リスキリングで何を学ぶべきかの最適解
ここ数年で急激に見聞きするようになった「リスキリング」とは、今とは違う新しいスキルや知識を身につけて自分自身のキャリアを再定義することを指します。
ちなみに経済産業省では
「新しい職業に就くために、あるいは今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義しています。
これの意味するところを考えても、今後、会社組織において〇〇畑一筋〇十年という働き方が標準的ではなくなっていくでしょう。
テクノロジーやAIの発展スピードがますます加速する今、予期しない形で仕事を失わない・時代に取り残されないために、リスキリングの実践は自己防衛策として積極的に取り組むべき作業だと言えます。
そんなリスキリングは通常
自分のキャリアにおける目標設定
今の自分のスキルとのギャップ探し
ギャップを解消するための学習計画の立案
新しいスキルを身につけるための実践
というステップになりますが、個人的には1番大切な工程が抜けていると思っています。
それは、リスキリングの準備として最初に「自己理解を深める方法」を学ぶことです。
具体的なメリットとして
最適な目標設定ができる
効率的な学習計画を作れる
モチベーションの維持につながる
の3点です。
最適な目標設定ができる
通常、自己理解が進めば最適な目標設定をできるのですが、多くの人がやりがちなミスは「今の自分をベース」に目標を設定して、目標が本来あるべき姿からズレてしまうことです。
例えば、今という断面での
会社での肩書き・ポジション
家庭や家族の中での役割
持っているスキルや知識
をベースにすると、今の自分の延長線上にある目標設定となります。
何も問題がないように見えますが、リスキリングの目的が「自分自身のキャリアの再定義」である以上、今の自分をベースにして可能性を狭めることは、目的に対して逆行するやり方と言えます。
というわけで、自己理解を深めることは、今の自分に縛られずに本当に達成したい目標を設定するために必要不可欠な作業と言えます。
効率的な学習計画を作れる
リスキリングに向けての勉強を始めたときに、なかなか継続できない大きな原因のひとつが「ズレ」です。
計画を実行に移してみて初めて気づくこと、例えば
取得したいスキルはこれなのかと不安になる
想定よりも難易度が高くてしんどい
思ったほど時間をかけられない気がしてきた
などの我慢はできるけど細かい違和感を早い段階で解消しないと、やがて深刻なズレになっていきます。
こういったズレを100%出ないようにするのは難しいかもしれませんが、発生する可能性を大きく下げる効果があるのが、自己理解を深めてから学習計画を立てることです。
学習計画のズレは、間違えた地図を片手に旅行するのと同じ。
効率的に目的地にたどり着けなくなりますので、丁寧に学習計画まで落とし込むことが重要です。
モチベーションの維持につながる
自己理解を深めて、自分の長所・短所、得意・不得意、保有するスキルや知識、価値観や人生観などを把握し、それを受け入れることで自然と「自己肯定感」が高まります。
何をやるにもモチベーション(強い動機づけ)は重要ですが、そのモチベーションを高く維持するためには、自己肯定感の高さは欠かせない要素です。
なぜなら、リスキリングに取り組む自分自身に対して、理想的なフォローができるのは自己肯定感の高い人だからです。
新しいことに取り組むリスキリングの実践においては、その過程での試行錯誤や失敗、挫折に対してポジティブに捉えたり、新たな挑戦をすることへの不安や恐れとうまく付き合う必要があります。
そのコツこそが「ありのままの自分を受け入れ認められるかどうか」です。
自分理解を深める→自己肯定感が高まる→リスキリングの成功→自己肯定感が高まる→自己理解が深まる・・・これが理想的で好循環なリスキリングのあり方と言えます。
自己理解を深める方法
自己理解を深める方法はたくさんあります。例えば
マインドフルネスの実践
3行日記の導入
自己分析ツールの活用
などが代表的なやり方ではないでしょうか。
特に、自己分析ツールは様々なサイトやアプリがあり、簡単・手軽にスマホだけでできますので、一度と言わず自己分析をやってみたことがある人が多いと思います。
で、そのときは「なるほど!」「そういう一面もあるのか!」「当たってる!!」とテンションが上がったのに、翌日にはいつもと変わらない自分・・・そんな人も多いはずです。
そこで、僕がおすすめる自己理解を深める方法とは「自分の棚卸し」です。
やり方はとてもシンプルです。すでにお伝えしている自分の性格、長所・短所、得意・不得意、保有するスキルや知識、価値観や人生観・・などについてひたすら書き出していく、ただそれだけです。
「書き出すだけでほんとに意味があるの?」と思われたかもしれませんが、文字にして意識することで自分に対する客観的な認識の解像度が一気に上がりますのでぜひお試しください!
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