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東南アジアと私の青春



晴れた快晴の日。
移住した新しい土地。
湖畔沿いを車で走る。

シャッフルした音楽からは懐かしい歌が流れてきた。

「あぁ、この歌。こんな晴れた、あの日にも聴いたな。」

記憶が一気に遡る。


東南アジアのどかな田舎町。
クラクションが鳴る喧騒の街。
湿気で満たされた夜行バス。

匂いも感覚もすぐ横で感じられるくらい
あの独特の景色が瞼の裏に浮かぶ。


バックパッカーとして初めて訪れた海外は
タイだった。
初めて発展途上国を実感したのはカンボジア。
ミャンマーの人々の優しさに心震わされ
ベトナムのエネルギーに驚き
ラオスの空気感に癒された。

初めての一人旅も
初めての旅恋も
初めてのボランティアも
全部全部東南アジア。


危険すぎず安全すぎない
そしてお金のない学生に優しい
そんな土地。


お金がなかったから
もちろんディープな体験もたくさんした。

騙されそうになったことも
日本人だからという理由で近寄られたことも
汚すぎる宿に泊まったことも
全部「若さ」と「好奇心」でポジティブに乗り越えられた。


あの時だからできた。
そんな旅だった。


今、あの頃に戻りたいとは思わないけれど
あの景色をまた見たい。

そんな風に思ったアラサーの春。


私の青春は東南アジア。



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