見出し画像

「わかる」の近道

今日美容院に行ったら、担当の方がある本を用意してくれていた。福岡に来てからずっと同じ美容師さんにお世話になっているのだけれど、彼女は最近、雑誌用タブレットの他に紙の本も置いてくれている。

今日の一冊は、巨大な占い本。分厚くてサイズも大きい。その占いは、生年月日で12タイプに分けるもので「2024年の12種類の運勢」がたっぷり語られている。だから、そんな大きさなのだ。

この本を前に、手に取らない人なんているのだろうか。美容師さんに感謝しながら、ヘアカラーの待ち時間中に一人じっくり読みふけった。

私は今年、とても運がいいらしい。「6〜7年続いた闇からやっと解放される」と書いてあって「社会人なってから今までずっと闇やったん?」と、思わず吹き出しそうにはなったけれど。たくさん書いてある中、特に大事だと思った4つのポイントだけ、記憶に残してきた。

  • ポジティブなことを口にすればするほど幸運になる最強の運気

  • でも根はネガティブだから、ポジティブでいる努力をしろ

  • 人が苦手なタイプだけど、人と関わる努力をしろ

  • 多少不安でも「私、今年運気いいから大丈夫」と思って興味のあることをやれ

上の3つは「頑張ります」と誓うことにして。特に私の中で「やっぱそうだよね」と、勇気が湧いてきたのは4つ目だ。そういえば、先月読んだ本でも同じように「やること」への勇気をもらった。

『バカの壁』で知られる養老孟司さんと、精神科医の名越康文さんの対談本。私にとって養老さんは、定期的に著作が読みたくなる人物の一人だ。

序章「『他人』をわかりたがる現代人」から、どんどん2人の対話が発展していく同書。養老さんは今までいろんな本を通して「わかる」について語っている。今回はそんな「わかる」に関する養老さんの考えを、名越さんが解釈して語った箇所が印象的だった。

本当の意味で「わかる」ということが、実は「脳」や「意識」ではなく、「体感」なんだということが抜け落ちているんでしょうね。それをおかしいと誰も感じない。

『「他人」の壁』より引用

今は、あふれんばかりの情報が簡単に手に入る。それは確かに、私たちから「体感」を妨げている部分もあるかもしれない。何かしようとする前に、いったん正解探しをしてしまうのが今の私たちだ。

でも、著者の2人は「〇〇したらどんな良いことがあるか、とか聞く前にやってみればいい」と言う。そんなこと聞くくらいなら、やるな。「聞いた上でやる」もよくない。それはただ、教えられたことをなぞって、確認するだけの作業になってしまうから。

あれこれ考えず「ただやる」。自分で五感をとおして体感する。それでようやく「わかる」のだから、と。

未知のことをやろうとするときは、失敗がチラついて怖い。でも、興味があることを「わかる」ための近道は「ただやる」ことだ。失敗しないようにと正解探しから始めるのは、「わかること」から最も遠ざかる行動なのかもしれない。

「『今年は運気がいいから大丈夫』と思ってやれ」という文章を占い本で読んだとき、この「ただやる」の話を思い出した。運も味方だと思うと、「ただやる」ことにも勇気が湧いてくる。今年は「わかりたい」と思うものに出会ったとき、近道を選べる強気な自分でいたい。

この記事が参加している募集

読書感想文

今日の振り返り

最後まで読んでいただきありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。いただきましたサポートは、自己研鑽やライター活動費として使用させていただきます。