英文法の受け身について
今日は、英文法の受動態。いわゆる、受け身について書こうと思う。
この受け身系は、日本の教育では資格とか受ける時に重要とされている。
私が学校教育を受けてた時代では、例として
He broke this window.
彼がこの窓を壊した。
みたいな文章を、
This window was broken by him.
みたいに変形させるんだよということを筆頭に、いろんな時系列や文型で練習させられたものだ。
それで、by him は誰かよく分からないから抜かしてもいいよとかも習った。書いても書かなくても良いよって事。そこらへんは何故かもハッキリしない…先生のご機嫌次第で、帰国子女の子がhim を飛ばしたらバツになったのも見たことある。いい加減な評価だ……
そして、名詞がMike とかになると、
Mike broke this window.
マイクがこの窓を壊した。
なおすと
This window was broken by Mike.
になるよ!って話だ。
この場合にマイクは誰か分かってるから消せないよとか聞くだろう…。それが何故か考えたことはあるか?
そうやって規則みたいに覚えさせる訳だ。けど、決まりだからだけでは浅い。
覚えさせることが必ずしも悪い訳ではないけど、まさかそのニュアンスを何も考えていないとしたら使いこなせる訳がないということも言っておきたい。
(まだこんな教育をしていて欲しくはないんだけど、どうなんだろうか?)
こうやって変形させるんだと知っているだけでは、深みも何もあったもんじゃないということだ。
どうしてそういう風に受け身を使うのかのニュアンスを気にしたことがあるか?
使っているネーティブスピーカーがどんな雰囲気を込めているかそういうことだ。ただの暗記ではここら辺の部分が抜け落ちている。
まず受け身系というのは、そんなにも好まれる表現ではないと知っておくべきだ。
ポジティブなイメージを与えないことが理由。
それは、英語圏ではコミュニケーション取る時に、自発的に発言することそのものが好印象を抱かれるからだ。
受け身系にした時点でそれが薄まる。
もう一つの理由は、言語で状況を分かりやすくした方が丁寧と思っている人の多さだ。もし主語が分かっているのなら書くべきであり、ハッキリ示せば示す程に信頼が得られるからだ。
上の文の場合、わざわざ後ろに持ってくる意図はあるのか?となんとなく違和感を抱かれる。
その逆で、主語が分からない場合は使うイメージ。窓とかは大した事ではないけど、もっと大きな出来事では主語を言わなかった場合、調べ中だからとか私は分かんないからとか言う人もいるくらいだ…。
あくまで自分から相手にが基本で、相手を見て自分がではないから。
こういうニュアンスが理解できていないと、違和感ありありな場所で文法ルールを発動してしまう。
そして、ネーティブスピーカーからは正しい文法をいくら使っていようとも、あまり理解してもらえない。
「受け身」もそういうひとつの例だろう。
ただ覚えるだけでは、言語は使えるようにならない。どうしてもネーティブスピーカーと感覚のズレが出てしまうのが理由。
文法ルールを知るのは大事だけど、ただ覚えるだけでは多くの人が思うほどには、意味なし。
逆に文化的なニュアンスや言語の特性を無視した状態で、高度な文法なんか使おうとすれば相手からすれば訳が分からなくなる。
そんなことしてるくらいだったらシンプルにした方がマシなのに、そこに時間をかけていたら本末転倒。物事には順番がある。
因みに、受け身は真面目にお勉強してきた日本人が思うほどネーティブスピーカーにとってよく使う語法ではない。
少しネガティブな印象を与える時や、主語が分からない場合に使う感じ。
そしてあんまりそれはポジティブな雰囲気を与えない。
ビジネス文書ひとつ例にとっても、あまり受動態は使わないようにプロは指導している。
英文法の受け身について考えるだけでも、いかに暗記重視は背景を無視しがちというのが分かる。