2018年 my best music 10

今年も残すところあと2日。いろんなことがあって、時間が流れるのが早くて、音楽を聴く時間もたくさん確保できたわけじゃないけれど、それでも合間をぬって様々な音楽に出会った1年でした。今年のベスト10を発表します。

※アーティスト/曲名

●10位
折坂悠太/さびしさ
9月に初めて参加したOTOTOYの音楽ライター講座。その時、参加者みんなで分析し合った課題の曲。もしかしたら、課題曲としてじっくりと聴くことがなければ、とくに耳にしなかったかもしれない曲。聴けば聴くほど、その魅力に感動したけど、それ以上に音楽ライターを目指していながら然るべき思考を持ち合わせていない自分に恥ずかしさを覚えた。「さびしさ」について思うような文章を書けず、赤が入ってきたものに再提出することができなかった。この後、私はとある作曲家の元で楽曲分析の勉強を始めた。約2か月経ってやっと再提出したけど、赤は返ってこなかった。そんな悔しさがつまった曲。

●9位
オアシス/Wonderwall
9/17(月・祝)、豊田市にリアム・ギャラガーが来た。まさかだった。豊田市民にとってこんな光栄なサプライズは、後にも先にもないのではないか、というくらいの衝撃だった。そして、大好きだったこの曲を、生で聴ける日が来るなんて…。偉大なアーティストには、長生きしてほしいものだと思った。

●8位
椎名林檎/旬
小学生の頃から好きだった椎名林檎のライブに初めて行った。改めて椎名林檎、東京事変の作品を聴き返している中で、今の私に一番響いたのがこの曲。ライブでも歌ってくれた。一番大切だと思っていた人が、私を否定して押さえつけた。そのつもりがなかったとしても、そういう風に感じてしまった。だから一緒にいるべきじゃなかった。そんな悲しさを抱えている時期に、これを聴いた。「誰もがわたしを化石にしても 貴方に活かしてもらいたい」「生きているうちはずっと旬だと そう裏付けて」。ずっと一緒にいたとしても、毎日新鮮に愛したいものだ

●7位
ビル・エヴァンス/Waltz for Debby
今年は、年始に宣言した通り、ジャズもいくつか聴いた。これは、ジャズ喫茶でバイトしていた人に作ってもらった初心者向けプレイリストの中の1曲。ピアノメインのジャズが日本人好みで聴きやすいのだなと気づいた。この人に、他にはどういうきっかけでジャズを聴いていけばよいか聞くと、村上春樹はどうだと返ってきた。村上春樹はなにを隠そう、作家として名を馳せるより前にジャズ喫茶を経営をしていた。そのため、作中には実に様々なジャンルのレコード名やアーティスト名が出てくる。最初は古い楽曲を知るために読み始めたのだけど、すっかり作品自体にハマってしまった。とにかく、村上春樹の作品を読んでいると、もっともっと音楽を聴きたい、という気持ちが湧いてくる。

●6位
永原真夏/あそんでいきよう
今年も地元のフェス「トヨタロックフェスティバル」のお手伝いをしてきた。もう3年目。特に役には立てていないけれど(笑)、楽しくやらせてもらっている。担当したステージの常連であるまなっちゃん。「あそんでいきよう」は、本当に、心の底から歌うことの楽しさを噛みしめている彼女がうたうからこそ、ものすごい説得力のある楽曲。仕事中にも関わらずお客さんと一緒になって泣いた。彼女はいつでも堂々として、生き生きとして、体じゅうで喜びを表現する女性だ。きっと人並に悩みもするし弱い部分もあるのだろうけど、絶対そんな素振りをみせない。なかなか、こんな人はいないなと感心してしまう。

●5位
優河/魔法
池上本門寺スローライブというフェスで、初めて見て、一瞬で引き込まれてしまった。26歳とは思えない母性、神秘的な雰囲気を持った人だった。「もう戻らないいつかの夢も 恋しくはないのあなたのことも ただ胸の奥が 少し」「あの夜に消えた あなたとの魔法」。年齢を重ねれば重ねるほど傷つくことへの耐性は身についていくけれど、人は死ぬまで少しだけ傷ついていくのだと思う。だから大人の恋は、子どものより切ない。

