Joker

初めまして、詩人です。

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國韻アフォリズム 白樺派 EngagedBuddism文学 

【死が待つ足】 逃げ続けたいと思う心が、自分は情けないという。情けとは殺さないということであり、人殺しの心が宿っているのだ。兎とは殺人鬼なのである。だからこそ、彼は寂しいと死ぬのである。もう走れなくなるから 【女からの高価なプレゼント】 のには粘着質であるが故に、切らねば憎しみを生む。のには女の愛情であり男のものではない。嫌いだったのに好きになってしまった。厄介な代物である。材料は唾液に決まっている。安くはない 【切れない讃歌】 たまたまみつけた物がコントロール不能

    • 咆哮の頂

      #國韻アフォリズム 夕暮れがみえないほどには、家の向こうの山々は高くなかった。いつも太陽を包み込み姿を隠す彼らは、少しだけ意地悪なのかも知れない。一度俺は彼らの雄叫びを聞いたことがあって、その後に人が数百人死んだ。その温かい土のなかに、亡き人を優しく迎えて、やがて空へのぼっていくのを手伝うのだろうか。鎖につながれた人間は、山々によって解放され、残された人の涙の雫を笑う。草が生える根の方角は、亡き人の笑い声に誘われて、奥深くへともぐっていくのだ。声と根が出会ったとき、花が咲く

      • 停まった針の雨滴

        #白樺派 故郷へ足をのばした僕は、学校の庭で少しだけ身体を動かして、花壇の潤しさに恥ずかしくなった。廊下を奥から眺めて、先の方まで突っ切ると、ゴムが擦れる音が盛大に響きわたった。二組の教室では机たちが物欲しそうに並んで、僕の姿を待ち構えている。窓を開けて外の空気を入れると、彼らは静かに喜んでいるかに思えた。やがて、曇ってくる空模様が雨の話し声を届けに来た。黒板に書かれたラストメッセージは、永久に残ることもなく、忘れ去られるさだめ。針が動くことのない時計は、雨滴の合唱を指揮し

        • 割れた血流

          #EngagedBuddism文学 水の一つ一つが紅く染まって、泳ぐ魚は影の隠しようがなかった。上空からやってくる爪先の誘いを断ることは難しく、彼らは次々と犠牲になっていった。酷く水分を欲していた私は、その色がよせと言うのも聞かず、手のなかに一杯の水たまりを作って一気に飲み干した。魚の群れが一列に並んで黒い線が一本、流れのなかに引かれ私の目には川が二つに割れたようにみえた。泳ぎの勢いは増し、渦が一つ巻き始めると中心から底の土が顔を出した。その穴に私は立って、歩き始めると魚た

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        國韻アフォリズム 白樺派 EngagedBuddism文学 

          鍵の行先に思い出

          #國韻アフォリズム 外れた鍵は、盗まれた心の匂いがした。ガソリンのくすぐるような危険な代物が、歩いて俺を出迎えてくれる気がした。時代がたとえ俺を追い抜いていっても、背中が消えるまで諦めない。息がきれそうになったら、月が手を貸してくれるのだろうか。寒い空の色は決まって俺のお気に入りだけど、高すぎて買ったことはまだない。呼びかけられるその日まで、待っていることすら気づかないのだろう。ありきたりな昼過ぎのゆっくり流れる時が、俺にまとわりついて少年が笑う。みつけた鍵は土ぼこりが舞っ

          鍵の行先に思い出

          夢の夜に幻は月

          #白樺派 四つの季節が三回転した頃、僕は氷を砕いて皿に盛り上から砂糖をかけた。ひとくち食べて手を止めて、便器のなかに投げ捨てた。水垢がへばりついていて、僕は早速に掃除をはじめた。御婦人方の探るような声が癪に触るが、この薄汚いアパートでは仕方のないことだった。次に皿を持って、僕は台所で洗剤をスポンジに垂らした。水道から流れる水が手に触れると、少し痛いような気がした。日光を恨めしく思って、月に砕かれてしまえと願った。夏に食べそこねた氷への復讐は叶わなかった。

          夢の夜に幻は月

          でたらめの迷路

          出口がみえない町の闇を歩いていると、案内人が手招きしていることに気づいた。梯子でなければ出られない旨を伝えられた私は、ここが陸の孤島だと初めて知った。使用料に大金が必要なのだ。しかも梯子は壊れる寸前のものだった。渡ることに恐怖した私は、しばらく町に居座ることにした。死の梯子、向こう側にお金は持っていけない。私共は、このような風にして奴隷になるのだった。死と恐怖から逃げ、ぐるぐると働く。王様が作った、でたらめな迷路を脱出するサイコロは失われた。 #EngagedBuddism文

