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英語試験と能力について

最近、東京都立の英語スピーキング試験が初めて行われたとの事でネット上に色んな意見や感想が飛び交っていました。

それで、英語試験について私なりに思う事を書きたいなと不意に思いました。

それは、英語能力をその日の試験のみで測る事の難しさです。
私自身、英語の資格試験は好きではありません。なぜなら、英語能力以外の全く関係ない要因が点数に絡んでいるから。
しかし、社会的にどうしても必要な人はいるでしょう。そこで、私が今まで受験した英語資格や試験に大切な要因をここに挙げます。

いかに、これらが英語を使う能力とは関係ないか分かると思います。

  1. 早く必要な情報を読まずに抜き出す力

  2. 試験中にトイレを我慢する能力

  3. 決められた書き方を覚え込みそれに機械的に当てはめる力

  4. 集中力の維持

  5. 周囲が気にならない鈍感力

  6. 早く書く/塗り潰す/タイピングする能力

  7. 諦める力

  8. 図々しさと図太さ

  9. 緊張しない能力

点数を高くするには、英語を使いこなす力以外に、これらのテクニックがいるという事。

そして、それには性格や個々の特性も関係する。それを除いたとしたって慣れやトレーニングが必要になる。

“英語を使えるようになりたいから、英語資格の点数を上げよう”はかならずしも当てはまらないし、時間の無駄が多い。
なぜなら、上記の事を除いても英語が使えないと嘘だからです。

それに加え、英語試験や資格は実際に使われている英語とはかけ離れている設問も多い。
特別な練習をする時間が余分に取られる、そういう事。

ただでさえ、英語と日本語はかけ離れている言語。完璧でなくてもいいから、使っていくべきだし。自然なものに沢山触れて慣れていく時間を多く確保すればするほど良い。
しかし、その時間が試験対策で奪われる。本末転倒があちこちで起こっている。

試験や資格を入り口にしなくても、英語に自然と触れる環境を先に作るべきで資格や試験が先に来るのがそもそも変。

上記に書いた事以外にも、正しいスペリングや難易度の高い英単語や文法を沢山正確に暗記すれば点数が取れる仕組みも、やりすぎると覚えてからしか使えない人間が出来上がる。

詰め込んでも、口から出ない人の出来上がり。
現在、既に十分証明されていますよね。

英語を使うだけなら、単純な仕組みとよく使う単語だけでも十分話せないとおかしい。しかも、知らなくても自分の知っている表現で言い換えて言えないとおかしい。聞きなおし、理解しそこで覚えれば良い。
ネーティブスピーカーはそうしています。
それに加えて、知識や言葉の引き出しが少ない人でさえ、話せています。教養をつけながら自然と表現力が増えていくのが自然な順番。

スペリング一つとっても、知識人でさえ時には間違える。発音と綴りが違う事は頻繁にあるので、寧ろ現代ではコンピュータの機能を使って間違っていない確認するのが良いと認識されている。
暗記する事など、さほど重要ではありません。

試験や資格は時代とは逆行しているのは事実。

内容もリスニングなどは、いかに気を散らさないかも見ている。わざと、答えの付近に引っ掛ける箇所が仕込んである。
素直でない歪んだ見方をしなければ取れない問題をわざと仕込んだりしてある。こんな練習をする意味はなんなのか?そういう事をどれだけの人が考えた事があるのか?

考えていればまだましだけど、ただやってるだけならこれほど悪影響な事はないと私は思っている。

日本の資格や試験は英語とは関係ない多くの情報が書いてあり気を散らす工夫もしてある。どれだけ性格の悪い奴が作成したのだろうか…とも考えてしまう。集中できる人の方が本来は問題ではないかとそんな気さえしてしまう。

外国で作られた資格や試験も同様の要素がある。少し方法を変化させてるだけ。まだ実用的なものが使われているから幾分ましだが本質は同じかなとしか思えない……。

ただ世界を見渡せば、資格を先に勉強してる人は少ないから使える人は多い。
英語を使えるようになる事が目的なら、その目的自体を逆転させていないかと考えるべきに思う。あくまで、試験や資格は手段としてしか機能しないから。

私はオーストラリアで、IELTSという試験を何度か受けた。ネーティブスピーカーの先生達で、実際に試しに受験した人にも何度か会った。普段、とても綺麗な英語を流暢に話す人達だ。(当たり前だよね。英語圏で産まれたんだから…)

しかし、彼らでさえ最初は全然点数が取れなかったとの事だった。何回か受験してようやく平均点よりちょっと上。高得点は何度受けても取れないそんな人までいた。
試験には向き不向きがあるし、特殊な対策がいるのはこういう事からも分かる。

日本で有名なTOEICについてネーティブスピーカーの先生に尋ねた子がいた。帰国したら、受験しようと思ってるからが理由。問題集を見せたら首を傾げている先生達を何人も私は見てきた。

「あー、こんなのばっかやってたら英語が分からなくなって当たり前よね…かわいそうに…。」

そんな事を言ったり、

「日本人が話せない人ばかりな謎が今解けたわ!見てるとこっちまで分からなくなる。」

こんな事を言うネーティブスピーカーの英語教師に何度会ったことか…。

何も受験するなとは言っていないが、英語資格や試験を受験して高得点が取れれば、英語が使えるようになるなんていう幻想は捨てて欲しい。

そして、必要でない人も沢山いる。そう思う。時間を有効的に活用してほしい。

英語試験と英語能力については、いつも比例しないんだから……。

こんな事もいろいろ!
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