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写真が上手くなる Tips :視野 のお話

こんにちは。ナムフォト/ miit の楢です。

こちらのnoteでは、 写真心理学を使った、オンライン型グループコーチングプログラム「miit」や、創造性や心理的安全性にまつわるTipsを発信しています!


今日は、「写真が上手くなる」を切り口に 綴ってみたいと思います。


ところで、自己紹介で「フォトグラファーです」とお伝えすると、

「写真!すごい!わたし、撮るの下手なんですよ。上手な撮り方教えてください。」

と、口にされる方は少なくありません。

あまり考えずに口にされているとは思うのですが、これを聞くと

「一体この方は、どんな写真を、どんな風に撮られるんだろう?」と感じますので、

「いつもは何を撮影するんですか?」

みたいに、会話を継ぎ足すことが多いです。


さて、「写真の上手い・下手」は、撮影の目的によって、何をもって上手い・下手とするかが変わってきてしまうため、

つまり、プロカメラマンの中にも、「ブツ撮り」(ライティングを組んで商品を美しく撮影する)のが超一流でも、「人物撮り」(ポートレイトやプロフィール写真)がド下手な人が存在するので、

漠然とした「写真うまくなりたい」は、

目的を達成するのに良い問いの立て方ではなないです。

とは言っても、まったくの初心者が、何か「自分の写真」を改善したり、新しい気づきを得たり、取り組みやすいのは「画角(視野)」の話かなーっと思って、

その辺りのことを、「写真心理学の話」も交えて、綴ってみたいと思います!


人間の視野

「視野」とは、目に見える範囲のことです。

人間の視野は、右目・左目合わせて大体マックス 200°くらい。

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a. ほぼ真横を向いている目を持つ動物の頭蓋骨
b. ほぼ真正面を向いている目を持つ動物の頭蓋骨

※出典:「ヒトの目、驚異の進化論」p.149より


見ようと思ったら、少し後ろの方も見ることができますね。

ただ、日常生活の中で、わざわざ、「後方まで見渡そう」と意識することは少なく、

普通に生活してて、パッと何かを見たり意識したりする時は、

大体、50°くらい。

→昔の一眼レフは、単焦点レンズ(ズームできない、固定の画角)がついておりまして、これが大体50mmである所以もこの辺りからです。


ここから、

・もっと何か一点を見つめよとする(ダーツで、的の中心を見る)1〜2°くらい?

・もっと広く何かを捉えようとするときの視野(一面に広がる菜の花畑で、全体感を見ようとする)120°くらい 

・後方にまで気を配る(敵がどこにいるか、確認する)200°くらい

など、目的に合わせて、視野も無意識のうちにコントロールしているわけです。


「ダーツで的を得る」「敵の姿を確認する」というような、究極の目的はないにしても、

その人の職業や、生活習慣や、親しんでいるスポーツなどで、

「機能しやすい画角(視野の範囲)」というのが、染み付いているものです。


そしてこれが、「何気なく撮った写真」には、そのまま反映されています。

写真のワークショップで、同じ場所・同じ時間・同じテーマで写真を撮影してもらうと、それが顕著で、

Aさん、Bさん、Cさんの写真を見比べたときに、

大体「その人、得意の画角(視野の範囲)」というのがはっきり出ていて、面白いなぁと思いますし、

逆にいうと、ワンパターンとも言えます。

「結婚式で写真撮ったけど、なんか似たような写真ばっかりになっちゃうんだよね・・・」

といったお悩みは、視野(画角のチョイス)で解決できることが多いです。


プロフォトグラファーの視野

これに対する、プロフォトグラファーの視野はどうでしょうか?

「思いっきり引いて、会場全体が写るように」

「ちょっと引いて、身体全体が入るように」

「ぐっと寄りで。笑顔のクローズアップ」

・・・など、

意識して「画角」を調整します。


寄りから→俯瞰 になっていく お写真。

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(さらに、ドラマチックなアングルを積極的に探っているのが常ですが、この話はまた今度)


視野を、意図的に、自由自在に操れることが、

「写真がうまくなる」ための、一つの解といえるでしょう。


写真心理学で分析する「視野」

写真心理学診断では、視野の範囲を点数化して、

集中(Close-up view)と俯瞰(bird's eye view)のパーセンテージを出しています。

色々な方の写真を拝見していると、好きな「視野」がはっきり見てとれて、興味深いです。

そして、対面などのワークショップで実際の人物と対面しながらお写真を拝見すると、

やはり何か気になるとぐっとのめり込んで極めていかれるような方や、相手に対して一歩踏み込んだコミュニケーションをとられる方は、集中的な視野の傾向が強く出たり、

会場の中でも端っこや後ろの席を好み、全体を冷静に観察しているような方は俯瞰の傾向が強く出ていたり、

そのままお人柄と重なる部分があります。


(全くの余談ですが、私自身はもともと余白が広くなるタイプ。静物デッサンの構図が、いつも小さくまとまってしまうのが悩みでした。)


そして、さらに!なのですが。

先日、京都リサーチパーク(KRP)で開催させていただいた「miitセッション」では、事前に職歴や専門分野などの個人属性と、写真心理学診断をクロス集計させてもらいました。

すると!勤めた経験や副業と、視野に関係性が見られました。

以下の順番で、視野が広いという結果が出ました!

1.    学生(勤めた経験なし)
2.   転職あり・副業あり
3.   転職あり・副業なし
4.   1社のみ


1社しか勤めた経験がない = 同じ会社の中で、価値や業務を追求している

と、

視野が、集中気味になるのは、なんだか納得してしまいませんか?


そして、転職や副業経験を重ねるほどに、視野が広くなり、

さらに、まだ社会にエントリーしていない学生は、社会人経験のある大人より、より大きな視野でセカイを見つめている・・・


N値が18名とやや少ないので、断定はできませんが、

追求の余地のある結果となりました!


結論!

「写真がうまくなりたい」方は、まず自分の写真を見て、

「集中的な傾向が強い」か「俯瞰的な傾向が強い」か、

そのどちらの写真もよく撮るけど、「中距離が苦手」という方もいらっしゃいますし、視野の傾向を掴んでみましょう。

そして、写真を撮影するときに、「いつものこの画角よりも、一歩引いたらどうなる?」「一歩近づいたらどうなる?」を、試してみましょう。


上手の一歩は、「意識してできるようになる」こと。

画角のコントロールに慣れて、「無意識でもできるようになる」と、

写真表現の幅が広がります!


ぜひ、お試しくださいね。


写真心理学を使ったオンライン型グループコーチングプログラム「miit」の詳細はこちらから!


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