          でたらめの迷路

          ちょっとだけ記憶

          #國韻アフォリズム 鳴り響く人々の気配が、消えることのないのを、安心と残念の間でボールが弾ける。好ましくない世界、誰が誰にとって?不満が漂う黒色の服を着た世界が牙を剥く。ぶ厚い肉を平らげる獣の口は、いつも神の匂いが放たれる。幼いころ犬に噛まれたのは、可愛がっていたから裏切りに思えた。わずかばかりの記憶の嘆きは、今も悲痛に肌を刺す。

          ちょっとだけ記憶

          太陽の光をみた、いつまでも寝る木々

          愛さえもろい砂の城 指先で触れるのが怖い最果て 街中で怯える子供たち 光景の紫外線が目をつぶす なにもみえない白い買い物

          太陽の光をみた、いつまでも寝る木々

          咲き誇る花と落下してきた鳥の鳴き声

          気が狂うのはこれが朝だから はみ出したペンキは床の彩色 荒れ狂う波の間に出る泡 しきりに走る少年の後ろ足 たまの休みの空の色の艶やかさ 心地よく響く鳴き声が愛おしい 飛び立つ彼らは少し照れてる 思い切り空気を吸って挨拶の手

          咲き誇る花と落下してきた鳥の鳴き声

          思い出の廊下

          日本民族の猿真似と懐の深さをスポーツ観戦に覚えるが、選手に対する国の偉そうな態度には腹が立つ。但し、これはやっかみ半分の戯言である。と言うのも有能なコーチに巡り会えなかった無能な私の言葉だからだ。昔の根性論は懐かしく、そして遠い辛い思い出。

          思い出の廊下

          消えないで、雲よ

          あまりにも悲しい想像だった 君のラストレターは受け取った 僕は君を忘れないだろう そうして僕の人生は貴重なものになった 君の思い出さえあれば、いつでも旅立てる そう、消えた君のもとへ だから、それを永遠の仲と言えるんだ レターから始まり思い出に変わる共に歩んだ人生 後悔があるとすれば、もう一回だけ言いたかった 「また会おうね」 って 「永遠の友へ向けるリリック」 おつかれカツカレーでも食べ喋れ 色んなことがあった人生、たまんないことがあった反省 一

          消えないで、雲よ

          たまの哀しみ

          君の目に写った緑の景色は綺麗だろうか さめやらぬ情熱で踊る汗 君もきっと一人なんだろうね 底の淵から見上げてる僕 一瞬のきらめきの笑顔 まぶしくて僕の部屋には似つかわしくない だから君をそっと閉じ込めた 液晶画面のなかに 「鴨の部屋」 階段を登る、猥談の最中に きっかけはツッカケを無くしたアイロニー 屋上には金色の靴が極上の箱に登場 虹で光って壇上に参上 滑稽なピエロ、オッケイなマエストロ 羽をつけて飛ぶ瞬間 面目ねえわて落下傘 待ち構えていた

          たまの哀しみ

          なのかくさ

          懸命に生きる君の姿忘れない3番目のメドレー 時雨に決まらない天気 世界の果て擦り傷だからけのスネ 煙たがられる青年の影に乾杯、永遠にサチアレ いつだか忘れた空元気 絵心ついた子供のころには夢見癖

          なのかくさ

          旅立つ君へバカ野郎

          なんか知らんが女が一人オレの元を旅立った 固く結んだくちびる歯を食いしばった 魂の声を吐き出す彼方 目の前には空と大地もともと一人 世界の庭に咲き誇るストーリー 健気な男の誇り きらびやかな太陽の火に踊る小鳥 いつのまにやら時がすぎる共に しみる酒の香り

          旅立つ君へバカ野郎

          指先にふれた陽

          声をふりしぼる貴女の声は死ぬまえの嬢王蜂 伝えたいことがあるんだね、きっと 仮面をかぶることに慣れた人は痛みさえ消えない ディマディマヴュービュー     ディマディマヴュービュー 遊び声が記憶のかなたに置かれた貴女の部屋 指先をいやがったのは、恋の消失点 感情を抑える人々の叫びを聞く都会のビルの窓辺 ヴューディマビューディマ     ヴューディマビューディマ

          指先にふれた陽