●4位
kan Sano/Magic!
天才としか言いようがない!篠島フェスで爆誕した名曲「仁 しらす丼」のアドリブも忘れない。クリスマスの日のインスタライブの「ダウンタウン」や「Masic!」のアレンジバージョンも忘れない。彼の優しい空気感も、小鳥のような声もとにかく好きだ。好きで好きで、今はどうにも言葉にならない。1/5(土)のオヨヨ書林(金沢)のライブが楽しみでしょうがない。

●3位
クイーン/Another One Bites The Dust
社会現象となった映画「ボヘミアン・ラプソディ」。クイーンの魅力に幅広い世代が夢中になっている。私もその1人だ。もともとはタイトルにもなっているボヘミアン・ラプソディやウィーアーザチャンピオン、ウィーウィルロックユーくらいしか知らなかったのだけど、劇中に出てきて衝撃を受けたのがこの曲。ロジャーが、タバコを口にくわえながらこのドラムを叩く一瞬のシーンのセクシーさよ。Spotifyのおかげで、デビューアルバムから遡るのも簡単。今のところ「オペラ座の夜」が一番好きなアルバムだ。

●2位
宇多田ヒカル/あなた
20周年を迎えて、『初恋』というアルバムをリリースし、12年ぶりの国内ツアーも開催した宇多田ヒカル。わたしは、生まれて初めて生で宇多田ルヒカルを見た。ツアーの1曲目だった「あなた」は、ライブで見る前からよく聴いていた曲だ。感極まって泣いた。どうしてこんなに好きなのか考えた。韻を踏み続ける歌詞と、繰り返されるコード進行。ある程度予測できる展開は、人に気持ちよさを与える。最後に少しだけ裏切られる。ラップに母の愛を込める。かつて、親友への曲なのに「Making Love」とタイトルをつけてしまった、あの一筋縄ではいかない彼女らしさ。優しい歌だなと思う。

●1位
宇多田ヒカル/初恋
「もしもあなたに出会わずにいたら 誰かにいつかこんな気持ちにさせられたとは思えない」「欲しいものが手の届くとこに見える 追わずにいられるわけがない 正しいのかなんて本当は誰も知らない」「小さいなことで喜び合えば 小さなことで傷つきもした」「こらえても溢れる涙が 私に知らせる これが初恋と」初めて聴いたときは、アルバムの表題曲だけどいたってシンプルだなと思った。シンプルでよい曲だと思っただけで、地味だとか弱いとかは決して思わなかった。たぶん、曲全体を通してキーが高い。亡き母親のことを歌った「道」のように。切なさと緊張感がある。「First Love」で初恋の自覚を持って一応の未来を見ていた女の子は、20年経って本当の初恋を知る。それは、初めてした恋のことではなくて、初めて繋がった人のことでもない。お互いを心から必要とし、愛し合った恋のことなのだ。


今年は、雲の向こうにいると思っていたアーティストのライブにいくつか行けたし、Spotifyによって生まれる前の曲にもたくさん触れた1年でした(本日のナタリー「Spotify特集」の通り、リアルタイムの曲が人気とは言えなくなったし、リアルタイムの曲と昔の曲がライバルとなる時代になったようですね)。
来年もジャズを中心に、様々な音楽に触れたい。本を読むのも大切だけど、"耳"を使う時間をやっぱり1番大切にしたいなと思います。なのでYouTubeとSpotifyをフル活用する予定。ダンス・ダンス・ダンスのユキのように、いろんなものを犠牲にしたとしても、ひたすら音楽を聴いていたい。

#音楽 #2018 #今年のベスト #コラム #ライブ #村上春樹 #Spotify


ブログ・イラストの創作活動のため、たいせつに使わせていただきます!