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「ナイブズ・アウト」で分かる発音のアクセント

「ナイブズ・アウト」という映画、ご存知ですか?日本の作品でいうと、古畑任三郎みたいな雰囲気です。推理物で、私的にはとても面白かった。
この作品は続編も出ているので、またそれも観てレビューしたいですが、今日はアクセントについて。

よく、この発音はアメリカ英語でこれはイギリス英語とか、話している人の場所で安易に言う人がいますが、この映画はそれを上手く否定している側面もあると思うんです。
現に、主演のダニエル・クレイグは訛りのトレーニングを受けたのが有名。アメリカの南部のアクセントです。

アメリカといえども、とても広い。州によって地域によって、どんな人達が移住しているかでアクセントが変わる。

そして、アメリカはそもそもイギリスからの移民も多い。
この映画のように、郊外ともなれば俗に言うアメリカ英語よりも英国寄りのアクセントの人も増える。

私はずっと、アメリカ英語のアクセントはこう!イギリス英語のアクセントはこう!と決めつける人がいると、

“ちょっと待って。あなたの言ってるアメリカンアクセントとブリティッシュアクセントはどこの地域なのよ?!”

と思ってきた。

ましてや、オーストラリアでも、オージーアクセントの悪口や愚痴とか聞くと、

どれのアクセント!?どこからのルーツの人のアクセントを言ってるの!?

と頭がクエッションマークで満たされてしまった。

はっきり括るのは、とても難しい

括っている人が、よく聞いている音を勝手に適当に分類しているだけにすぎないだろう……。

おそらくアメリカでも、イギリスでも、オーストラリアでも、地域によってはとても似たアクセントで話している人はいるだろう。
そして、地域毎に、メディアで取り上げられたりしている回数が多い音をそう認識しているんだろう。

私自身、オーストラリアはオージーアクセントと聞いていたけれど、バックグラウンド毎にみんなそれぞれアクセントは持っているから、どれがオージーアクセントなのか今となっては正直分からない。

その紹介している人が、一つのアクセントを基準にし外れている物をアクセントと言っているにすぎない。

どれも聞き慣れれば、理解できるようになる。それだけだろうなと。

ただ、あまりに皆んなが皆んな勝手に発音していると訳が分からない記号を交えたコミュニケーションになってしまう。
そこに共通項を持たせるために、発音の決まりを明記した発音記号があると思う。
だから軽視して良いわけではない。

「アクセントがなく、綺麗な発音だね。」

そう言って褒めたり、言われて喜んでいる人を見るといつもモヤモヤする。

自分基準でどのアクセントが正解か決め、他のアクセントを軽視している結果だからで、誰かや環境に依存している結果なだけだからだ。

どのアクセントでも、本来なら優劣はないはずだろう。

出来る限り相手に分かるように、発音記号に基づき声を出せばどれも正解と皆んなが思うべき。

「あー、あの人アクセントがキツくて分かりづらいよね。」

と口に出すほど恥ずかしい事はないと思っている。思うのも自由だし、言うのも自由なんだろうとは思うが、それを大きくして指摘するのはどうなんだろうなと…。

なぜなら、相手がその音を出すのに慣れているのだから、相手側に立てば相手はこちら側のアクセントがキツく聞こえるかもしれないからだ。

発音記号は誰にとっても大事だから勘違いは禁物だけど、アクセントをとやかく言ってる人を見つけると、もっと互いに甘くなり理解し合う寛容な心が必要ではないだろうかと思う。

英語の発音について、いろいろ!

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