見出し画像

なぜインタビューで恋愛ネタ聞くの苦手か書きます。

お久しぶりです。けっこうフォローをもらったりしているのに何も書いていないのも気になってたので、とりあえずnoteに書きます。
前にも私は、「アイドルに聞く好きなタイプ問題」という記事を、2020年の4月に書きました。

また書くことになったのは、Twitterで、「なぜ年配女性は自分と推しの年齢が離れているからって、恋愛について聞きたがらないのか」「恋愛について聞くことは他人の話なのに、なぜ傷つくのか」というようなことを書いているのを見たので、別に私が聞かれたわけではないけど、思いついたことを書こうと思います。

まず、私は実際にテレビ誌やグラビア誌などで、誰かの「推し」であろう人にインタビューする機会が多いです。これからは少なくなるかもしれませんが、とりあえずやっています。

最近は少なくなりましたが、そういうインタビューは、ロングインタビューではなく、時間も数分と短く、私ひとりではなく、何名かで一緒に聞く機会も多いです。

そうなると、そこまで深い話も聞けないし、話題はその場が設けられた映画やらドラマの話題になります。

そういうときは、ひとり一問か二問聞けたらやっとなので、質問を何にするのかはけっこう考えないといけません。また、短い中で、急に恋愛や好みのタイプ問題を聞いても、もしかしたら相手が微妙な感じになって、うやむやな答えを返されるだけで、ぜんぜん盛り上がった答えにならなかった場合、その一問の時間はほとんどなく終了してしまったりします。そうなるとまったく「仕事」にならないので、盛り上がらなさそうな質問はしないようにすることがほとんどです。

以前、女性誌の方が、たぶんそういう質問をしてこないといけないのでしょう、好きな女性のタイプは、と聞いたけど、さすがは誰かの「推し」だけあって、のらりくらりと特定することは避けるので、髪型だけでもいいので、長いの?短いの?と詰問して、やっと具体的なことを答えてもらっていたこともありました。その話だけで、何分もかかってしまっていて、ほかの媒体は、こりゃうちでは使えないな…みたいな空気になることもありました。

今時、誰かの「推し」さんは、具体的なことで特定してしまうと、そうでない人が傷つくと思って、ぼんやりしたことしか言わないことが多いんです。もちろん、そういう答えにその人なりの考え方がにじみ出ることもあるから、そういう答えがほしい人にとっては無意味ではないでしょう。

それとは別に、例えば、雑誌全体の共通質問で、この号に載っている人には、全員、「好きなタイプは?」という短い質問をしないといけないこともあります。私もそんな質問をしないといけなくなったことがありますが、別に個別に聞くのはいいなとは思うのですが、「一斉に」というのが気になります。

しかも、共通質問にはご丁寧に「異性として」などという言葉がついていることだってあります。そうなると、私はこの号に出ている人たち全員が、シスジェンダーでヘテロセクシャルなのだろうかと気になってしまいます。でも、この質問は、全員が同じ前提で質問が用意されているのです。そうなると、そう想定されたように答えないといけなくなります。

話は変わりますが、『鎌倉殿の13人』で、実朝が好みのおなごについて聞かれたとき、自分ではイメージができておらず、和田殿が「声の大きいおなごがいい」と言っているのを聞いて、そのままそれを自分の意見としていたのを見た人はいるのではないでしょうか。

もしも、質問にうまくイメージできないときに、誰かに、実朝と同じことをさせているのかもしれないと思いながら質問するのは、なんとなくこちらは嫌だなと思うわけです。

その辺は別に、シスジェンダーでヘテロセクシャルで、その質問の答えが自分の中でイメージできる人でも、なんとなく、そんなことに踏み入られるのはしんどいなと思っている人だっているでしょうし、なんでこんなことに答えないといけないの?と思っている人もいるでしょう。

質問者、あるいはそういう質問を設定している人は、そこまで考えていないし、悪気はないのかもしれませんが、全員が同じ規範の中で生きていると思って、一斉に質問するというのは、なんとなく今の時代に合わないなーと思います。

さて、インタビューをする私たちは、別にインタビュイー、つまり誰かの「推し」とは初対面かもしれないし、もしも何度も会っていたとしても、別に関係性などができているわけではありません。

しかも、こういう仕事をしているからと言って、私が誰かにとっての「推し」を好きだとも限りません。というか、好きということは、ほぼありません。誰かの「推し」は誰かの「推し」でしかなく、誰かにとっては特別でも、誰かにとってはなんでもないものなのです。自分と人には境界があるのです。だから、もしも「好きなタイプ」に答えてもらうことがあったとして、それが自分と無関係であっても、別に傷つくこともなければ「そうなのか、じゃあ、これをどうやって書いたら伝わるかな」と思うだけなんです。

ここから先は

1,550字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?