水曜日の本棚#6 不穏なしあわせ、いくつもの週末
これを書いている外ではいま、雨が降っている。はじめは「しとしと」だったのが、いまでは「ザーザー」に近い音を立てて。
こんな夜は、何度も読んでいる本を手にとってあったかいお茶でも淹れてパラパラめくりたい。この先どうなるんだろうとハラハラしたり、不意打ちで心乱されたくないのだ。食と物語において、わたしはわりと臆病である。居心地のいい味とストーリーをはむはむ何度も噛みしめるのが好きなのだ。
江國さんの本は昔よく読んでいて−「冷静と情熱のあいだ」をちょうど二十歳前後で読んじゃった