形成のためのもの
20世紀最大の物理学者であるアインシュタインに「人類最大の発明」と云わしめた複利のチカラを最大限に活用する部分です

これらのお金の3つの役割を理解し その特性を活かして支出の配分を模索することが重要になります

バランスが大事 偏り過ぎると…

各々の役割

お金を 大きく3つの色に分けましたが もう少し具体的に それぞれどういった役割があるのか見ていきたいと思います

流動性(交換)
日々の生活費で 食費や光熱水費 衣料などの消費財の支出です
また 事故や病気 家電や家の故障 修繕などで突発的に発生する緊急対応用の支出
詳細は別に説明しますが 簿外費用等もここに分類しておきます

安定性(貯蓄)
投資の格言に 金の卵を産むニワトリは決して食用にしてはいけないと云うものがあります
万が一食用としてしまえば 以後一切金の卵を産みません
現状の低金利では微々たるものですが金利収入を生み続けるものとして 一定程度のストック部分・家計の核として確保しておきましょう
また 中期的 計画的に準備できる教育費
夢や目標に向かって コツコツと積立てていく目的別積立など

これらの支出は 短中期で使うことが想定されるため 流動性と収益性の間で比較的安全な金融商品で賄っておく必要があります
定期預金やMMF 国債など

収益性(運用)
自分の代わりにお金に稼いでもらう
株式などの社会への投資
元本保証ではないので あくまで余裕資金が出来てから 少しづつ支出をシフトしていく方が良いかと思います
また同時に 自らの能力や知識を増すための自己投資も大切です
目の前にある仕事をないがしろにすることなく 勤労収入を安定させ さらに自分の特技や資格などを使って社内昇進や副業による収入のチャンネルを増やしていきましょう

お金に色をつけ分類

支出をコントロール

支出をコントロールするにあたって大事なのは 物理的にも帳簿的にも分けてしまうことです
通常 給料はすべて家計簿で管理していくことになります
しかし最初の入口段階で 最小限の生活費以外は 特別家計として各項目ごとに管理し 用途以外に使用できないようにしましょう
その際に 短期的な資金として簿外費用を確保しておくと便利です

  簿外費用
  普段使いの生活費から別の口座や財布に 一定のお金を確保
  例えば「500円玉貯金」「買物後のおつり貯金」など
  このように生活費から切り離したお金(家計簿外のもの)を
  少しだけガス抜きをするための支出(外食やプチ旅行など)に充
  てます
  節約や倹約だけでは 苦しい修行のようになってしまうので
  たまに多少贅沢な使い方が出来るようにしておきましょう
  家計簿外のものなので 普段の生活にほぼ影響が出ないうえに
  息抜きも出来る優れものです


老後生活(大きな収入がなくなった後)において 適切に支出をコントロールするためには 現役時代の生活水準を極力上げないように心掛けることが大切になってきます
一度上げた生活水準を下げるのは 見栄や習慣からとても困難なものに
なので 最初から生活水準を上げない仕組みを作りましょう

特に臨時収入などは 積極的に特別家計や簿外費用に組み入れて 一定の生活水準を維持しておくことをお勧めします
普段の生活費として使用してしまうと羽が生えたように あっという間に消えてしまうので そうならないように しっかりとコントロールしていきましょう
そうすることで 老後の生活費も見込みやすくなりますし 贅肉のない筋肉質な家計管理が出来上がります

赤い矢印(支出)は 最小限に



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